カーボンフェンダーをつくろう その2

アップフェンなら成り立った

取付金具の検討

フェンダーの製作と並行して、取付金物の製作も進めていた。アウターチューブ側は、既成のものにするしかない。ZX6Rのアウターチューブに合うサイズの、チープじゃない金物にしたい。そこで見つけたのがゼファー400のスタビライザー。しかしこれは、タイヤとの離隔が無さすぎてダメ。いつかこれはヤフオクに出品することにしよう。

ゼファー400用のスタビライザーの部品を利用しようと思うも無理なことがわかった

なかなか見つからなかったが、なんとモンキー用の部品で、ちょうどいいサイズのクランプを発見。すぐに購入して届いたものも、悪くないでき。

これと型にしたフェンダーをWにセットして、このふたつを結ぶ金物の試作を、透明PET板で作った。以前、シートを作った時の余りだ。

透明プラスチック板で、金具の試作品をつくる

金具の製作

しっかりした感じを出したいので、4ミリ厚のアルミ板を購入。CADで書いてプリントしたものを型紙としてけがく。

CADで書いた金具を型紙として、アルミ板にけがく

バンドソーをジグソーを駆使して切り出す。

切り出されたアルミ板

作業台にクランプし、曲げる側を厚鉄板でサンドして、大きいモンキーではさんで曲げる。曲げ角度はスラントゲージで測定してそろえる。

曲げ角度をスラントゲージで測定しながら曲げる

曲げ完成。

曲げ終わったアルミ板

やすりやサンダーで仕上げた。見た目は結構いい感じ。

完成したフェンダー取付金具

完成した金具でフェンダーを取付

ところが、透明PET板で作った試作品は厚みが3ミリだったこと。型にしたフェンダーは雄型だったため、できたフェンダーは大きくなっていたこと。二つの理由でフェンダーが収まりきらない。

金具が厚すぎてフェンダーに密着しない
金具が厚すぎてフェンダーに密着しない

フェンダーを削って納めるも考えたが、金具の厚みを3ミリで作り直すことにした。

作り直した金具での取付

3ミリ厚のアルミ板でもなかなか厳しい上に、フェンダーの取り付け面とアルミの曲げを合わせるのにかなり苦労した。しかもフェンダーの裏側のナットの接触する面が、表側の面と平行でないため、金物へのボルトの密着が悪く、今3なでき。

完成したフロントフェンダー

しかも、型のフェンダーの切り出しを、左右アンバランスなまま進めてしまい、当然のことながら、出来上がったフェンダーも左右アンバランスなものになってしまった。前から見ると、、右上唇をあげているシニカルな表情。

取り付け金具の高さを調整して、シニカルさを減少させ、作業終了。いやー、色々と反省の多いフェンダー製作だった。

と、思いながらWをしまおうと前進させると、

フロントタイヤから「キュッ」という音が。この音は、ゴムとプラスチックが擦れる音では?

まさかタイヤとフェンダーが当たっている? いやいや、そんなはずはない。クリアランスはしっかりとってある。気のせいに違いない。

そう自分に言い聞かせながら、さらにWを押し進め、バイクテントの所定の位置でフロントブレーキをかけた。

「キュッ」

またあの音・・・

そこで突然腑に落ちた。倒立フォークのフロントフェンダーは、アウターチューブに取り付けてはダメだということを。倒立フォークのバイクたちが、わざわざアクスルシャフト支持部からステーを上方に伸ばしてフェンダーを支えているのには、理由があるということを。

ごった・・・

※ごったというのは、大切なポイントを見逃して失敗した時に使うセリフ。しんごったの略。

スタビライザーを手に入れたり、厚み違いの金物を作り直したりしたことが走馬灯のように脳内を流れる。しばししばし硬直。

まあ仕方ないので、フォークが縮んでもタイヤが届かないところにつければいいやと、アップフェン仕様にする。なんかかわいい。

アップフェンダーとなったが、ちょっとかわいい

いろいろ勉強もしたし、次はもっとうまくできるはず。

カーボンフェンダーをつくろう 

完成したカーボンフェンダー(クリア塗装前)

フェンダーは必要か?

