電装ボックスを作る その1-ZRX400のタンクを取りつける-

電装ボックス内のバッテリーの位置

燃料タンクをZRX400(ZRXと書いただけで、それは400を意味するらしいが、あえてZRX400とする。ちなみに手に入れたタンクはZRXⅡのもの)のものに換装するに伴い、見た目が重いサイドカバーとエアクリーナーボックスをとっぱらってパワーフィルター化することにした。エアクリーナーボックスは電装ボックスの一部分なので、新たな電装ボックスを作らなければならない。 最初の話はこちら

電装ボックスの条件

電装ボックスの形や大きさに、もっとも影響してくるのがパワーフィルターだ。詳しくはパワーフィルター化の記事で書くつもりだが、単純にパワーフィルターをつけるのではなく、サイレンサー風エアインテークにするつもり。そうなると、電装ボックスのスペースはかなり限定されてくる。

Wのエアクリーナーボックスと電装ボックスは、側面から見ると、メインチューブと上下のシートレールで囲まれた逆三角形の中にある。エアクリーナーボックスは三角形の前半分、電装ボックスは後ろ半分といった感じだ。この逆三角形の上半分にサイレンサー風エアインテークを配置しようと考えている。ちなみになんでサイレンサー風エアインテークかというと、停車時のホコリ対策だったり、ブローバイガスの処理対策だったりするのだが、いちばんはかっこよさからだ。

さて、上半分を奪われた電装ボックスの行き場は、そのエアインテークの間の7センチぐらいだ。とてもじゃないがそこにバッテリーは収まらない。なにか方法が無いかと検索してみると、リチウムバッテリーというのがあるらしい。同性能なら、小さくなる上にずいぶんと軽くもなるとのこと。今回のカスタムを実現するためには、リチウム化は避けられないだろう。ああ金がかかる

リチウムバッテリーを紙で作りサイズを比較

電装ボックスをどんな風に作るかを考えるためには、どれほどの電装部品があるのかを把握しなければならない。とにかくばらしてみることにした。

電装部品の配置

電装部品は、バッテリー、イグナイター、スターターリレー、ウインカーリレー、ヒューズボックス、そして変なところに隠されている2個のリレーが主なところ。このうちスターターリレーとウインカーリレーは、1枚の鉄板に取り付けられていて、その鉄板とイグナイターが2本のボルトで共締めされている。この構成は生かして、部品のコンパクトな配置を実現したい。

そうなると、電装ボックスの形状を決めるのは、イグナイターとバッテリーの配置ということになる。部屋に鎮座しているW400のフレームのメインチューブと上下のシートレールが作り出す三角形の中で、イグナイターとバッテリーの大きさに作った紙の箱を、あーでもないこーでもないと、置き場所を検討する。

酒呑ながらやってたら寝てしまった( ̄▽ ̄;)

7センチの厚みの中にすべて収めるつもりだったが、なかなか厳しかったので、三角形の後方にバッテリーを進行方向に正対させておくことにした。バッテリーの幅分は電装ボックスの後方が広がってしまうが、サイレンサー風エアインテークはなんとか収まりそうだ。

電装ボックス内のバッテリーの位置

電装ボックスの製作

この配置の電装ボックスを工作用紙で作ってみた。

型紙完成 PET板にけがいていく

1個目は後ろ下がりになりそうだったので、じゃっかん修正を加えて2個目を作る。問題なさそうなので、そいつを型紙にして、3ミリ厚のPET板を切り出した。切断面にヤスリをかけてきれいにする。

PET板の切り出し

ここで、形状のまずい部分を発見した。電装ボックスはアルミのアングルで骨格を作り、それをPET板でくるむ構造にしようとしている。後方の広がりがない単なる直方体なら、切断しただけのアングルを組み合わせればできる。後方が広がると言うことは、角が直角ではなく鈍角にしなければならないが、アングルなのでそれはできない。なので電装ボックスの側面は、一度直角に曲がったあと、アングルの幅分を超えたところから後方へ向け広がりを始める。そして後方の角も同様に、アングルの幅分、車両の中心軸と平行な部分がある。かなり鈍角なクランク形状だ。

1個目の型紙では、そのクランクが作られていたのに、2個目はなぜだか、後方への広がりの斜めのラインが、そのまま角にすりついていた。これではアングルが入らない。またか・・・ まあよくやるタイプのミスだ。くじけず3個目の型紙を作る。

3個目の型紙を元にPET板を切断。切断面の研磨と、糸面取りを施して、初めに切り出した板の仕上がりを超える。やり直しはこれが大事。モチベもあがる。

続いてこいつをヒートガンで熱して曲げる。これはシートを製作した時以来、結構得意。大切なのは、曲げたい所だけに熱を与えることかな。

PET板をヒートガンで曲げる

曲げ加工完成。これを基にアングルで骨組みを作っていく。手順が逆か?

