W400エンジンをばらす1

W400エンジンの解体開始

今回のリア足回りの大改造とあわせてやりたいことが、エンジンの腰上のオーバーホールだ。650のエンジンを載せるときに気づいたのだが、排気ポートにカーボンが厚く堆積していた。おそらくシリンダーヘッドもピストンも同様だろう。

実はノッキング音がかすかだが常に感じられて気になるのだ。心にささったとげのようにアクセルを開ける際にノッキング音を探してしまう。これはきっとカーボンのせいだと思っている。

その腰上オーバーホールのエクセサイズもかねて、庭に放置されているW400のエンジンをばらすことにする。

W400エンジンの解体開始

シリンダーヘッドカバーは、650に載せ替える際に状態のいい400のカバーと替えたので、この400には650のカバーがついている。ボルトは仮締めなので、あっさりはずれる。

問題はここからだ。カムシャフトを外すためにベベルタワーをいじるのだが、マニュアルをチラッと読んだぐらいでは、まったく理解できない。

最後までばらせば分かるのだが、ベベルタワーの上下のパイプは、単なる保護パイプであって、ベベルギアそのものをどうこうする機構は全くもっていないのだ。この保護パイプは上下ともOリングを用いてはまっていて、中央のスナップリングで固定されているだけなのである。

ベベルギアの当りの調整は、ベベルタワー上下にある六角ナットとロックナットで行う。カムシャフトをばらす際は、上部の六角ナットを1回転ゆるませて、カムシャフト側のベベルギアからベベルタワー側のベベルギアを離してから作業する。この作業で、ベベルタワーのパイプはまったく関係ないことを理解していないと、いっしょにまわって「えっ えっ」ってことになるので注意。

ベベルタワー

このあたりを理解しておいて進めれば、無駄な時間はかからない。

ベベルケースのロックナットを緩めるために、今回は新たにフックレンチを購入した。ナップスに行ってどれにするか迷ったのだが、買うときにはきづかなかった機能を作業時に発見。ハンドルの途中に9.5ミリの差し込み角の穴があいている。ここにスピナーハンドルを差し込んで全長を延長できるのだ。 これは便利! きちんと計算すればトルクレンチで締付けトルクも管理できる。

フックレンチにスピナーハンドルを延長

上部ベベルギアを下にずしたら、カムシャフトをばらす。バルブの頭部に収められているシムは、今後650のエンジンを分解組み立てする時に使えるだろうから、大切にとっておく。

カムシャフト

続いてシリンダーヘッドのボルトを緩める。

固い・・・

エンジン単体、ごろっとした状態でバラしているので、大トルクで締められているシリンダーヘッドボルトを緩めるのは大変だ。クランクケースを足で押さえて、エンジンが回らないように、さらに倒れないように・・・

っつ!

腹筋つった。このボルトはフレームに載った状態か、専用の台を作って固定させないと無理だな。

露わになったカムシャフト

と思いつつも作業を進める。

しかしなんと。1本のボルトが緩める途中で動かなくなってしまった。Wのシリンダーヘッドボルトは、ヘッドだけでなくシリンダーまで一緒に固定していて、8本のボルトで締結されている。その8本の内側の4本は、シリンダー下方で露出しているのだ。しかもそのネジ穴は、前輪が巻き上げた砂粒をもろに受ける場所だ。なんでこんな構造に?!

パーツクリーナーのノズルをそのネジ穴に突っ込んで噴射する。砂粒が吐き出される。初めから、しっかりきれいにしてからやれば良かった・・・ 後の祭りだ

ねじ穴から出てくる砂粒

まったく動かなくなったボルトの頭を、ベビーサンダーで切り落とす。カムシャフトの受けが入り組んでいて切りづらい。

うわっ!

その受けを切ってしまった・・・ まあ、このヘッドは使わないからいいけど・・・

650のエンジンをばらす時は、入念にネジ穴を清掃してからやった方がいいな。

頭を失った長いボルト1本が間抜けに残った状態で、シリンダーヘッドとシリンダーがはずれた。うなだれるように並んだふたつのピストンがオーナーの気持ちを表しているかのようだった。

うなだれるピストン

フレームを塗装

天井からぶら下げて塗装中

サビ止めが塗り終わっていたフレームの上塗りを刷毛塗りで始める。

ところがさび止めを適当に塗ったおかげで、刷毛目がバッチリ出てしまい、仕上がりが酷い事になってしまった。つや消しだから、そんなに目立たないんじゃないかと思ったが、実際はそんなことはなかった。仕方ないので、フレーム全部を1度ヤスリ掛けして平坦にすることに。

こんなことなら初めからきちんと塗っておけばよかったと思うが、後の祭。

刷毛目のでこぼこが削られて平坦になっていくにつれ、錆止めの白が木目のように浮かび上がってきた。これはこれでおもしろい。ただ目指しているものではない。

ZX-10のブレーキでいけることが決定したので、まだ残していたドラムブレーキ用のブレーキペダルのマウントを切断する。もう後には戻れない。

結局フレーム塗装はスプレーでやることにした。はじめにカー用品コーナーで売ってるスプレー。これを一缶吹きまくった。

続いて、ガソリンやオイルから塗膜を守るために、二液性のウレタンスプレーを吹いた。これは自家塗装のサーフボードにも使っているが、水性ペンキの上に二液性ウレタンスプレーのクリアを吹いているのだが、全くはげることがない。

