トップブリッジのねじれを修正す -W650を倒立フォーク化-

左右が大きくねじれたフロントフォーク

Z1000のトップブリッジの猛烈なねじれを発見した話の続き。

Z1000のトップブリッジは使えないので、Ninja1000のトップブリッジが使えないか考える。入手した直後は、トップブリッジとアンダーブラケットの間隔が大きすぎて使えないと思っていたが、ステムシャフトを入手して計測してみると、ぎり使えなくはないことがわかっていた。Ninja1000のトップブリッジには、メインスイッチが取り付けられるようになっているので、Wのハンドルロックの位置に合えば、導入がずいぶん易しくなる。

届いたNinja1000のハンドルステム

難点はバーハンドル用ではないので、ハンドルポストの取付け用の細工をほどこさなければならないことか。

Z1000のトップブリッジが出ていないか、ヤフオクを探索する毎日。そんな中、出品されているもので「曲がりあり 要修正」というものがよくあることに気づいた。

要修正か・・・ 要修正?

そうか ねじれているZ1000のトップブリッジを、トーチで炙ったら修正できるんじゃないのか? だめで元々、絶対ゴミでしかないのだから、試してみる価値はある!

修正作業

会社の倉庫の棚は単管パイプで組んだものだ。単管パイプの直径は49ミリぐらい。ZX-6Rのフロントフォークのトップブリッジ側の径が50ミリとほぼ同じなので、薄い鉄板をかませて棚の単管パイプにトップブリッジを固定する。

単管パイプをくわえて、トップブリッジのねじれを修正する。

真ん中の穴に、Ninja1000のアンダーブラケットから抜いた(正確には、抜くために事前に切断した)ステムシャフトをさす。

きっとこの辺が歪んだんだろうという辺りをガストーチで炙る。手袋越しに温度を確かめながら。

こんぐらいでワンチャン

ステムシャフトに単管パイプをさして、ぐいっと曲げてみる。変わったかな? 単管パイプとステムシャフトを水平器で交互に見比べる。まだ全然ねじれていた。またトーチで炙る。

炙っては単管パイプでこじってを繰り返すこと30分。あれだけねじれていたトップブリッジが、おおむね満足できるぐらいまで、両フォークとステムシャフトの3本の軸が平行になった。

走ってる時にパキンとか割れなきゃいいな( ̄▽ ̄)

ステムシャフトとトップブリッジで紆余曲折する -W650を倒立フォーク化-

歪んだトップブリッジのせいでねじれたフロントフォーク

ステアリングステムで右往左往した話の続き

万力に挟まれたZRX1100のステム

手に入れた格安ZRX1100ステムからステムシャフトを抜く。抜くと言っても、アンダーブラケットは用無しなので、シャフトにダメージが少ないようにアンダーブラケットに容赦なくドリルをたてる。

キリコにまみれるZRX1100のステム

首の皮一枚ぐらいまで削ったら、油圧ベンダーで押し壊した。

抜け止めはZRX1100のもののようにリブが設けられておらず、ステムシャフトに溝が掘られスナップリングがはめられていた。

とりだされたZRX1100のステムシャフト

こいつをノギスや新しく手に入れた25~50ミリのマイクロゲージで測定する。

マイクロメーターでステムシャフトを計測

W400のフレームに取りつけてみた。

W400のフレームにステムシャフトを装着

一見問題は無い。ただ、わからないのがベアリングのクリアランスを調整するナットがひとつしかないことだ。我がWには2つあり、1つ目で調整して、2つ目でそれをロックする。こいつはロックするためのものらしい爪付きワッシャーがあるが、トップブリッジを固定するステムナットを締め付けた力は爪付きワッシャーを通してロックナットにかかっているので、爪付きワッシャーの存在価値があまりない。

元々懸念していた、トップブリッジとの噛み合い長さが少々足りない気がするので、この爪付きワッシャーは、いれないことにするか?

そんなことを考えながら、ぐりぐりっとシャフトを右に左に回転させてみて恐ろしいことに気がついた。

このシャフト曲がってないか?

ステムシャフトの上端

右に左に動かすと、ステムシャフトの先端がじゃっかん芯ずれしているように見える。 いや、その言い方は現実を認めたくない自分が柔らかく言ってるだけ。このステムシャフトはかすかに曲がっている。

ノω・、) ウゥ・・・

このぐらいは大丈夫じゃないの? ステムシャフトをぐりぐり動かして感触を確かめる。ロックナットを締めてぐりぐり、緩めてぐりぐり。試しに思いっきり締めてみた。くいっくいっと締めこまれていく。

なぜだ?