PET板の曲げ加工完成

タンクを交換したい -ZRX400のタンクを取りつける-

WにZRX400のタンクを合成

現在のタンク

我がWには、WMのトラッカータイプのタンクがついている。とても気に入っているのだが、ガソリンが7リットルしか入らない。燃費は24km/lぐらいなので、120キロ走ったら、給油するようにしている。会社まで往復80キロ。3日に2回はガソリンスタンドに行かなければならない。

これはまだいい。問題は仲間とのツーリング。巡航距離が違い過ぎて、ひとりだけガソリン入れまくってるし、田舎だとガソリンスタンドの数が少ない上に、日曜はやってなかったりして、さっき開いてたスタンドまで戻るなんてことも。

もう少しガソリンが入るタンクが欲しい・・・

現状のプロフィール WMのタンク

常々そう思っていた。得意の流用になるのだが、ゼファー400のものに目星をつけている。横から見た形が今のタンクに似ているというのが理由。

このタンク交換については、ずいぶん前から考えていたのだが、リヤブレーキディスク化や、倒立フォーク化に押されて、ほったらかしになっていた。

コラージュで別車タンクを検討

実際のところ、どんな感じになるのだろう?

倒立フォーク化が完成した時の写真に、ネットで拾ったゼファー400のタンクを合成してみた。サイズはそれぞれのホイールベースを考慮したので、大きく間違ってはいないはずだ。

Wにゼファー400のタンクを合成

想像通りの結果。悪く言えば、なんとも普通。

ついでに、ちょっと気になっていた、ZRX400(ZRXといえば400を意味するようだが、あえてZRX400とする)のタンクを合成してみた。

WにZRX400のタンクを合成

あら 悪くない

ゼファーの時と違って、カスタム感がムンムンしている。よし ヤフオクを検索だ!

どうせ色は塗り替えるから、ボロいのでいいやとも思ったが、さすがに穴があきそうなのや、中が錆びてるのはちょっとかんべん。ていうか、この先ずっと使っていくわけだから、少々高くてもいいものを手に入れるべき。ようやくそう言えるようになった。

ヤフオクを検索してみたが、たま数が少ないことにおどろく。今、状態として満足できるのはみっつしかない。そのうちひとつは塗装も極上の10万円オーバー。これはさすがに無いなと、まずは1番安いものからオークションに参加する。

締め切り時間間際の入札合戦の結果、3万円近くまでなったのでリタイヤ。これが3万円は高い。次のタンクに移動。ちょうど終了時間も近づいている。

これは現在55000円で、1度入札があったが取り消されていた。状態はかなりよさそう。錆がほとんど出ていないし、大きなへこみもない。

55000円か・・・

ZRXのタンクを探し始めてまだ2~3日しかたっておらず、はたしてこれが相場なのかもわからない。ただ、待っていても出てこない感じがする。なぜだかする。

という勘を信じて入札。そして落札した。

ZRXのタンクが届く

でかいな・・・ 幅でいったら、今のタンクの倍はあるんじゃないか? 部屋に置いてあるW400のフレームにのせてみた。なんの問題もなくのりそうだ。

ZRX400のタンクをW400のフレームにのせてみた

タンクとフレームの関係を見てみると、無駄にタンク内側に空間が確保されていて、なにかが干渉する心配は無い。その変わり、前側の固定のゴムを外側に延ばす必要がある。前後と高さの位置としては問題無さそうなので、ゴム固定用のニップルを延長してあげればよいだろう。

後ろ側も、それほど難しい感じはしない。固定に関しては、問題は無いと見た。

Wにのせてみる

後日、実際にWにのせてみた。わかったのは、合成写真は少々タンクが大きかったということ。それと、ニーグリップはできないかもしれないけれど、ももでタンクをグリップできそうだということ。ももでもできれば、今とは大違いだ。

ZRX400のタンクをWにのせてみた

もうひとつ、今のサイドカバーが全体的に重さを出していること。これを機会に、パワーフィルター化も実行したい。しかしそうなると、電装系の始末もしなければならない。シートを新造する必要もあるので、これはなかなかの大工事になりそうだ。春のツーリングには絶対間に合いそうもない。

完成までの構想

タンクの再塗装

ブラックかグレー、もしくはなんちゃってカーボンも考えたが、アルミ風塗装とすることにした。

鍵の1本化

今もタンクのキーは別の鍵だから、あらためて1本化する必要もないが、どうせなら1本の方が使い勝手がいいだろう。

シートの新造

タンク後端がWとZRXでは5センチぐらい違うので、今までのシートは使えない。シートカウルタイプのシートを1から作る訳だが、表面的にはカーボンのクリア仕上げにしたい。形は別として、目指すのはNorton Dominator SS。カーボンクロスの継ぎ目を出さずに、シートカウルみたいな形状を張り込めるのか、はなはだ疑問だが、そこはなんとかがんばろう。

それにしてもNorton Dominator SSのかっこよさは尋常じゃない。今回タンクをアルミ風塗装に決めたのも、こいつに影響されているのは否定できない。

パワーフィルター化

サイドフォルムを重くさせるのはサイドカバーだが、その奥にある純正エアクリーナーボックスこそがその元凶。エアクリーナーボックスを外さなくても、CRキャブレターが外せるように苦労して作りこんだが、パワーフィルターにはかなわないだろう。いつかはやりたいと思っていたパワーフィルター化に、ついに挑戦する。