倒立フォーク化は、ほぼ完成した。なぜ、「ほぼ」かというと、フロントフェンダーがついていないからだ。フォークはZX6Rのものだから、それ用を手に入れれば、あっけなく完成するかもしれない。しかし、我がWに装着したZX6Rの年式のフロントフェンダーは、インナーチューブを保護する部分のボリュームがかなりでかいのだ。これは我がWの全体的なイメージにはそぐわない。

雨の日は基本的には走らない。だからフロントフェンダーなんて無くてもいいと思っていたのだが、晴れていても案外路面に水はある。それは車が出すエアコンの結露水。信号待ちで小さな水たまりができる。それを気づかず乗り入れると、Wのフロントタイヤにまとわりつく水。

その水は遠心力に負けてフロントタイヤから引き剥がされ、大部分はWのエンジンを微少ながら冷やす。そいつらより少しだけがんばったやつが、ヘッドライトの前方の空中に放り出される。

そいつは、やがて勢いを失い、後方へと軌道を変える。そして必ずと言っていい確率で俺の顔面にヒットするのだ。

これがウザイ

「早くフェンダーをつけないと」 と思う瞬間だ。

どんなフェンダーにする?

どんなフェンダーにしたいかと言うと、やはりショート。他車流用で、いいのがないかヤフオクで検索の日々が続く。

前々から気になっていた、カーボンもいいなと思っている時にみつけたのが、ネクスレイのフェンダー。GB350やZ650RS用があり、なかなかかっこいい。ただし値段もそこそこする。どうせ取付金具は使えないし、カーボンで自分で作るのもいいなって気になってくる。

でもなぁ フェンダーみたいな形は、ごまかし効かないよなぁ

「カーボン 自作」で検索してみる。なんちゃってカーボンで、元の製品にカーボンクロスを1枚貼り付ける方法があるのを知る。FRP資材販売サイトで紹介していたのは、車のボンネットをなんちゃってカーボンにする過程。なるほど それもありだな とも思う。

フェンダーの自作

ということで汎用のフェンダーを入手。これを自分の好みの形に切ってあぶって曲げて加工する。

既製のフェンダーを切ってあぶって曲げて、型にする

取付金具とつながる部分は、パテを盛って、上部が平らな山を作る。くるむのはやめて雄型にすることにしたので、この山のエッジが出せるのか、ちょっと疑念あり。

完成した雄型フェンダー
取付金具を受ける部分を平面にする

カーボンクロスなどの材料は、なんちゃってカーボンボンネットを紹介していた販売サイトで購入した。見た目がカーボンカーボンする、綾折りというやつにした。離型剤は、スーパーで買った洗濯糊。専用の物は高価だが、成分は同じらしい。

離型剤は安い洗濯のりで代用

カーボンクロスを切り出す。高いのでギリギリサイズ。端からほつれていくので、マスキングテープを貼って切ってみた。

カーボンクロスを必要な大きさに切る

1枚積層するのにどれだけの樹脂が必要なのか検索する。300g/㎡ぐらいみたいなので、それを基に樹脂を混合する。刺激的に臭い。これは怒られるやつだ。つうか体にかなり悪そう。本気のマスクが必要。

始めの積層の準備は万端

雄型に樹脂を塗りたくったあと、カーボンクロスをのせる。はっきり言えることは、ギリギリサイズはアウト。ケチらずに少し余裕を持った方が失敗しない。

仮に紙でこのフェンダーをくるんだら、絶対しわができるだろうが、カーボンクロスは3次元曲面に、きれいに張りついた。そのためには、端のマスキングテープは剥がさなければならない。マスキングテープをはがすと、カーボンクロスの繊維を引っ張るので、うかつにやると繊維が抜けたり、乱れたりする。これが、ギリギリサイズだと良くない理由。

