電装ボックスを作る その1-ZRX400のタンクを取りつける-

電装ボックス内のバッテリーの位置

燃料タンクをZRX400(ZRXと書いただけで、それは400を意味するらしいが、あえてZRX400とする。ちなみに手に入れたタンクはZRXⅡのもの)のものに換装するに伴い、見た目が重いサイドカバーとエアクリーナーボックスをとっぱらってパワーフィルター化することにした。エアクリーナーボックスは電装ボックスの一部分なので、新たな電装ボックスを作らなければならない。 最初の話はこちら

電装ボックスの条件

電装ボックスの形や大きさに、もっとも影響してくるのがパワーフィルターだ。詳しくはパワーフィルター化の記事で書くつもりだが、単純にパワーフィルターをつけるのではなく、サイレンサー風エアインテークにするつもり。そうなると、電装ボックスのスペースはかなり限定されてくる。

Wのエアクリーナーボックスと電装ボックスは、側面から見ると、メインチューブと上下のシートレールで囲まれた逆三角形の中にある。エアクリーナーボックスは三角形の前半分、電装ボックスは後ろ半分といった感じだ。この逆三角形の上半分にサイレンサー風エアインテークを配置しようと考えている。ちなみになんでサイレンサー風エアインテークかというと、停車時のホコリ対策だったり、ブローバイガスの処理対策だったりするのだが、いちばんはかっこよさからだ。

さて、上半分を奪われた電装ボックスの行き場は、そのエアインテークの間の7センチぐらいだ。とてもじゃないがそこにバッテリーは収まらない。なにか方法が無いかと検索してみると、リチウムバッテリーというのがあるらしい。同性能なら、小さくなる上にずいぶんと軽くもなるとのこと。今回のカスタムを実現するためには、リチウム化は避けられないだろう。ああ金がかかる

リチウムバッテリーを紙で作りサイズを比較

電装ボックスをどんな風に作るかを考えるためには、どれほどの電装部品があるのかを把握しなければならない。とにかくばらしてみることにした。

電装部品の配置

電装部品は、バッテリー、イグナイター、スターターリレー、ウインカーリレー、ヒューズボックス、そして変なところに隠されている2個のリレーが主なところ。このうちスターターリレーとウインカーリレーは、1枚の鉄板に取り付けられていて、その鉄板とイグナイターが2本のボルトで共締めされている。この構成は生かして、部品のコンパクトな配置を実現したい。

そうなると、電装ボックスの形状を決めるのは、イグナイターとバッテリーの配置ということになる。部屋に鎮座しているW400のフレームのメインチューブと上下のシートレールが作り出す三角形の中で、イグナイターとバッテリーの大きさに作った紙の箱を、あーでもないこーでもないと、置き場所を検討する。

酒呑ながらやってたら寝てしまった( ̄▽ ̄;)

7センチの厚みの中にすべて収めるつもりだったが、なかなか厳しかったので、三角形の後方にバッテリーを進行方向に正対させておくことにした。バッテリーの幅分は電装ボックスの後方が広がってしまうが、サイレンサー風エアインテークはなんとか収まりそうだ。

電装ボックス内のバッテリーの位置

電装ボックスの製作

この配置の電装ボックスを工作用紙で作ってみた。

型紙完成 PET板にけがいていく

1個目は後ろ下がりになりそうだったので、じゃっかん修正を加えて2個目を作る。問題なさそうなので、そいつを型紙にして、3ミリ厚のPET板を切り出した。切断面にヤスリをかけてきれいにする。

PET板の切り出し

ここで、形状のまずい部分を発見した。電装ボックスはアルミのアングルで骨格を作り、それをPET板でくるむ構造にしようとしている。後方の広がりがない単なる直方体なら、切断しただけのアングルを組み合わせればできる。後方が広がると言うことは、角が直角ではなく鈍角にしなければならないが、アングルなのでそれはできない。なので電装ボックスの側面は、一度直角に曲がったあと、アングルの幅分を超えたところから後方へ向け広がりを始める。そして後方の角も同様に、アングルの幅分、車両の中心軸と平行な部分がある。かなり鈍角なクランク形状だ。

1個目の型紙では、そのクランクが作られていたのに、2個目はなぜだか、後方への広がりの斜めのラインが、そのまま角にすりついていた。これではアングルが入らない。またか・・・ まあよくやるタイプのミスだ。くじけず3個目の型紙を作る。

3個目の型紙を元にPET板を切断。切断面の研磨と、糸面取りを施して、初めに切り出した板の仕上がりを超える。やり直しはこれが大事。モチベもあがる。

続いてこいつをヒートガンで熱して曲げる。これはシートを製作した時以来、結構得意。大切なのは、曲げたい所だけに熱を与えることかな。

PET板をヒートガンで曲げる

曲げ加工完成。これを基にアングルで骨組みを作っていく。手順が逆か?