ただし、バイクテントの中に保管しているにもかかわらず、結構堆積するホコリ対策で、カバーは作るつもり。サイレンサー風エアインテークが理想。

電装ボックス新造

パワーフィルター化、更にはサイレンサー風エアインテークを目指すおかげで、相当行き場のなくなる電装系のボックスを新造する。これがいちばん、やっかいかもしれない。

カーボンフェンダーをつくろう その2

アップフェンなら成り立った

取付金具の検討

フェンダーの製作と並行して、取付金物の製作も進めていた。アウターチューブ側は、既成のものにするしかない。ZX6Rのアウターチューブに合うサイズの、チープじゃない金物にしたい。そこで見つけたのがゼファー400のスタビライザー。しかしこれは、タイヤとの離隔が無さすぎてダメ。いつかこれはヤフオクに出品することにしよう。

ゼファー400用のスタビライザーの部品を利用しようと思うも無理なことがわかった

なかなか見つからなかったが、なんとモンキー用の部品で、ちょうどいいサイズのクランプを発見。すぐに購入して届いたものも、悪くないでき。

これと型にしたフェンダーをWにセットして、このふたつを結ぶ金物の試作を、透明PET板で作った。以前、シートを作った時の余りだ。

透明プラスチック板で、金具の試作品をつくる

金具の製作

しっかりした感じを出したいので、4ミリ厚のアルミ板を購入。CADで書いてプリントしたものを型紙としてけがく。

CADで書いた金具を型紙として、アルミ板にけがく

バンドソーをジグソーを駆使して切り出す。

切り出されたアルミ板

作業台にクランプし、曲げる側を厚鉄板でサンドして、大きいモンキーではさんで曲げる。曲げ角度はスラントゲージで測定してそろえる。

曲げ角度をスラントゲージで測定しながら曲げる

曲げ完成。

曲げ終わったアルミ板

やすりやサンダーで仕上げた。見た目は結構いい感じ。

完成したフェンダー取付金具

完成した金具でフェンダーを取付

ところが、透明PET板で作った試作品は厚みが3ミリだったこと。型にしたフェンダーは雄型だったため、できたフェンダーは大きくなっていたこと。二つの理由でフェンダーが収まりきらない。

金具が厚すぎてフェンダーに密着しない
金具が厚すぎてフェンダーに密着しない

フェンダーを削って納めるも考えたが、金具の厚みを3ミリで作り直すことにした。

作り直した金具での取付

3ミリ厚のアルミ板でもなかなか厳しい上に、フェンダーの取り付け面とアルミの曲げを合わせるのにかなり苦労した。しかもフェンダーの裏側のナットの接触する面が、表側の面と平行でないため、金物へのボルトの密着が悪く、今3なでき。

完成したフロントフェンダー

しかも、型のフェンダーの切り出しを、左右アンバランスなまま進めてしまい、当然のことながら、出来上がったフェンダーも左右アンバランスなものになってしまった。前から見ると、、右上唇をあげているシニカルな表情。

取り付け金具の高さを調整して、シニカルさを減少させ、作業終了。いやー、色々と反省の多いフェンダー製作だった。

と、思いながらWをしまおうと前進させると、

フロントタイヤから「キュッ」という音が。この音は、ゴムとプラスチックが擦れる音では?

まさかタイヤとフェンダーが当たっている? いやいや、そんなはずはない。クリアランスはしっかりとってある。気のせいに違いない。

そう自分に言い聞かせながら、さらにWを押し進め、バイクテントの所定の位置でフロントブレーキをかけた。

「キュッ」

またあの音・・・

そこで突然腑に落ちた。倒立フォークのフロントフェンダーは、アウターチューブに取り付けてはダメだということを。倒立フォークのバイクたちが、わざわざアクスルシャフト支持部からステーを上方に伸ばしてフェンダーを支えているのには、理由があるということを。

ごった・・・

※ごったというのは、大切なポイントを見逃して失敗した時に使うセリフ。しんごったの略。

スタビライザーを手に入れたり、厚み違いの金物を作り直したりしたことが走馬灯のように脳内を流れる。しばししばし硬直。

まあ仕方ないので、フォークが縮んでもタイヤが届かないところにつければいいやと、アップフェン仕様にする。なんかかわいい。

アップフェンダーとなったが、ちょっとかわいい

いろいろ勉強もしたし、次はもっとうまくできるはず。

カーボンフェンダーをつくろう 

完成したカーボンフェンダー(クリア塗装前)

フェンダーは必要か?

倒立フォーク化は、ほぼ完成した。なぜ、「ほぼ」かというと、フロントフェンダーがついていないからだ。フォークはZX6Rのものだから、それ用を手に入れれば、あっけなく完成するかもしれない。しかし、我がWに装着したZX6Rの年式のフロントフェンダーは、インナーチューブを保護する部分のボリュームがかなりでかいのだ。これは我がWの全体的なイメージにはそぐわない。

雨の日は基本的には走らない。だからフロントフェンダーなんて無くてもいいと思っていたのだが、晴れていても案外路面に水はある。それは車が出すエアコンの結露水。信号待ちで小さな水たまりができる。それを気づかず乗り入れると、Wのフロントタイヤにまとわりつく水。

その水は遠心力に負けてフロントタイヤから引き剥がされ、大部分はWのエンジンを微少ながら冷やす。そいつらより少しだけがんばったやつが、ヘッドライトの前方の空中に放り出される。

そいつは、やがて勢いを失い、後方へと軌道を変える。そして必ずと言っていい確率で俺の顔面にヒットするのだ。

これがウザイ

「早くフェンダーをつけないと」 と思う瞬間だ。

どんなフェンダーにする?

