ファイバースコープで燃焼室内を見る -エンジンから異音-

ツーリングへ向かう高速でエンジンがおかしくなり、帰宅してプラグを外してみると、外側の電極が潰れていた話の続き。始めの話はこちら

プラグの状態

1番のプラグの外側電極が潰れて、中心電極に触れるか触れないかという状態だ。これではまともな燃焼などしないだろう。この状態を見て真っ先に考えられるのは、なにか異物が侵入して、ピストンヘッドとプラグの間にはさまったのではないかということだ。

吸気は新造したサイレンサー型エアクリーナーで、パワーフィルターがついており、そんな異物が入るとは思えない。エアクリーナーからキャブレターまでは、自作したウレタンゴムのダクトしかなく、吸気経路内に外れるような部品は無い。一体全体何が起きたのか?

ピストンヘッドにカーボンが堆積して外側電極を潰したとか。現状どれだけのクリアランスがあるのか調べてみよう。潰れた外側電極をマイナスドライバーで直してから粘土で包み込み、エンジンに取り付けたあとキックを何回か踏みおろした。プラグを外す。

ピストンヘッドに押され粘土は潰れていたが、少なくとも1ミリの厚みは残っている。ということはカーボン堆積説は無いということか。ふと、中心電極の碍子と、周りとのすき間にマイナスドライバーを差し込んで、こじってみた。いや なんでこじるのって思うかもしれないけど、なんかこじっちゃった。

中心電極がずれている

あれ? 動く

中心電極がこころなしか動いたような。反対のすき間にマイナスドライバーを突っ込んでこじってみる。確かに動く。何度もやってたら碍子も外れた。ここが壊れるってどういうことだ? 

とりあえずプラグは交換するしかない。型番を写真におさめる。と、ここである疑念が湧く。このプラグはW650の指定されたものなのだろうか? このブログの読者ならご存知だと思うが、我がWは元々400だった。エンジンを650に載せ替え、リアディスクブレーキ化に合わせてフレームを650にし、改造車検をとった。そんな理由から、いまだにW400の部品が多く残っている(特に電装系)。プラグも十分その可能性がある。

調べてみると思った通り、ついていたプラグはW400指定のCPR8EA-9だった。W650はCR8Eだ。この違いも、もしかしたら今回のトラブルに関係しているかもしれない。400と650では燃焼室やピストンヘッドの形状が違うとか。でもクリアランスは確認したしなぁ

ああ ピストンヘッドの打痕が見たい

「プラグ 電極 潰れ」で検索していると、ファイバースコープで燃焼室内を観察しているブログを見つけた。Amazonのファイバースコープ販売のリンクもあった。しかも安い。即買った。例によって翌朝届いていた。

ファイバースコープで観察

早速梱包を剥がして取り出した。専用アプリを使うらしい。説明書に描かれたQRコードを読み取り、リンクを開く。てっきりgoogle playが開くと思っていたが、そうではなかった。レイアウトの崩れた、中国語サイトだ。

日本語に翻訳してそれらしいアプリをダウンロードしようとすると、このサイトからこんなもん落としたら危険だよと警告が出る。一瞬ためらったが実行した。ままよ

アプリがインストールされたのでファイバースコープをUSB端子に刺そうとすると刺さらない。 わお typeBかよ せっかく早朝届けていただいたのに、変換アダプター買うのに10時まで待たなきゃならんのか・・・

ふと、思いついて先代のスマホを見に行くと、まんまとtypeBだった。 ヨシヨシ 先ほどとは違い、無警戒でインストール。庭に行きWのスパークプラグを外す。

ファイバースコープをプラグホールに差し込む。ファイバースコープを通して、プラグが取り付けられる雌ネジがスマホに映し出された。

その穴にファイバースコープを入れようとするのだが、なかなか入らない。Wはプラグホールの入口から、スパークプラグの座面まで10センチぐらいある。それほど硬くないファイバースコープのケーブルを持って、真のプラグホールに進入させるのは結構難しい。

1度ファイバースコープを取り出し、ファイバースコープの向きとスマホに映し出された画像のむ気を合わせる。そして、ゆっくりプラグホールに差し込んだ。近づく真のプラグホール。それが画像の中心に居続けるように操作し、少しずつ奥へ進める。さながら内視鏡を駆使する医師か? 今年は大腸内視鏡検査行かねば・・・

ファイバースコープの先端が真のプラグホールへの進入に成功した。写っているのはピストンヘッド。バルブリセスが見える。ただ、これがピストンヘッドのどこを見ているのかわからない。記憶にあるバルブリセスの配置とも少々違う。

試しにキックペダルを操作してピストンを上下させてみた。近づくピストン。離れるピストン。

なるほど、バルブリセスの配置がおかしく見えたのは、シリンダーの内壁を鏡のように反射して見ていたからだ。よっつ見えてる内のふたつがなんとなくピンボケだったのはそういうことだ。

プラグホールは前に傾いているから、ファイバースコープは燃焼室の後方寄りを見ているということも次第にわかってきた。もう少しピストンヘッドの中心を見たいのに、傾いてる以上に後方寄りの画像な気がする。ファイバースコープを差し込んだまま、キックペダルを動かした。

ガッ

そんな音は聞こえはしなかったが、そんな感じでキックペダルが動かなくなった。同時にファイバースコープも動かなくなった。

( ̄▽ ̄;)

ファイバースコープがピストンに潰されて、抜けなくなってしまった。まじで出てくる汗。

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