天井からぶら下げてスプレーする。二液性ウレタンスプレーはその日にしか使えないので、これまた一缶、時間をかけて使い切る。

天井からぶら下げて塗装中

つや消しブラックのフレームは、いい感じに完成した。

ヘッドチューブ

ノーマルフレーム(右)との比較

ノーマルとの比較

タンデムステップを受けるパイプの長さの違いが一目瞭然。サス取付ピンの根元のビートは、金属パテでつくったフェイク(苦笑)

ノーマルとの比較 タンデムステップ

今回のフレーム改造でいちばん目指していたのが美しいシートレール。満足できるものができた。

目指していた美しいシートレール

ボンネビルT120のホイール  -WにZRXのスイングアーム-

ZRX100スイングアームにボンネビルT120ホイール

フレームの加工を始める直前、ヤフオクでトライアンフボンネビルT120の新車取り外しホイールを発見した。リム幅は4.25で希望通り。本当は18インチが欲しいのだが18インチにはあまり幅の広いものがないんで17インチでも仕方ないだろう。

既にエストレアのハブを入手しているが、これからスポークとリムを購入していくことを考えると、このホイールはかなりお買い得だ。

ただ問題がある。理想の丁数のスプロケットが売っているのかがわからない? リアタイヤのワイド化に伴って、フロントスプロケットもオフセットしたものを手に入れなければならない。あわせて捜索のネット検索を夜な夜な行う。

結局わかったのは、ボンネビルT120のスプロケットは、どこにも売っていないということ。その代わりというのも変だがザムがスプロケットの特注製作をやっているということだ。

ザム 神・・・

対してフロントスプロケットはW用でオフセットの付いているものは一つしかないことがわかった。残念ながら、望んでいるオフセット量の7ミリに対して5ミリなのと、チェーンサイズが520コンバートになってしまうなのが気にかからなくもない。

W用でなくても、スプラインが同じものがあるとの情報を「続…Z1000J」という、Wの改造に非常に参考になるブログに書いてあったが、現在は流通していないようで見つけることができなかった。ということは、現存するフロントスプロケットを使い、チェーンラインは5ミリオフセットで520にコンバートするの一択だ。(フロントもザムで特注という選択肢もあるが)


となるとリアスプロケットはザムに特注するのも決定。なので丁数は理想のものを得られるので、ボンネビルT120のホイールで問題ないということだ。ただ、トライアンフは左がブレーキディスク、右がチェーンと、日本車の逆。トライアンフのホイールの流用が許されたとしても、回転方向が逆って、車検で突っ込まれたりしないのだろうかちょっと不安。

でもそこは目をそむけて入札からの落札

到着したホイールを持つ。 重い・・・ 

幅が広いとは、こんなにも重くなるのか?

でもきれい いい買い物をしたね。

フレームにスイングアーム、ホイールを仮組みしてみる。

ZRX1100スイングアームにボンネビルT120のホイール

やべ かっこいい

ワイドなリム

ワイド感半端ねー

後日、ふと思い当たることがあって、ホイールに磁石をつけてみた。

ピタッ!

うわっ てっちんかよ・・・

まあ、アルミリムの車検問題から解放されるからいっか・・・

このホイールにつく純正のブレーキディスクの直径は255ミリらしい。手持ちのリアブレーキキャリパーは、ZRX1100用で、ディスク径は250ミリだ。5ミリって干渉するよね? 適合する250ミリのディスクを探す。

PCDと内径に合うもの。夜な夜な検索するが無い。あるかもしれないが見つけられない。となると、純正ディスクを手に入れて、外周を5ミリ、いや半径的に言えば2.5ミリ削るしかない。

ということでこれもヤフオクで落札。ホイールを買ったのと同じ出品者さんからだ。

届いたディスクをホイールにつけてみる。おそるおそるZRX1100のブレーキキャリパーをあてがってみる。

ムリ

早々にスポークにぶちあたっている。スポークホイールに対向ピストンキャリパーは無理か。ていうかスポークのハブ側が外すぎる! かっこいいけど

ここからキャリパー探しが始まる。条件は下記の通り

  1. 255ミリのディスク径
  2. キャリパーはスイングアームの下
  3. 片押しキャリパー
  4. リアアクスル径20ミリ

ディスク255ミリより大きいと、ゼファーの270ミリというのがある。半径的には5ミリぐらいの違いだから、なんとかなるんじゃね? とも思うが、キャリパーがスイングアームの上になるからダメ。この、スイングアームの下の片押しという条件をクリアするのはなかなか無い。どれもキャリパーはスイングアームの上なのだ。

スイングアームの下にあった方がやりそうでかっこいいじゃんと思う。この条件に限りなく近かったのがZX-10だった。もうこれしか見つけられなかった。ディスク径は250ミリだが、そこはなんとかするしかない。

ということでこれもヤフオクで落札。

届いたキャリパーをおそるおそるあてがってみる。

早々ではないけれど、スポークと干渉する。ただしちょっと削ればなんとかなりそう(笑)