どんなフェンダーにしたいかと言うと、やはりショート。他車流用で、いいのがないかヤフオクで検索の日々が続く。

前々から気になっていた、カーボンもいいなと思っている時にみつけたのが、ネクスレイのフェンダー。GB350やZ650RS用があり、なかなかかっこいい。ただし値段もそこそこする。どうせ取付金具は使えないし、カーボンで自分で作るのもいいなって気になってくる。

でもなぁ フェンダーみたいな形は、ごまかし効かないよなぁ

「カーボン 自作」で検索してみる。なんちゃってカーボンで、元の製品にカーボンクロスを1枚貼り付ける方法があるのを知る。FRP資材販売サイトで紹介していたのは、車のボンネットをなんちゃってカーボンにする過程。なるほど それもありだな とも思う。

フェンダーの自作

ということで汎用のフェンダーを入手。これを自分の好みの形に切ってあぶって曲げて加工する。

既製のフェンダーを切ってあぶって曲げて、型にする

取付金具とつながる部分は、パテを盛って、上部が平らな山を作る。くるむのはやめて雄型にすることにしたので、この山のエッジが出せるのか、ちょっと疑念あり。

完成した雄型フェンダー
取付金具を受ける部分を平面にする

カーボンクロスなどの材料は、なんちゃってカーボンボンネットを紹介していた販売サイトで購入した。見た目がカーボンカーボンする、綾折りというやつにした。離型剤は、スーパーで買った洗濯糊。専用の物は高価だが、成分は同じらしい。

離型剤は安い洗濯のりで代用

カーボンクロスを切り出す。高いのでギリギリサイズ。端からほつれていくので、マスキングテープを貼って切ってみた。

カーボンクロスを必要な大きさに切る

1枚積層するのにどれだけの樹脂が必要なのか検索する。300g/㎡ぐらいみたいなので、それを基に樹脂を混合する。刺激的に臭い。これは怒られるやつだ。つうか体にかなり悪そう。本気のマスクが必要。

始めの積層の準備は万端

雄型に樹脂を塗りたくったあと、カーボンクロスをのせる。はっきり言えることは、ギリギリサイズはアウト。ケチらずに少し余裕を持った方が失敗しない。

仮に紙でこのフェンダーをくるんだら、絶対しわができるだろうが、カーボンクロスは3次元曲面に、きれいに張りついた。そのためには、端のマスキングテープは剥がさなければならない。マスキングテープをはがすと、カーボンクロスの繊維を引っ張るので、うかつにやると繊維が抜けたり、乱れたりする。これが、ギリギリサイズだと良くない理由。

直射日光で硬化を促す いいのか悪いのか・・・

縁に厚みをつくる

2層重ねたところで型からはずしたカーボンフェンダー

2層重ねたところで、型からはずした。3層目の縁をくるむことで、縁の厚みを出すためだ。型からはずしたら整形し、縁の裏側に厚みを出すための芯となるよう、樹脂をひたした紐をはりつける。

縁の厚みを作るために紐で縁取る

硬化したところで、3層目の準備をする。カーボンクロスは大きめに切る。くるむのだから当然と言えば当然だが。

3層目のカーボンクロスを準備

くるむところまで一気にやると、失敗する予感しか無いので、縁の手前まで樹脂を含浸させることにした。くるむのは翌日にする。

2段階にした、くるみ作業だが、クロスの復元力に負けて、簡単な作業ではなかった。どうしても、くるんだクロスが、はね起きてしまうのだ。ヒートガンで硬化を促進させてはみたが、あまり効果はなかった。くるんだクロスの先端をマスキングテープでとめる。最終的には瞬間接着剤で固定してから樹脂を含浸させた。この方法が正解かもしれない。

縁をくるんだカーボンクロスは、裏側でマスキングテープによっておさえる

表面の平滑化

3層の積層が終わった。表面の仕上げをするために、樹脂だけを2回塗った。最後の1回はインパラの樹脂とした。インパラを使う理由はわかるが、ノンパラを使う理由はわからない。接着強度だろうか? ここから仕上げのために、耐水ペーパーで削っては樹脂を塗るを繰り返す。もう何度やったかわからない。なかなか平(曲面だが)にならず苦労した。

仕上げのために樹脂を何度も塗り重ねる

できあがってみると、なかなかいいんじゃないの? というでき。ツヤが出ると初めてわかるでこぼこも、なんとか抑え込めた。ただ、この先とんでもないことが待っていることに、今は気づきもしないのである。

完成したカーボンフェンダー(クリア塗装前)

ただの継続車検だったのに その2

無事車検シールもゲット

例によってバタバタしている車検の話の続き。その1はこちら

Wに乗り、検査ラインへ向かう。1番左の二輪用のラインの中にには、1台のバイクが見える。ただ、ラインの入り口に検査員さんは見えない。

Wを停めて、ほどなく検査員さんが奥から現れた。よろしくお願いしますと言って、書類をはさんだクリップボードを渡す。まずはヘッドライトやウィンカーなどの灯火類の検査。