さらに締めても、どんどん締まる。

ここで気がついた。アンダーブラケットを油圧ベンダーで破壊する際に、オイルシールもけしとんでいた。そのオイルシール分と、加工しろの数ミリ、ロワーベアリングが動いていたのだ。

そうか 待てよ ぎりぎり下げて、トップブリッジとの嵌合長を稼げないか? 

ステムシャフトの曲がりのことはどこかに飛んで、ロワーベアリングの最下端を探し始めてる。アンダーブラケットからロワーベアリングまでは2.4ミリだったので、それを計算しロワーベアリングの位置を決めた。するとどうだ、ロックナットから上がだいぶ長くなった。

あれ? これは

ステムシャフトはロックナットの上で一段細くなっている。ロックナット部がΦ25で、その上がΦ18だ。ロワーベアリングを最下端にしたら、さっきまでロックナットより下にあったΦ25部の上端が、ロックナットより上になった。

この状態で爪付きワッシャーをいれ、トップブリッジを乗せてステムナットを締めるのをイメージする。トップブリッジは爪付きワッシャーを押すが、その力はΦ25部の上端が受けて、ロックナットには伝わらない。爪付きワッシャーは動かなくなり、ロックナットはその爪付きワッシャーによって回転することを抑えられる。

おお これがこのワンロックナットの正しい状態じゃん!

よし このロワーベアリングの位置で決まるようにカラーを作ろう。 いや、しかしステムシャフトの曲がりはどうする? 仮にどこかのショップに打ち換えをお願いするとしたら、曲がったステムシャフトだと作業できないっていうウェブページを読んだぞ。

トップブリッジの曲がり

ステムシャフトの曲がりに削られた心を癒すために、ブレーキディスクの左右のピッチを計測することにした。アンダーブラケットにZX-6Rの倒立フォークを差し込む。続いてZ1000のトップブリッジ。

これが入りづらい。クランプ部分の隙間が狭いから、多少歪んでいるのだろうか。隙間にプラスチックの板をねじ込んで広げ挿入してみる。あれ? 無理だ

1度外して片方ずつ入れてみると問題ない。 ん? さては

トップブリッジを目の高さに掲げて、横から左右のクランプ部分を睨んでみる。

あぁ (´;ω;`) 思いっきりねじれてる!

歪んだトップブリッジのせいでねじれたフロントフォーク

これは売る方もどうかと思うが、すぐにチェックしなかったからもう遅い。安かったから痛手は小さいが、安かったからこのようなものなのかもしれない。こいつは使えない。あきらめてまた探そう。

左右が大きくねじれたフロントフォーク

ステムシャフトといいトップブリッジといい、うまくいかないことが重なって、心が折れそうになりながら、キャリパーのピッチを測る。キャリパーのディスクを抱え込む溝の中心が140ミリぐらいだ。この期に及んで「ぐらい」とか言っているのは、キャリパーマウントボルトをまだ手に入れておらず、W3/8の寸切りボルトで仮固定しているから。

ラジアルマウントのブレンボキャリパーを仮付け

スラクストンのホイールのディスク取り付け座面の幅は134ミリだった。ディスクの厚みが5ミリだとしたら、スラクストンのディスクはオフセット0なので、左右のディスクピッチは139ミリになる。あらま奇跡。

左右のディスクのピッチを測定

なんの細工もせずに、ZX-6Rのフォークにボルトオンではないか。 あっ ベアリングは替えるけどね。

今回仕入れたマイクロメーターはこれ

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ステアリングステムで右往左往する -W650を倒立フォーク化-

油圧でステムシャフトを押しぬく

ZX-6Rのトップブリッジは使えないことがわかった話の続き。

ヤフオクで落札した+Z1000のトップブリッジが届いた。

Z1000のトップブリッジ

ZX-6Rとフォークピッチは同じだったが、残念ながらオフセットが違ったので、予定通りNinja1000のステムを購入することにする。ヤフオクに出品されていたものを、終了直前に入札して無事落札した。

届いたNinja1000のハンドルステム

届いたNinja1000のステアリングステム1式。トップブリッジは中央が下がるタイプだから使えないだろう。

Ninja1000のトップブリッジ

念の為Ninjaのアンダー、Zのトップの組み合わせでZX-6Rのフォークをさしてみる。トップブリッジのはまりが悪いが、オフセット自体は同じようだ。大丈夫そうだろう。(これがのちにたいへんなことになる)

