W650の倒立フォーク化の準備が着々と進む中、会社の二輪部のツーリングの日取りが決まった。来週の日曜日だ。今週末で仕上げればツーリングで倒立フォークデビューとなるが、しくじったらツーリングに行けなくなる。
かといって、メインスイッチをはずすために固定ボルトの頭をドリルで飛ばしたままだったり、その作業のためにヘッドライトもはずしたままだ。これを戻すマイナス作業も憂鬱なので、思い切って倒立フォークへコンバート作業開始を決断する。
フロント周り解体
センタースタンドをかけて作業を始める。まずはフロントアクスルシャフトを緩めておこう。事前に会社に乗って行って、同僚に手伝ってもらって一度緩めてあるので、固着の心配はない。さらに今回は新しい工具を仕入れてある。差し込み角1/2インチのスピナーハンドルだ。こいつはアストロプロダクツ製でお手頃価格。
フロントアクスルが緩んだところで、お次はブレーキ。どこから始めたらいちばんブレーキフルードが飛び散らないか悩みどころだが、マスター下のホースからはずすことにした。バンジョーボルトを外したらマスター側の穴には、ブレンボキャリパーからはずしためくらボルトを入れようと用意してある。
バンジョーボルトをはずした。すぐにめくらボルトをはめる。
あれ? ちょっとしかねじがかからない
めくらボルトとはずしたバンジョーボルトのねじ山を重ねてみる。ピッチが違う・・・ ブレンボって、ピッチは1ミリじゃないのか?
あとで調べてわかったことだが、スズキに純正でついているブレンボ=通称スズンボは、ピッチが1.25ミリらしい。
しかたなくねじ穴にウエスをねじ込む。絶対にブレーキレバーは握らないと肝に銘じる。
スズンボのバンジョーボルトのピッチが1.25ミリということは、用意しておいたバンジョーボルトが使えないということだ。NAPSへ買いに行くか? 土曜日に藤沢駅を超えて車で行くとなると、かなりの時間が持っていかれる。行けば時間がなくなるし、行かなければ完成は絶対にない。作業開始早々、今日の完成はなくなってしまった。
明日は天気があやしい・・・ 今週末の完成もなくなったのか?
気を取り直して作業に戻ろう。キャリパーのバンジョーボルトを緩める。先ほど使えなかっためくらボルトだが、今度は使える。きっちり締めてヤフオクへの出品に向けて、ダンボールに入れる。ブレーキホースもはずしてブレーキフルードを抜き、腐った自転車のハンドルにぶら下げておいた。
フロントを持ち上げる。いつものように単管パイプだ。イグニッションコイルをはずしてトップチューブ下にパイプをかまそうと思っていたが、左右のエキパイの下にかました方が安定しそうなのでそうしてみる。いい感じ。
そこからは、あれよあれよとばらしていき、すっかり肩から前腕がもがれたWくん。
倒立フォークへチェンジ
今回の改造でヘッドチューブのロワーベアリングは新品にしたが、アウターレースの交換はこれからだ。ただし、準備不足の感は否めず、専用のアウターレースリムーバーももちろん何の準備もできていなかったので、今回はそのままでいくことにする。いつか機会を見て、交換しよう。
ヘッドチューブ側のハンドルストッパーを加工する。加工すると言ってもヘッドチューブに溶接されている扇子状の板に穴を開けて、用意していたアルミのブロックをネジで止めるだけ。これについて知りたい方は、前々回の記事を参照してください。
アンダーステムを取り付けて、アッパーベアリング、ロックナットを締め込んだ後、ロックナットを緩めて、ステムの動きを調整する。この辺りは感覚。
トップブリッジを仮に取り付けて、とうとうフロントフォークを取り付けるわけだが、フロントフォークを差し込みながらウインカーブラケットのスペンサーを入れなければいけない。
このウインカーブラケットはハイサイダーのものだが、どこにも在庫がない。そんな話をツーリング部の仲間に訊いたら、ネット販売しているところの量販専用の連絡先にダメ元で連絡したところ、売ってくれたという話を聞いて、自分でも試してみて手に入れたもの。多分この時期、日本でこの製品を手に入れたのは俺だけ。知らないけど。
フォークがついたところでトップブリッジを本締めする。ハンドル、ホイール、ブレーキキャリパー、ヘッドライトにウインカーと、つけられるものはすべてつけた。
駆け足で書いたが既に夕方。今日の作業はここまで。バンジョーボルトがないので、ブレーキホースを取り付けることはできなかった。(上の写真はブレーキホースがつながっています)
ブレーキホースの取り付け
結局、次の日の日曜日は雨が降り作業はできず、通常の休みだけではツーリングに間に合わないので急遽有給を取って作業をすることにした。
今回ダブルキャリパーにすることによって、左のキャリパーにブレーキホースを繋げてあげなければならないのだが、マスターから直接つなぐ方式とした。
理由はフェンダーにブレーキホースがまとわりついてるのがウザかったから。まあ、そもそもまとわりつかすフェンダーがまだ間に合ってないのだが・・・ 今回のツーリングはフロントフェンダーレスとなる。
今回手に入れたスズンボは、右キャリパーから左キャリパーへ送る方式となっていたので、二段目のバンジョーの回り止めがあったが、そいつはバンドソーで切断した。
ブレーキホースは右キャリパー用は以前から使っているもの、左キャリパー用は右キャリパーよりも10センチ長いものを新たに購入した。
ブレーキホースを支えるものがなく、途中どこにも固定されていないのでタイヤに擦れないか不安だったが、全く問題なさそうだ。
スズンボのブリーダープラグの位置が悪く、エア抜きがめちゃくちゃやりづらい。
キャリパーが一個増えた分、確実にレバーがストロークするようになった。もう少しカチッとしたタッチが好みだが、果たして効きはどれぐらいのものであろうか。