「ハイビームー 右ウィンカー 左ウィンカー ホーン」

と検査員さんの指示するものを作動させていく。ホーンの音量がかなり頼りなげだったが、検査員さんはWの後ろへと移動した。

左右ウィンカーと、ブレーキランプの動作を確認すると、ウィンカーにペンライトをかざしてガン見し始めた。このウィンカーは、前回の改造車検の時にも確認いただいているので、特に問題はないだろう。

ところが・・・

「このウィンカーいつからつけてます?」

「2年前の車検からついてますよ」

「これ見たことないんですよねぇ」

検査員さんは、辞書みたいなものとWのウインカーを交互に見ている。

「Eマークついてますよね?」

「Eマークだけじゃなくてもっと書かれているべきことがあるんですよ」

「メーカーは車検対応って言ってましたよ」

「それが書かれた説明書とかありますか?」

「あるかもしれないけど、今は無いですね」

「そうですか 詳しい人だったら不適合っていうかもしれないですね・・・」

ということは今日はオッケー?(((o(*゚▽゚*)o)))

続いてマフラーの音量測定をすると言い出した検査員さん。Wの右後ろにマイクのようなものをセットし始める。たぶんこのパチヨシムラのチープさを、いぶかしんだに違いない。これは今までやったことがない。

ヤフオクでゲットした、やっすいサイレンサー

3500回転に合わせてくれと言われてやってみるが、アクセルが重い。スロットルバルブが張りついたように、3000回転ぐらいから、思うように回転が上がっていかない。ちょっと力を入れてみたら、バオーンと、4000回転を超えてしまった。

「はいオッケーでーす」

あっ オッケーなのね 安心はしたものの、微細なコントロールができない自分が不安になってくる。

94db/3750rpm の測定値と自動車税未確認のはんこ

ようやく事前審査的なエリアを終え、ラインに入れる。ひとりでやろうと思っていたが、勝手に別の検査員さんがついてきた。まあ、ついてもらった方がまちがいない。

ブレーキはなにやら、やり直しがあったが、スピードメーターは問題なく、最後のヘッドライトの検査になった。

「左右から前輪をはさまれます その際、バイクが傾いているようなら、揺らして直してください」

なるほど 確かに以前の検査で、はさまれた時にずいぶん左に傾いていて、大丈夫なのか不安になった時があった。大丈夫だったけど。

前輪がはさまれて固定され、検査が始まった。テスターが前に出てきたて、なにかを探すようにぐるぐる動いている。

「 × 」

だめだった。やっぱりね ハンドルをぐぐっと左右に動かして2回目にチャレンジするも結果は同じ。まあ、想定通り。

検査長小屋に話を聞きに行くと、左はほんの少しずれてるだけだけど、下に55センチずれてるとのこと。今までは口頭だけだったけど、今日は不適合なことを、書面で渡された。

ヘッドライトテスタの不適合っぷり

下を向いてるだろうとは思っていたけど、まさか55センチもか・・・ まあ確かに、フロントホイールが19インチから17インチに変わり、アクスル軸は差の半分の1インチ=2.5センチ下がったわけだ。ホイールベースは1500ぐらいだから、10m先だと10000÷1500≒6.7 2.5×6.7=16.75センチ下を向く、となるはずだが、55センチか・・・

予備検査場に持ち込んで、さっさと終わらせようと一旦準備を始めるも、再チャレンジは2回できるんだから、自分で直して1回目の再検査を受けてみるのもいいか? 受かればラッキーだ。

ということで、いつもの?ように、車検場の端っこに行き、建物の壁にWを正対させる。まだ明るいが、光軸調整の頼りになる、照らし出された灯りの明暗は、なんとかその光の輪郭を認識することができた。

その輪郭の上部にマスキングテープを貼る。準備は万端さ!♪ 歩測で5mの位置にWを置いたので、狙いは27センチ上。当然持ってきてある14のコンビネーションレンチ2本で、ベイツタイプのヘッドライトの上下ボルトを緩めて、灯りの輪郭をマスキングテープから25センチぐらい上に動かす。27センチじゃないのは、調整誤差。スケールは持ってきてない。

左右は適当にちょっとだけ右に動かして調整終了。検査ラインに再度再度突入する。

迎え撃つ検査員さんに、光軸だけの再検査を告げると、前の人が終わったら、再検査の光軸ボタンを押しなさいと言われる(たぶん ちょっと忘れた)。押さないと、全部の検査が始まってしまうらしい。

その操作ボタンがある横で、前の人が終わるのを待つ。待ってる間に、再検査ボタンを押すべきなのか、それともすっかり終わってから押すべきなのか悩みながら待つ。

前の人はずいぶん慣れているように見受けられた。スムーズに検査をこなしていく。ところが、光軸検査で失格していた。光軸侮りがたし!