Z1000とNinja1000のフォークオフセットは同じ

ステムシャフトの抜き取り

届いたNinja1000のステムシャフトを抜こうと思う。方法は、電気の配管を曲げる油圧ベンダーというものを使う。名前の通り油圧を利用して太い鉄の配管を曲げるのに使うものだ。セッティングはこんな感じ。

油圧でステムシャフトを押しぬく

油圧ベンダーのプレートの穴に溝形鋼を渡してこれを土台とする。その土台の上に、ステムシャフトの外径より少し大きな外径のパイプををステムシャフトと同心にセットして置き、油圧で上から押していく。この構造に収まるように、ステムシャフトは短く切った。

押しぬくために短く切られたステムシャフト

まずは1回様子見で押してみる。

なにも変化がない。押されているのかすらわからない。いったん油圧をリリースする。アンダーブラケットと油圧ベンダーのプレートの位置関係が変わった。押されて動いたものが戻るように。

なにが動いた? まさかこのごつい溝形鋼がたわんだのか?

そもそも、ステムシャフトが下に抜けるのか、上に抜けるのか、どちらにも抜けるのか、どちらかにしか抜けないのかわかっていない。今は、上に抜けたら問題だろうなと思って、下に抜こうとしている。アンダーブラケット上側はベアリングレースとオイルシールでステムシャフトの根元は見えないし、下側はステムシャフトの角を面取りしてあるので、正確な太さを測定できない。

もしかして、このオイルシールの下にシャフトの位置決めのでっぱりとかあったら、上から押しても抜けないぞ

怖いのでベアリングレースをはずして確認してみることにした。リムーバーは無いので、サンダーでさっさとぶったぎる。じゃまものがなくなったステムシャフトを観察する。特に下へ抜けるのを妨げるものはない。もう一度やってみよう。

慎重にセットしてから、油圧ポンプのレバーをゆっくり上下させていく。だいぶ押したよなぁ と思った時に、コンッと高い音がした。これはステムシャフトが動いたぞ。油圧ポンプのダイヤルをゆるめて、油圧をリリースする。

油圧ベンダーからステムを取り出し確認すると、ステムシャフトが2ミリほどアンダーブラケット下面から飛び出ていた。よし これで抜ける。

油圧ベンダーと油圧ポンプ

そこから先は安心して油圧をかけられた。コンコン小気味いい音をたてて抜けていくステムシャフト。

取り出し完了。なるほど、ステムシャフトの下端にリブがあって、上には抜けないようになっているのね。

ステムシャフトが抜けたアンダーブラケット

ステムシャフトを探す

ステムシャフトが抜けたアンダーブラケット。これWのステムシャフトを入れるわけだが、我がWのステムシャフトを使うと、倒立フォーク化が完成するまでかなりの期間乗れなくなってしまう。それは避けたいので、ヤフオクでWのステムを探してみる。7000円とかする。ステムシャフトだけしか要らないのに無駄に高い。

選択肢を広げてみる。Wは、ZRXやゼファーと同じステムシャフトを使っていると、続Z1000jのkz1136jさんがブログに書いていた。同じ出品者のゼファーのステムの画像とWのステムの画像を重ねてみると、確かにほとんど同じ。パーツリストのベアリングの型番も同じものだった。

ただ、ゼファー400のステムシャフトは溶接でとめられている。溶接部分を削り落とすというひと手間をなくしたいのと、ステムシャフトとアンダーブラケットの嵌合長を長くしたいから、圧入されているタイプにしたい。そうなるとゼファー750以上か、ZRX1100以上になる。

ヤフオクでステムの出品を探し続けているうちに、あることに気がついた。ZRX1100は、ステムシャフトとアンダーブラケットの嵌合部分が長いのだ。W650なんて、大丈夫かってぐらいしか嵌合部分が短い。

剛性うんぬんもあるが、嵌合長が長いと都合がいいことがある。Ninja1000のアンダーブラケットに差し込むためにカラーを介すのだが、ステムシャフトの抜け止めをカラーの下端より出さなければならない。アンダーブラケットの上面に出すべき部分は決まっているので、嵌合長が短いと、抜け止め部分をカラーの中に潜り込ますようにしなければならなくなる。Wのステムシャフトを使ったら、絶対そうせざるを得ないだろう。