直射日光で硬化を促す いいのか悪いのか・・・

縁に厚みをつくる

2層重ねたところで型からはずしたカーボンフェンダー

2層重ねたところで、型からはずした。3層目の縁をくるむことで、縁の厚みを出すためだ。型からはずしたら整形し、縁の裏側に厚みを出すための芯となるよう、樹脂をひたした紐をはりつける。

縁の厚みを作るために紐で縁取る

硬化したところで、3層目の準備をする。カーボンクロスは大きめに切る。くるむのだから当然と言えば当然だが。

3層目のカーボンクロスを準備

くるむところまで一気にやると、失敗する予感しか無いので、縁の手前まで樹脂を含浸させることにした。くるむのは翌日にする。

2段階にした、くるみ作業だが、クロスの復元力に負けて、簡単な作業ではなかった。どうしても、くるんだクロスが、はね起きてしまうのだ。ヒートガンで硬化を促進させてはみたが、あまり効果はなかった。くるんだクロスの先端をマスキングテープでとめる。最終的には瞬間接着剤で固定してから樹脂を含浸させた。この方法が正解かもしれない。

縁をくるんだカーボンクロスは、裏側でマスキングテープによっておさえる

表面の平滑化

3層の積層が終わった。表面の仕上げをするために、樹脂だけを2回塗った。最後の1回はインパラの樹脂とした。インパラを使う理由はわかるが、ノンパラを使う理由はわからない。接着強度だろうか? ここから仕上げのために、耐水ペーパーで削っては樹脂を塗るを繰り返す。もう何度やったかわからない。なかなか平(曲面だが)にならず苦労した。

仕上げのために樹脂を何度も塗り重ねる

できあがってみると、なかなかいいんじゃないの? というでき。ツヤが出ると初めてわかるでこぼこも、なんとか抑え込めた。ただ、この先とんでもないことが待っていることに、今は気づきもしないのである。

完成したカーボンフェンダー(クリア塗装前)

ただの継続車検だったのに その2

無事車検シールもゲット

例によってバタバタしている車検の話の続き。その1はこちら

Wに乗り、検査ラインへ向かう。1番左の二輪用のラインの中にには、1台のバイクが見える。ただ、ラインの入り口に検査員さんは見えない。

Wを停めて、ほどなく検査員さんが奥から現れた。よろしくお願いしますと言って、書類をはさんだクリップボードを渡す。まずはヘッドライトやウィンカーなどの灯火類の検査。

「ハイビームー 右ウィンカー 左ウィンカー ホーン」

と検査員さんの指示するものを作動させていく。ホーンの音量がかなり頼りなげだったが、検査員さんはWの後ろへと移動した。

左右ウィンカーと、ブレーキランプの動作を確認すると、ウィンカーにペンライトをかざしてガン見し始めた。このウィンカーは、前回の改造車検の時にも確認いただいているので、特に問題はないだろう。

ところが・・・

「このウィンカーいつからつけてます?」

「2年前の車検からついてますよ」

「これ見たことないんですよねぇ」

検査員さんは、辞書みたいなものとWのウインカーを交互に見ている。

「Eマークついてますよね?」

「Eマークだけじゃなくてもっと書かれているべきことがあるんですよ」

「メーカーは車検対応って言ってましたよ」

「それが書かれた説明書とかありますか?」

「あるかもしれないけど、今は無いですね」

「そうですか 詳しい人だったら不適合っていうかもしれないですね・・・」

ということは今日はオッケー?(((o(*゚▽゚*)o)))

続いてマフラーの音量測定をすると言い出した検査員さん。Wの右後ろにマイクのようなものをセットし始める。たぶんこのパチヨシムラのチープさを、いぶかしんだに違いない。これは今までやったことがない。