前の人の光軸検査が終わったところで、再検査ボタンを押してみたが、操作盤になんの変化も現れなかった。そして前の人がテスターから、すっかり離れたところで再度押してみると、再検査を受け付けた表示に変わった。

ブレーキとスピードメーターのテスターを飛ばして、一気に光軸検査まで進める。例によって左右から出てきた板にフロントタイヤをはさまれて固定される。そして、テスターがWの前に出てきて検査が始まる。ほどなく表示板に光軸検査合格の表示。さすが俺σ(・ω・。)

ただの継続車検だったのに その1

湘南自動車検査登録事務所のライン入り口をのぞむ

早いもので、改造車検を受けてから、もう2年がたった。

1回目のユーザー車検以来の、なんでもない継続車検な気がする。ここに油断が潜んでいたのだろう。

仕事が多忙で、この日にしか行けないなっていう日にユーザー車検を予約。前日に会社で、サイレンサーのバッフル固定ビスへエントリーする穴を塞ぐ。これが無駄に大変な作業だった。もうひとつ、フロントフォークの倒立化で前輪が17インチになったせいで、サイドスタンドの長さが合わなくなり、ぼうっとしてると右側に倒れそうだった件も解決しておく。1センチほど短くした。もう少しリアサスを長くして、後輪上部の空間を広げたいと思っているのだが、まあ、その時はその時に考えよう。

当日午前中に、気になっていた部分を整備するつもりだったのに、仕事のトラブル解決に時間がかかり、たいしたことはできそうもなかった。整備点検記録簿を見ながら、必要最低限の作業をすすめる。

問題1 空気圧

まずはタイヤの空気圧。ここのところの寒さで、はっきり空気圧不足を感じていた。フロントタイヤのバルブキャップをはずし、スポークの間にエアゲージを潜りこませる。

いや これは無理

ダブルディスクにはばまれて、エアゲージがバルブに正しく当てられない。仕方ないので、後輪で空気入れのゲージとエアゲージの誤差を見極め、前輪に反映させた。

問題2 ブレーキパッド

ブレーキパッドの厚みを測定しようとリアキャリパーを観察すると、すでに0ミリに近い状態だった。というのも、ボンネビルT120用の後輪は、片押しキャリパー設定なので、対向ピストンのZRX1100と比べると(スイングアームはZRX1100用)、ブレーキディスクが内側についている。そのためZRX1100の純正トルクロッドを使うことはできず、ピロボールとアルミの棒で作ってある。

キャリパーサポートを挟むように固定する純正トルクロッドとは違い、ピロボール式はキャリパーサポートの外側にトルクロッドが固定される。すると作用点からトルクロッドが離れるので、ブレーキをかけると、キャリパーサポートはねじられ、ブレーキパッドは後方内側が極端に片減りするのだ。 

前回の交換は、ちょうど1年前。今年はフロントフォークの倒立化で、あまりWに乗ることができず、たった3000キロしか走っていない。これはどうしたらいい? 今からナップス行ったら間に合わないぞ・・・ 車検の後に点検整備をするのも認められている。ここはワンチャンこのまま検査に行ってみよう!

問題3 ヘッドライト

ヘッドライトを車検対応のものに交換する。今までのすべての車検を、このライトで合格してきた。予備検査場で調整してもらった時のまま上下の角度は動かしてないので、いつも上下は問題なかったのだが、今回は前輪が19インチから17インチに変わっている。ちなみにフロントフォークの長さは、ほとんど変わっていない。

この半径1インチ=2.5センチの変化をどうするか? ちょっと調整してから行こうとも思ったが、ここは久し振りに予備検査場のお世話になって、さっさと終わらせた方がいいかもとも思う。よし そうしよう

そろそろ出ようと思っていたところに、また仕事の電話が入り、その対応をしているうちに、車検場に到着する予定の時間に出発となってしまった。ちょっとブルーになってきた。毎回毎回、車検の時はバタバタする。

もう予備検査場に寄っていく時間もない。いや、なくはないが、行っちゃおう。

車検場に到着

湘南自動車検査登録事務所の案内看板

車検を受ける、湘南自動車検査登録事務所に到着した。さすがにこの場所にも慣れてきた。D棟に入り用紙をもらう。続いて印紙の購入だ。となりの窓口・・・ あれ? となりのとなりだっけ? 

「すいません 二輪の継続の印紙ください」

「印紙はおとなりです」

慣れてなんかないな(-_-;)

印紙の購入、自賠責保険の加入と、必要なものを手に入れて書類に記入もし、窓口に提出する。すると、納税証明書が必要と言われた。あれ? いるんでしたっけ? というと、四輪はいらなくなったけど、二輪は市税なのでいるんです とのこと。いや、まいった。今回の車検は、初車検以来のなんでもない継続車検だったので、なにが必要かたいして調べもせずに来てしまった。うかつだった。

4時までに持ってくれば大丈夫らしいが、すでに3時半の片道30分。絶対に無理。ただ、検査は受けられるらしく、その結果も2週間有効なので、そのあいだに持ってくればいいらしい。また来なければならないが仕方ない。検査を受けよう。

つづく

さようなら 油圧スイッチ

防水マイクロスイッチをブラケットでセットする

自分の心とWに傷を負った伊豆ツーリングから帰ってきて数日後。リアブレーキの復活について考察する。伊豆ツーリングの話はこちら。

ねじれてブレーキフルードが盛れ出した油圧スイッチだったが、それ以前から漏れていたので、メーカーの変更も考慮に入れ、油圧スイッチについて検索してみた。すると、スイッチからのブレーキフルードの漏れは、経年劣化による、あるあるのようだ。こんなもの交換するのも面倒くさいし、これを機会にメカニカル(油圧じゃないという意味)スイッチに変えたい。