「これはもうZRX1100一択だ」

そして格安ZRX1100ステムを手に入れた。

腱鞘炎でフロントブレーキを握れない2

腱鞘炎で右手が痛い

直動バルブ

腱鞘炎で痛む右手のために、リアブレーキの圧力で前後連動させようかという話の続き

ソレノイドバルブとマニホールドの組み合わせがダメだとわかったあとも、まだ通勤の電車の中で「油圧 切り替え」などと検索していたある時、使えそうなものを発見した。それはホースの入口と出口が短く直線的に構成されていて、その上に頭でっかちなソレノイドがついているやつ。直動バルブというらしい。価格も安く、5000円以下で手に入りそう。

重さも350グラムと軽い。これなら2個使っても、それほどの重量増でもないだろう。あとは、ブレーキの圧力に耐えられるかだ。製品としての耐圧力はMPa(メガパスカル)で表示されている。ブレーキの圧力がどれほどのものか、リアブレーキをディスク化して、改造車検をとった時の資料を見てみる。


1.車両装置の計測と計算

①ブレーキペダル・レバー比 n

L1:ブレーキペダル支点からブレーキペダル踏面の距離 = 135mm

L2:ブレーキペダル支点からマスターシリンダープッシュロッド取付部中心までの距離 = 30mm

n =L1 / L2=135 / 30=4.5

②マスターシリンダーの面積 A

ZRX1100(ZRT10C)14mm・リヤマスターシリンダー使用

D:ピストン直径=14mm

π:円周率=3.14

A = (D * D * π) / 4

=(14 * 14 * 3.14) / 4

=153.9mm2


この後、キャリパーピストン押力Feを求めていたのだが、その手前のマスターシリンダーの押力Fmを計算する。

キャリパーピストン押力Fm

F:ブレーキペダル操作力=350N(この数値は保安基準だかで決められている)

n:ブレーキペダルレバー比=4.5

A:マスターシリンダーピストン面積=153.9

Fm = F * n / A

= 350 * 4.5 / 153.9

= 10.23N/mm2

1N/mm2=1MPa だから

ブレーキホース内の圧力は、およそ10MPaとなる。安全率を1.6として、バルブには16MPaは耐えてもらわないといけないことがわかった。ミスミで直動バルブの耐圧を1個1個確認していく。

無い・・・

耐圧はたいてい1MPa程度。この直動バルブというやつは、高い圧力の制御をする前提のものではないようだ。残念ながら、あきらめるしかない。

ソレノイドバルブとマニホールドの組み合わせと直動バルブがだめになったので、一周まわってブレーキラインロックに戻ってきた。もうこれしかないか・・・

そんな時、通勤の定期が切れる日が近づいてきた。3月に入り少し暖かくなってきている。バイク通勤に戻そうか? ただ、この右手の痛みは気になる。試しに1日行ってみるか? 一人では緩めることができなかったフロントアクスルシャフトを手伝ってもらって緩めてもおきたいし。

久しぶりの早朝のエンジン始動。アイドルアジャストスクリューを少し締め込み、メインスイッチをオフのままスタータープランジャーを引いて一発キック。

吸い込んだガソリンが揮発するのを待ってメインスイッチを入れ、クラッチレバーを握って時計の8時ぐらいまで踏み下ろす。クラッチレバーをはなして10時ぐらいまでキックペダルを戻したら、そのまま踏み下ろす。ネットで見つけた、Wのキックの儀式。

かからない 気配すらない

5回ほどやっても変わらないので、もう一度スタータープランジャーを引いてキック。

ブシュポッ

スタータープランジャーを戻してキックすると、Wが息を吹き返した。

走り出して懸念していた右手の痛みは、ブレーキに関してはそれほど影響がないように思えた。それはリアブレーキだけで十分な制動力があったからだ。先日換えたブレーキパッドの当たりが出てきたのかもしれない。

これなら、前後ブレーキ連動に、それほど執着するする必要はないかも。そんなことを思いながら、久しぶりのWの加速を楽しんだのであった。

腱鞘炎でフロントブレーキ握れない

腱鞘炎で痛む右手

右手が痛い

ペンチで電線を切る みたいな動作

なにかを握るととても痛い

中指と薬指が痛い。指と言うより、その根元の手のひらに痛みがあるようだ。

こうしてスマホでこの記事を書いていても痛い。

こんな痛みでフロントブレーキをかけられるのだろうか? 今は寒くて電車通勤なのでわからない。

ブレーキレバーを握れなくなったら、バイクを降りる時

ずっと以前からそんなことを考えてはいたが、今回の痛みはかなり深刻だ。もうすぐ春。はたしてバイク通勤は復活できるのだろうか?

