実技試験3 -大型自動二輪一発試験合格への道-

※この記事は以前のブログ=ベベルギアがうなるぜーW400日記ーで、2020年6月10日に公開した記事です。

二俣川での大型自動二輪一発試験を受験中の話の続き。
過去記事
大型自動二輪一発試験 1の1
大型自動二輪一発試験 1の2
不合格後の対策 -大型自動二輪一発試験-
大型自動二輪一発試験 2

2回の不合格を受けて、合格に向けての課題はこれ。

スラロームを極める

2回目の試験でダメだった課題はスラロームと波状路だ。波状路はもっと遅く走るのはおそらく難しくないので放っておこう。よってスラロームをなんとかしなければならない。

ただWでそのまま練習するのも今ひとつ練習にならないので、タンクの上に重りをつけて、重量感をNCに近づけることにした。2リットルのペットボトル2本なので4キロ増加。たいしたことないけど、何もしないよりかはまし。

タンクにペットボトルの重りをつける

こうして3回目の試験にのぞんだのである。

受付を終えて試験待合室へ向かう。今日も1号コース。2号コースだったらちょっと不安だったが、1号コースだったので今日の合格を予感する。

待合室へ試験官がやってきた。前回までの試験官とは違う人だ。最短で試験の予約をすると、常に同じ試験官になる説を唱えかけていたのだが、どうやら違ったみたいだ。

集められて試験の説明。大型は4人でぼくがラスト。今日は初めて普通二輪の試験もある。あの逆走姉ちゃんはいない。なぜだか待合室に受験しない人が数名いる。見学か?

試験が始まる

今日はお腹が痛くならない気がしていたのに、なんだか痛くなってきた。情けない。

1人目2人目と試験の様子を見る。

ウィンカーを出す際の後方確認がない
波状路への進入速すぎー
ああ ホーンが鳴ってる だろー 変な位置だよなぁ
指定速度を出さなきゃいけない直線後のコーナーに勢いよく侵入 シフトダウンのしすぎかクラッチつなげなくなってそのままコーナーリング あれは試験官にわかっちゃうのか?

それにしても、みんなストップがかかってもいい程度の走りなのに完走している。なんだサービスか? と思ったら、あいかわらず無線の調子が悪いそうだ。直してないのか?

2人目からプロテクターを受け取りながら、お腹の痛みが増してくる。試験中に漏らしたりして  ああ なんでこんなにメンタル弱いんじゃ

3人目は残念ながら波状路でエンスト。そしてNCを転がしてしまった。助けに行こうとも思ったが、これは試験。手出しは無用と遠くから見守ることにする。

戻ってきた彼はなんともないようでよかった。さてぼくの番。まずは慣らし運転。バキバキにあさってを見ているミラーを直してエンジンをかけて発進。お前ら俺の運転を見とけぐらいの気分になっている。そう 本番には強い。

慣らし運転が終わりNCから降りると、インターホンで呼ばれる。名前を告げると生年月日を問われる。西暦で答えると昭和何年か訊かれたので昭和で答える。プロテクターはつけたか訊かれたので胸につけたプロテクターを叩いて合図する。黒い革ジャンの上で、遠目には見えないのだろう。

そう、実は監視塔から発着所あたりは、遠くてよく見えないのだ。監視カメラらしいものもない。つまりこの付近での行動は、それほど神経質にならなくてもいいのだろう。

いざコースへ

発進の儀式をひと通りやって、いざスタート。ここから元気よく走る。トロトロ走らない。外周路への一時停止で安全確認。右 左 右 はいスタート そして元気よく加速。ちらっとスピードメーターを見る。

初めのコーナーでポンピングブレーキ。シフトダウンして、ゆっくりコーナーリング。立ち上がって初めて障害物のパイロンを目視と同時に右後方を確認してウィンカー。ちょっと間を開けて再度右後方を確認して第二レーンに移動。すぐに左後方を確認してウィンカー。ちょっと間を開けて再度左後方を確認して第一レーンに戻る。

戻るとすぐに減速してコーナー。立ち上がったら加速。元気よく加速。

コーナーをまたまわって発着所前直線。ここは指定速度50キロを出すために、しっかり加速。直線はあっさり終わりブレーキ。コーナーをゆっくり回る。

立ち上がって右後方を確認してウィンカー、間を開けて再度右後方を確認して第二レーンに移動した上にセンターラインに寄せる。入るべきスラロームをしっかり確認しながら右へ回り込むように曲がる。