油圧スイッチ部分からブレーキフルードが漏れる

ということでマイクロスイッチを探す。大きさと防水、b接点でいけるという条件で見つけたのがこれ。

オムロンD2FW-G271M

IP67で安心。

なぜb接点使いにするのかというと。普通に考えれば、なにかの動作に伴ってライトを点灯させるならa接点を使う。しかし今回のように、ブレーキペダルの小さい動作で接点が閉じ、そこからもブレーキペダルの変位が続くような時にa接点を使うと、その変位量にスイッチが追随しなければならない。b接点、ブレーキペダルが標準位置の時に開路してあげて、ブレーキペダルが動き出したら、どこまで動こうとペダルとスイッチはまったく連動しなくていい。b接点ながら、通常時開=ノーマルオープンという謎な状態だ。

スイッチをどこに置けば、目立たず、なおかつ加工も簡単にできるか、取り外した右ステップを眺めて検討する。ステップホルダーにアングルを固定しブラケットとすることにした。スイッチレバーを押すのは、ブレーキペダルの高さ調整用のエキセントリックカムの固定ボルトを長くして、そこにアングルでもつけよう。

スイッチを注文する。配達予定は金曜日。会社じゃないとブラケットを作るのが簡易な作業ではなくなるので、どうしても会社でやりたい。しかし実物がない。  CADデータをダウンロードできたので、それをプリントして取付位置を検討しブラケットを作った。

CADデータを印刷して、スイッチのレイアウトを考える

実物が来たのでつけてみる。

紙で考えていた通りにはいかず、つかの間戸惑ったが、スイッチレバーを押すためのアングルを無くしたらちょうどよくなった。

防水マイクロスイッチをブラケットでセットする

テスターを使って、どの線がb接点か探り線をつないだ。

テスターでb接点を探す

今回の作業のついでに、バンジョーボルトをブリーダープラグ付きにした。エア抜きが瞬殺。

リアマスターのバンジョーボルトをブリーダープラグ付きにしたからエア抜きが簡単

動作はばっちり。油圧スイッチでなくすと、タッチが良くなるなんて情報もあったが、ちょっとそこまではわからないかな。ただ、これでもうブレーキフルード漏れから解放されて、もやもやもすっきりした。

ブレーキオイル漏れと転倒の伊豆ツーリング

もうだめぽ

今日は会社の二輪部のツーリング。場所は伊豆半島の北半分を1周といったところか。

待ち合わせはターンパイクの入口にあるパーキングエリア。

ターンパイクから箱根の山を登り大観山展望台へ。倒立フォークのWだぜぃ と意気揚々ではあるが、まあすごいバイクばかりで、まだまだだなとじゃっかんへこむ。もっとスペシャル感を出していくには何が必要か少しわかった気がするけど、それはまだ秘密。

大観山の駐車場は二輪と四輪の集会場

箱根峠を超えるころから、リアブレーキに違和感を覚えだした。エアを噛んだように、複数回踏まないと効かない。

峠を降りきったあたりのガソリンスタンドで給油した時にリアブレーキを確認してみると、油圧スイッチの付け根からブレーキフルードが漏れていた。実は以前からこの油圧スイッチの先端の方から、ブレーキフルードが染みるように漏れていて、昨日ナットを増し締めしていたのだ。

油圧スイッチ部分からブレーキフルードが漏れる

この油圧スイッチ、バンジョーボルトに押さえられている部分は3ミリ程度の厚さしかなく、そんなもののナットを締めれば、そんな部分は捻れてしまうのは通り。気をつけて締めたつもりだったが、だめだったのね。

ここからはリアブレーキは無しのツーリング。先が思いやられる。

次のストップポイントでそれは起こった。

道の駅 伊豆のへそ

駐車場に入り二輪置き場を探す。ゆったりと全域を回ったが無かった。じゃああの辺、となんとなく端っこのめぼしをつけていた場所へ向かう。

駐車位置を確認

ギアは2速。思っていた場所に着いて駐車スペースへ向けてギアを下げてWを右にバンクさせると同時にアクセルを開けた。

突然のエンスト

「カッ!」

そんな音を最後にWのエンジンが停止した。慣性で右前に放り投げられる。

右前方に投げ出される

うわっ コケちまった( ̄▽ ̄;)

転倒完了

バイク乗りに復活して7年ぐらい? 一度もこかしてないWを、しかもみんなが見てる前でコケるって。_| ̄|○

もうだめぽ

すぐ引き起こしてうなだれる。この様は、後ろの後ろを走っていたやつのドラレコと、さらにその後ろを走っていたやつのGoproにしっかり記録されていた。ひとしきりうなだれた後にギアをニュートラルに戻す時に、やけにカチャカチャなったから、たぶんローに入れたつもりで3速にいれてたみたい。逆チェンの罠(>_<)

そのあとのツーリングは、コケたトラウマとリアブレーキが無いとあって、低速時がやたら乗りづらいものとなってしまった。フロントタイヤが新品だということもあって、伊豆のワインディングも無理できなかったが、倒立フォークの感触はいい感じだった。