ヤフオクでゲットした、やっすいサイレンサー

3500回転に合わせてくれと言われてやってみるが、アクセルが重い。スロットルバルブが張りついたように、3000回転ぐらいから、思うように回転が上がっていかない。ちょっと力を入れてみたら、バオーンと、4000回転を超えてしまった。

「はいオッケーでーす」

あっ オッケーなのね 安心はしたものの、微細なコントロールができない自分が不安になってくる。

94db/3750rpm の測定値と自動車税未確認のはんこ

ようやく事前審査的なエリアを終え、ラインに入れる。ひとりでやろうと思っていたが、勝手に別の検査員さんがついてきた。まあ、ついてもらった方がまちがいない。

ブレーキはなにやら、やり直しがあったが、スピードメーターは問題なく、最後のヘッドライトの検査になった。

「左右から前輪をはさまれます その際、バイクが傾いているようなら、揺らして直してください」

なるほど 確かに以前の検査で、はさまれた時にずいぶん左に傾いていて、大丈夫なのか不安になった時があった。大丈夫だったけど。

前輪がはさまれて固定され、検査が始まった。テスターが前に出てきたて、なにかを探すようにぐるぐる動いている。

「 × 」

だめだった。やっぱりね ハンドルをぐぐっと左右に動かして2回目にチャレンジするも結果は同じ。まあ、想定通り。

検査長小屋に話を聞きに行くと、左はほんの少しずれてるだけだけど、下に55センチずれてるとのこと。今までは口頭だけだったけど、今日は不適合なことを、書面で渡された。

ヘッドライトテスタの不適合っぷり

下を向いてるだろうとは思っていたけど、まさか55センチもか・・・ まあ確かに、フロントホイールが19インチから17インチに変わり、アクスル軸は差の半分の1インチ=2.5センチ下がったわけだ。ホイールベースは1500ぐらいだから、10m先だと10000÷1500≒6.7 2.5×6.7=16.75センチ下を向く、となるはずだが、55センチか・・・

予備検査場に持ち込んで、さっさと終わらせようと一旦準備を始めるも、再チャレンジは2回できるんだから、自分で直して1回目の再検査を受けてみるのもいいか? 受かればラッキーだ。

ということで、いつもの?ように、車検場の端っこに行き、建物の壁にWを正対させる。まだ明るいが、光軸調整の頼りになる、照らし出された灯りの明暗は、なんとかその光の輪郭を認識することができた。

その輪郭の上部にマスキングテープを貼る。準備は万端さ!♪ 歩測で5mの位置にWを置いたので、狙いは27センチ上。当然持ってきてある14のコンビネーションレンチ2本で、ベイツタイプのヘッドライトの上下ボルトを緩めて、灯りの輪郭をマスキングテープから25センチぐらい上に動かす。27センチじゃないのは、調整誤差。スケールは持ってきてない。

左右は適当にちょっとだけ右に動かして調整終了。検査ラインに再度再度突入する。

迎え撃つ検査員さんに、光軸だけの再検査を告げると、前の人が終わったら、再検査の光軸ボタンを押しなさいと言われる(たぶん ちょっと忘れた)。押さないと、全部の検査が始まってしまうらしい。

その操作ボタンがある横で、前の人が終わるのを待つ。待ってる間に、再検査ボタンを押すべきなのか、それともすっかり終わってから押すべきなのか悩みながら待つ。

前の人はずいぶん慣れているように見受けられた。スムーズに検査をこなしていく。ところが、光軸検査で失格していた。光軸侮りがたし!

前の人の光軸検査が終わったところで、再検査ボタンを押してみたが、操作盤になんの変化も現れなかった。そして前の人がテスターから、すっかり離れたところで再度押してみると、再検査を受け付けた表示に変わった。

ブレーキとスピードメーターのテスターを飛ばして、一気に光軸検査まで進める。例によって左右から出てきた板にフロントタイヤをはさまれて固定される。そして、テスターがWの前に出てきて検査が始まる。ほどなく表示板に光軸検査合格の表示。さすが俺σ(・ω・。)