スラロームに侵入。ちなみにさっき出したウィンカーは1度もオフせずそのまま。今日はそうしてみる。

スラロームはあいかわらず思い切ることが出来なかった。前回よりも遅いかもしれない。やはりいきなりパイロン接触で終わるのは避けたい。

スラロームを抜けて右に曲がりながら左を確認しつつ左ウィンカー。外周路合流の一時停止で停止。今日は白線の際で止まれた。右 左 右を見て発進。ここは左小回りに気をつけつつ、回りきったらすぐ加速。

コーナーを曲がり終えたところで左後方を確認して左ウィンカー。3秒も待てずに左後方を確認して左側に寄せる。そして左後方を確認して左折。

右後方を確認しながら右ウィンカーを出すと同時にセンターラインに寄せる。ここは次の波状路への右折まで距離がないので、左折の立ち上がりから寄せまでが一連の動作。

右折して波状路。進入前に速度をしっかり落としてスタンディング。前輪が段差にぶつかるのに合わせて、アクセルをあおってクラッチをつなぐ。後輪は無視。というかひざクッションで乗り切ってるのだろう。前回0.2秒足りなかったと言われたので、最後の段差を前輪が超えたところでリアブレーキで速度を落として、時間をかせぐ。

波状路の路地から外周路に出るところは一時停止ではないので、ゆっくり走りながら、右 左 右と確認して左折。ここから左折は小回りを意識する。そして加速。

左後方を確認してウィンカー。間を開けて左後方を確認して左寄せ。交差点を曲がる際も左後方を確認。そして監視塔からよく見えるここは、きっちり小回り。前回の試験後に試験官に言われたように、ハンドルをきってふくらまないように曲がる。

すぐに続いて左折なので左後方を確認。曲がる際も左後方を確認。ここは曲がったところが一本橋なので、小回りしすぎる必要は無し。一本橋の停止線に対して直角にNCを停車させる。ローに入っているのは明確だが、念のため右後方を確認して足を着き変えて、シフトペダルを踏む。

足を着き変えて監視塔を振り向くと試験官が監視塔のドアを開けて、行っていいと言っていた。頷いて前に振り返り発進。

一本橋に乗る。あれれ バランス悪っ 前回の安定感が無い。ちょっと早すぎんじゃないのって感じつつ前輪が通過。ブレーキをかけて時間をかせぐ。

一本橋を終え信号を通過しつつ右折の準備。センターライン寄りを外周路に近づくと、その先にある発着所でぼくの試験を見つめている他の試験者の視線を感じる。自意識過剰。

右 左 右を確認して右折。すぐに左後方を確認して左ウィンカー。間を開けて左後方を確認して左へ寄せる。外周路は右に曲がっていくが曲がらずに左右を確認しながら外へ出る。

右に曲がり急制動の走路へ。加速はしっかり。NCのデジタルをチラ見で確認する。指定速度は40キロだが、45キロまで出しアクセルを閉じる。制動開始のパイロンが近づく。奥にある停止限界のちびパイロンが案外近く見えて、無理なことをやらされてる感をいつも思う。

制動開始。近くに感じていたが全く余裕で、ちびパイロンの直前に何本かあるスキッドマークを、にやりと見ながら右手を緩める。右後方を確認して足を着き変えて、左足でシフトペダルを数回踏む。

左足につき直し、左後方を確認して左ウィンカーを出す。右後方を確認して再度左後方を確認して発進。右に曲がりつつ外周路手前の一時停止。右 左 右と確認して発進。そのまま坂道のコースへ入っていくがここが結構狭い。アクセルを開けず、小さく小さく曲がる。

坂道途中のパイロン横で停止。今日は左後方、右後方を確認してすぐに発進。たぶんこれでいいんじゃないの。坂道を登りきったら徐行しながら左後方を確認、間を開けて左後方を確認して左ウィンカー。外周路に出る一時停止で停止。ここは監視塔も近いのでアピールポイント。右が見づらいので、体を大きくねじって確認する。

発進したらすぐに右後方を確認して右ウィンカー。間を開けて第二レーンに移動してセンターラインに寄せる。右後方を確認して踏切の道へ進入。そのあと右折するので、ここではセンターライン寄りを走る。

踏切で停止。右 左 右と確認して発進。渡り終えてすぐに一時停止で停止。右 左 右と確認して発進。ここでウィンカーを出てたっけ? と思い、ウィンカースイッチを右に倒す。うわっ やべえ と一瞬頭が白くなりかけるが、とにかく左後方を確認して左ウィンカーを出す。

落ち着けー と思っているとS字の入口を見失った。あれ どこだっけ? とゆっくり走っていると、それはすぐ左、通り過ぎる寸前! 慌てて左にハンドルをきって、NCをS字にねじこむ。今のは、間違いなく不自然な運転だったと、取り返すために体が勝手に反応して2速に入れてS字のワンターン目をバンクさせながら走る。