PET板の曲げ加工完成

タンクを交換したい -ZRX400のタンクを取りつける-

WにZRX400のタンクを合成

現在のタンク

我がWには、WMのトラッカータイプのタンクがついている。とても気に入っているのだが、ガソリンが7リットルしか入らない。燃費は24km/lぐらいなので、120キロ走ったら、給油するようにしている。会社まで往復80キロ。3日に2回はガソリンスタンドに行かなければならない。

これはまだいい。問題は仲間とのツーリング。巡航距離が違い過ぎて、ひとりだけガソリン入れまくってるし、田舎だとガソリンスタンドの数が少ない上に、日曜はやってなかったりして、さっき開いてたスタンドまで戻るなんてことも。

もう少しガソリンが入るタンクが欲しい・・・

現状のプロフィール WMのタンク

常々そう思っていた。得意の流用になるのだが、ゼファー400のものに目星をつけている。横から見た形が今のタンクに似ているというのが理由。

このタンク交換については、ずいぶん前から考えていたのだが、リヤブレーキディスク化や、倒立フォーク化に押されて、ほったらかしになっていた。

コラージュで別車タンクを検討

実際のところ、どんな感じになるのだろう?

倒立フォーク化が完成した時の写真に、ネットで拾ったゼファー400のタンクを合成してみた。サイズはそれぞれのホイールベースを考慮したので、大きく間違ってはいないはずだ。

Wにゼファー400のタンクを合成

想像通りの結果。悪く言えば、なんとも普通。

ついでに、ちょっと気になっていた、ZRX400(ZRXといえば400を意味するようだが、あえてZRX400とする)のタンクを合成してみた。

WにZRX400のタンクを合成

あら 悪くない

ゼファーの時と違って、カスタム感がムンムンしている。よし ヤフオクを検索だ!

どうせ色は塗り替えるから、ボロいのでいいやとも思ったが、さすがに穴があきそうなのや、中が錆びてるのはちょっとかんべん。ていうか、この先ずっと使っていくわけだから、少々高くてもいいものを手に入れるべき。ようやくそう言えるようになった。

ヤフオクを検索してみたが、たま数が少ないことにおどろく。今、状態として満足できるのはみっつしかない。そのうちひとつは塗装も極上の10万円オーバー。これはさすがに無いなと、まずは1番安いものからオークションに参加する。

締め切り時間間際の入札合戦の結果、3万円近くまでなったのでリタイヤ。これが3万円は高い。次のタンクに移動。ちょうど終了時間も近づいている。

これは現在55000円で、1度入札があったが取り消されていた。状態はかなりよさそう。錆がほとんど出ていないし、大きなへこみもない。

55000円か・・・

ZRXのタンクを探し始めてまだ2~3日しかたっておらず、はたしてこれが相場なのかもわからない。ただ、待っていても出てこない感じがする。なぜだかする。

という勘を信じて入札。そして落札した。

ZRXのタンクが届く

でかいな・・・ 幅でいったら、今のタンクの倍はあるんじゃないか? 部屋に置いてあるW400のフレームにのせてみた。なんの問題もなくのりそうだ。

ZRX400のタンクをW400のフレームにのせてみた

タンクとフレームの関係を見てみると、無駄にタンク内側に空間が確保されていて、なにかが干渉する心配は無い。その変わり、前側の固定のゴムを外側に延ばす必要がある。前後と高さの位置としては問題無さそうなので、ゴム固定用のニップルを延長してあげればよいだろう。

後ろ側も、それほど難しい感じはしない。固定に関しては、問題は無いと見た。

Wにのせてみる

後日、実際にWにのせてみた。わかったのは、合成写真は少々タンクが大きかったということ。それと、ニーグリップはできないかもしれないけれど、ももでタンクをグリップできそうだということ。ももでもできれば、今とは大違いだ。

ZRX400のタンクをWにのせてみた

もうひとつ、今のサイドカバーが全体的に重さを出していること。これを機会に、パワーフィルター化も実行したい。しかしそうなると、電装系の始末もしなければならない。シートを新造する必要もあるので、これはなかなかの大工事になりそうだ。春のツーリングには絶対間に合いそうもない。

完成までの構想

タンクの再塗装

ブラックかグレー、もしくはなんちゃってカーボンも考えたが、アルミ風塗装とすることにした。

鍵の1本化

今もタンクのキーは別の鍵だから、あらためて1本化する必要もないが、どうせなら1本の方が使い勝手がいいだろう。

シートの新造

タンク後端がWとZRXでは5センチぐらい違うので、今までのシートは使えない。シートカウルタイプのシートを1から作る訳だが、表面的にはカーボンのクリア仕上げにしたい。形は別として、目指すのはNorton Dominator SS。カーボンクロスの継ぎ目を出さずに、シートカウルみたいな形状を張り込めるのか、はなはだ疑問だが、そこはなんとかがんばろう。

それにしてもNorton Dominator SSのかっこよさは尋常じゃない。今回タンクをアルミ風塗装に決めたのも、こいつに影響されているのは否定できない。

パワーフィルター化

サイドフォルムを重くさせるのはサイドカバーだが、その奥にある純正エアクリーナーボックスこそがその元凶。エアクリーナーボックスを外さなくても、CRキャブレターが外せるように苦労して作りこんだが、パワーフィルターにはかなわないだろう。いつかはやりたいと思っていたパワーフィルター化に、ついに挑戦する。

ただし、バイクテントの中に保管しているにもかかわらず、結構堆積するホコリ対策で、カバーは作るつもり。サイレンサー風エアインテークが理想。

電装ボックス新造

パワーフィルター化、更にはサイレンサー風エアインテークを目指すおかげで、相当行き場のなくなる電装系のボックスを新造する。これがいちばん、やっかいかもしれない。