実技試験1の1 -大型自動二輪一発試験合格への道-

※この記事は以前のブログ=ベベルギアがうなるぜーW400日記ーで、2020年4月28日に公開した記事です。

二俣川での大型自動二輪一発試験受験の事前審査に受かった。

事前審査に受かると、本試験の日程は試験場から指定される。特に問題がない日だったので変更はしなかった。

試験までの通勤時は、徹底的に試験向けの走りを心掛けた。身につけてしまえば、普段と同じことをすればいいだけである。

試験の3日前から、コースを覚えることにした。2020年4月現在、二俣川の試験場での大型自動二輪試験のコースは2つある。回転する椅子に座り目をつぶり、走行する向きに合わせて椅子を回転させるイメージトレーニング。よくわからないところはネットを検索して、実際に受験した人が公開している情報を見る。

試験は翌週の月曜日という金曜日のこと。コロナウイルス対策で非常事態宣言が出ている中、果たして運転免許の試験なんてやっているのか? 今、教習所を自粛することで問題になってるし。仕方ない、電話して訊いてみよう。

例の音声ガイダンスを我慢して我慢して、3分後にようやくオペレーターにつなぐところまで到達。呼出しにすぐに出てきたオペレーターさんは、

「今のところやります! ただしどうなるかはわかりません」

確かにこの状況では仕方ないだろう。礼を言って電話を切る。

試験当日

台風級の暴風雨となるらしい大雨の月曜日である。試験場に行くためにマフラーを交換したWで来るのはやめ、車でやってきた。かなり降っている。ただそれはぼくにとっては悪くない。雨の日は合格しやすいと聞いたことがあるし、実際中型は雨の日に一発で合格だったからだ。開場時間の8時半が近づいてきたので、傘をさして試験場の入り口に向かう。

この雨の中、結構な人が並んでいる。しかも3階(行きたいところ)への入場はコロナウイルスに対する密集対策なのか、コントロールされていてなかなか入れない。試験コースを歩いて見られるのは8時から9時だから、さっさと入りたいのに入れない。

ようやく技能試験受付窓口に到着したときは、すでに8時20分を過ぎていた。コースを見るのは受付が済んでからにしようと、椅子に座って受付が開始するのを待つ。自動二輪の試験を受けるのではないかと思われる、ヘルメットを持った人も数人いる。

8時半になり窓口が開いて、係の人がそれぞれの受験者に集まるように声をかけ始めた。いきなり先頭バッターはきついので、座ったまま様子を見る。何人か集まったところでその列の最後尾についた。結局受験番号は3番。試験コースは1号コースだ。よかった。1号コースは素直な道順だが、2号コースは、かなりトリッキーだからだ。

技能試験コースへ、屋根のある通路なのに傘をさしながら歩く。雨もすごいが風もすごい。少しぐらいふらついても多めに見てくれるに違いない。

技能試験コースに到着。慣れてる風の受験者に、今の時間は歩いてみていいのか確かめてみると、よいとのこと。この雨でいくんですか? 的な反応だったがこっちは初めて。見ておくのと見てないのは大違いだから行きますよ。

歩いてみてわかったのは、スラロームのパイロンの間隔が広いこと。なんだこれなら楽勝じゃん。それと一本橋が長いこと。いけるよ! 一発合格だ!

ただし気になることがひとつ。波状路の突起が金属でできているので、この雨でかなり滑りそう。あまりゆっくり行くと、スリップして越えられない危険性を感じる。気をつけなくては。

縫製がほつれ始めていたブーツ(安全靴)の中がびしょびしょになってきたので、コースの下見は終わりにして、待合所へ入り試験開始を待つ。コロナウイルス感染防止のために他の受験者とは皆距離をおいている。

9時半になり試験官がやってきた。待合室の前の方に集合させられ説明を始めたのだが、試験官とぼくらの距離が近い。なぜこの広い部屋でこれほど近くに集まるのか? 密接だよ密接。言ってやりたかったが、試験に悪影響が出るのも嫌なので我慢する小市民なのだ。

試験は大型と小型を交互に行い、慣らし運転は前の順番の人が受験中に、頃合いを見計らいやるようにとのこと。慣らし運転は、車両の状態を確認するためだけなので、スラローム的な走りなどはしてはいけないとのこと。そして走るのは、発着所とすぐ目の前の直線をぐるっと一周走るだけだった。まあ、走らないよりいい程度。

一人目の受験者のスタートである。この人は顔見知りらしい受験生同士と話していたので、少なくとも2回目以上だろう。ゆるゆると慎重にNCを前に出した。

1号コースはまず外周を1周する。発着所前の直線を終え右折し、スラロームへ入っていく。難なく通過する。外周を回った逆回りで発着場前直線に戻り途中で左折してコース内部へ入る。2本並ぶ波状路の奥の方へ右折して進入。尻をシートから離し、スタンディング状態になった。

滑るのか?

彼の走りで、ある程度わかるだろうとじっと見つめる。波状路のでこぼこをゆっくり進んでいく。ゆっくり ゆっくり 

えっ? ゆっくり過ぎないか?

彼はだんだんスピードを落としていき、やがて前進を止めた。ひざを曲げてシートに尻をつけ、左足をついてしまった。終わりだ。あまりにあっけない。これが一発試験だ。

つづく

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