この反応に自ら笑いながら、自我を取り戻して減速。左ウィンカーを出す。

S字からの脱出は一時停止ではないが、生垣で全く右が見えないので一時停止。しっかり上半身を倒して、生垣の向こうから来る車両がないかを確認するアピールをする。今日の試験方法なら絶対に誰も来ない。

安全を確認できたので発進。左小回りを守る。真っ直ぐ向いたらすぐ加速。そして左後方を確認して左ウィンカー、間を開けて左に寄せる。ああ 忙しい 

「ここは通り過ぎないように気をつけなくちゃ」と声に出しながらクランクへの入口を確認する。前の受験者はここでの進入で一度NCを右に振っていた。そんなに曲がりづらいんだっけ? と軽く疑心暗鬼になりながらクランクに到着。見た感じそれほどきびしくないので、左寄せのまま左後方を確認して左折。

クランクは1速でちんたら走りながら、出たあとすぐの信号を確認。青なので一時停止せずに左右を確認して左小回りで脱出。加速。で、どこ曲がるんだっけ? 左後方を確認して左ウィンカー。 ああ監視塔の手前か 左後方を確認して左寄せ。 もうすぐ終わりだ 左後方を確認して左折。 こここそ最大の いや最小の左小回り!

栄光のゴールへ

立ち上がった次の交差点は生垣で見通しの悪い交差点。前回の受験時は足をついて確認したが、今日は超微速前進、前身乗り出し左右確認で通過する。左後方を確認して左ウィンカー。ほぼ間もなく左寄せ。外周路に出る一時停止で停止。

右 左 右を確認して小回りで左折。 おおっと 前回はなかった障害物パイロンを発見。右後方を確認して右ウィンカー。パイロン手前で右後方を確認して第二レーンに移動。すぐに左後方を確認して左ウィンカー。間を開けて第一レーンに戻る。

外周路最後のコーナーのために減速。思い出したようにポンピングブレーキ。徐行でコーナーを立ち上がったら加速しつつ右後方を確認して右ウィンカー。3秒たって右後方を確認して第二レーンに移動して、発着所へ戻るためにセンターラインに寄せる。

ここは外周路の反対車線のコーナーを立ち上がってくるものがいないか、左にも首を振って確認。右後方を確認して右にNCを倒して180度ターンで発着所へと進入していく。左ウィンカーを出して減速。

発着所で停止。ウィンカーを戻して右後方を確認して右足をつき、左足でシフトペダルをニュートラルに入れる。左足につき直しエンジン停止。左後方を確認してNCから降りてスタンドをかける。半秒NCを愛おしく見つめ、1歩離れてから監視塔に一礼。

終わった スラロームと一本橋が早かったかなぁ

結果発表

ソーシャルディスタンスが守られた技能受付前のベンチで合格発表を待つ。他の試験の発表が粛々と進む中、11時半を過ぎてようやく自動二輪の受験者が呼ばれる。 うわっ 試験官が申請用紙の束を持ってるよ(;’∀’)

今までと違い、大型から小型まで全員が窓口に集合。みんなが見つめる試験官がしゃべりだす

「今日の合格者はひとりです」

受験者の群れが音もなくゆらぐ。それを最後方から見ながら、「そしたら俺は合格だ」と確信する。

「46サーフさん 合格です」

最後方から最高峰になったぼくは窓口に進む。受験者たちは左右に割れて王者に畏怖のまなざしを向ける。

試験官から渡されたのは、技能試験合格後の申請手続きという案内。これでようやくスタンド払わずにバイクにまたがれるよ。

“実技試験3 -大型自動二輪一発試験合格への道-” への2件の返信

  1. はじめまして。
    あす二俣川で大型二輪の試験を受けます。そこでネットでいろいろ情報を調べているのですが、人によって見解が違う点があるので、主様の経験上のお話を伺えれば幸いと存じます。
    幅寄せや進路変更の際にウインカーを焚く前の後方確認はミラーでよいのでしょうか、それとも振り返って目視での確認でしょうか?
    以上、よろしくお願いいたします。

    1. おじさんライダーさん こんばんは!

      すでに受験したのは昨日のことですが、今更の返信失礼いたします。
      私の見解としては、ウインカー焚く前の後方確認はミラーでよいと思います。
      目だけ動かすのではなく、頭を動かすのが大事なのは、おそらくご存知の
      ことでしょう。

      すでに今日、大型ライダーになっていらっしゃることを祈念しております。

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