ふと思いついた。今回のフロント倒立フォーク計画に伴って、フロントブレーキはダブルディスクになる。その片方をリアブレーキと連動にしたらどうだろうか? そもそもリアブレーキをディスクブレーキにして、制動力が高まったおかげで、フロントブレーキの仕事量もだいぶ減っている。その上片側ディスクをリアブレーキ連動にしたら、右手はほとんど使わなくてよいのでは? 

(リアブレーキのディスク化が気になる方はこの記事をどうぞ)

ただ、リアブレーキにフロントブレーキを連動させると、いくつか気になることがある。

ジャックナイフができない

前々から、ウィリーができる動力性能と、ジャックナイフができる制動力をWに持たせたいと思っていた。今回のダブルディスク化で、その制動力は手に入れたと思っていたのに、リアブレーキ連動にすると、思いきってジャックナイフに持ち込めない気がする。持ち込む必要なんてないのだが・・・

低速時の姿勢を乱さない走行ができない

低速時の速度調整はリアブレーキで行うと、バイクのバランスが乱れない。それが前後ブレーキ連動となると、その効果を発揮することが出来なくなる。

ジャックナイフは置いておいたとして、リアブレーキが単独で動作するのは確保したい。そうなると考えられるのは、ブレーキペダルを2つにして、前ブレーキ用のペダルをつくること。リアブレーキの踏面より前に前ブレーキ用の踏面を設けるのだ。一緒に効かせたい時は足を前に出して一緒に踏んで、リアブレーキだけ効かせたい時は、足は通常位置でリアブレーキペダルだけを踏む。

いい考えな気もするが、キックペダルを踏み下ろす時にブレーキペダルを逃がす構造にしているので、それ以上のギミックは追加できそうもない。

(ギミックが気になる方はこの記事をどうぞ)

だとしたら、リアブレーキマスターシリンダーからフロントブレーキキャリパーのラインの途中にバルブを設けて、フロントブレーキを動作させないようにすればいいんじゃないだろうか?

でも、それだとジャックナイフはできないなぁ もったいないなぁ

じゃあ、リアブレーキマスターシリンダーからのラインからを閉じながら、フロントブレーキマスターシリンダーからのラインをつなぐというのはどうだ? そんなことが実現できる部品を探してみる。

ブレーキラインの途中で、その油圧を止める部品は大きくわけて2つ存在した。ひとつはレバーを手動で操作するもの。


もうひとつは電動で操作するものだ。


手動のものは、パーキングブレーキがついていないレース車両で、ブレーキを踏んだあとラインをロックし、ブレーキをかけ続けるようにするもの。電動のものは、ゼロヨンとかで前輪のみロックさせ、後輪をバーンアウトさせるのに使うものらしい。

どちらを選んでもふたつ必要になる。電動のものは操作用のスイッチを作れば、特に問題なく導入できそう。ただ、メインキーがオフの時にこのバルブが開放していると、フロントブレーキだけかけた時にフロントのマスターシリンダーの油圧がリア系統を押して、ブレーキフルードがリアのリザーブタンクに流れこまないか? これはバイクを押し歩く時によくあるシチュエーションだからだめだろ。常時閉、常時開を選択できればいいのだが。

手動のものはそのような問題はないが、レバーを90度ストロークさせなければならないので、その機構を作るのがそこそこ難しそうだ。

1個の部品で油圧のラインを切り替えるものあるんじゃないの? とミスミで検索してみたら、なんとあった。価格が1万5千円を超えてくるが、それまで考えてきたものに比べれば信頼性が高い。ただ、ライン切り替えの状態がこの商品ページのものからでは、知識不足でまったくわからない。さらに油圧のラインの接続方法も一切説明がない。ただの穴だけが4個、なんの加工もできないぐらい近接して配置されている。

このような製品を電磁弁とかソレノイドバルブと呼ぶらしい。ネットで検索して勉強してみる。結果、暗号のような図での、オイルの経路の変化を理解できるようになった。やりたいことは実現できそうだ。

もうひとつ、配管との接続にはマニホールドを介すということがわかった。これは、なじみのある用語だ。

しかしこれで、ソレノイドバルブを使えないということもわかった。マニホールドが重い! なんと3.5キロ。大きさも小さくて100×100×30ぐらいある。どこに納めるというのか? ソレノイドバルブ自体もきっと大きかったのだろうが、なんとなく親指と人差し指ではさめるぐらいかなと勝手に思っていた。

さあ どうすっか・・・