西伊豆スカイライン

倒立フォーク化完成 -W650を倒立フォーク化-

倒立フォーク化完成

完成した倒立フォーク化。使用パーツをひとつひとつ説明する。

まずはステアリングステムから。トップブリッジは2010年のカワサキZ1000。バーハンドルなのでハンドルポスト取付用の穴があいていて手間いらず。

トップブリッジはZ1000用

ピンぼけだったので写真は無いがアンダーブラケットはNinja1000用として手に入れたが、Z1000も同じパーツ。ステムシャフトはZRX1100用。なぜZRX1100用がいいかは、こちらの記事をどうぞ。

メインスイッチは今まで使ってきたW純正のものをトップブリッジに取付けて、ハンドルロックもしっかり使える。ただし、フォークのオフセットが小さくなったことと、フォークが太くなったことでタンクに早く当たるので、今までより切れ角が小さくなった。

純正状態だと、ハンドルロックをするとき、いっぱい切ってからほんの少し戻したところにハンドルロックのかかるところがある。(初めてやる人はとまどう)今はちょうど切りきったところにあるからスムーズ。

ハンドルポストはホンダCB1100用。後ろに引いているところがお気に入り。

ハンドルポストはCB100用

ホイールはトライアンフスラクストン用。EXCELのアルミリムで、非常に軽い。いつか後輪もアルミリム化したい。

EXCELのアルミリム

ブレーキディスクは2015年トライアンフデイトナ675R用。これはスラクストンも同じパーツでブレンボ製。

トライアンフディトナ675R用のブレンボ製ブレーキディスク

ブレーキキャリパーは2005年のスズキGSX-R1000用でブレンボ製。こいつはラジアル方向の位置調整をキャリパーを削って行っている。ちょー大変だった。

ブレンボのラジアルマウントキャリパー

そして主たる倒立フォークは2007年カワサキZX-6R用。

倒立フォークはZX-6R用

フォーク上端の中心の円筒で、リバウンド側のダンパー調整ができ、その次の色付きのナットでスプリングのプリロード調整ができる。

中心が戻り側のダンパー調整 次の色のついたナットがスプリングのプリロード調整

フォーク下端には、圧縮側のダンパー調整ができる。

縮み側のダンパー調整が可能

SHOWA製のフロントフォーク

ZX-6RのフロントフォークはSHOWA製

ウインカーは以前からつけていたkosoのシーケンシャル&デイライト付きのもので、今回はハイサイダーのブラケットを採用した。値段が高いだけに質感がいい。

ハイサイダーのウインカーブラケット

ヘッドライトは以前から使用していた5.75インチのベイツライトのケースを利用して、どこぞのものかはわからないLEDライトをamazonで購入。ディライト付きでネオクラ感が出て、非常に満足している。

5.75インチのベイツライトにディライト付きLEDランプを装着

倒立フォークを試乗

倒立フォークになったことで大きく変わったのは、ホイールが19インチから17インチになったこと。半径で1インチだから、アクスルシャフトの高さは2.5センチ下がったことになる。フォークの突き出しを最小限にしたので、アンダーブラケットからアクスルシャフトまでの距離は今までと変わっていない。

みっちり部品がつまったフロントホイール

ということは、キャスターは立ったわけだ。ハンドルは軽くなったとおもう思う。もう ペタンペタンだぜ。

そう思いながらエンジンをかけ、走り出した。軽くスラロームしてみる。

おっ 重い( ̄▽ ̄;)

粘る。タイヤが太くなったからか? 

この時はわかっていなかったが、ステアリングステムのオフセットがWより20ミリほど小さくなっていた。オフセットが小さくなると、トレールが増大する。トレールが増大すると、直進安定性が増大するというわけだ。知らないけど

倒立フォーク化完成

フロントフェンダーはとりあえず無し さあ、あさっては箱根ツーリングだ。

コンバート開始 -W650を倒立フォーク化-

みっちり部品がつまったフロントホイール

W650の倒立フォーク化の準備が着々と進む中、会社の二輪部のツーリングの日取りが決まった。来週の日曜日だ。今週末で仕上げればツーリングで倒立フォークデビューとなるが、しくじったらツーリングに行けなくなる。

かといって、メインスイッチをはずすために固定ボルトの頭をドリルで飛ばしたままだったり、その作業のためにヘッドライトもはずしたままだ。これを戻すマイナス作業も憂鬱なので、思い切って倒立フォークへコンバート作業開始を決断する。

フロント周り解体

センタースタンドをかけて作業を始める。まずはフロントアクスルシャフトを緩めておこう。事前に会社に乗って行って、同僚に手伝ってもらって一度緩めてあるので、固着の心配はない。さらに今回は新しい工具を仕入れてある。差し込み角1/2インチのスピナーハンドルだ。こいつはアストロプロダクツ製でお手頃価格。

フロントアクスルが緩んだところで、お次はブレーキ。どこから始めたらいちばんブレーキフルードが飛び散らないか悩みどころだが、マスター下のホースからはずすことにした。バンジョーボルトを外したらマスター側の穴には、ブレンボキャリパーからはずしためくらボルトを入れようと用意してある。

バンジョーボルトをはずした。すぐにめくらボルトをはめる。

あれ? ちょっとしかねじがかからない

めくらボルトとはずしたバンジョーボルトのねじ山を重ねてみる。ピッチが違う・・・ ブレンボって、ピッチは1ミリじゃないのか?

あとで調べてわかったことだが、スズキに純正でついているブレンボ=通称スズンボは、ピッチが1.25ミリらしい。

しかたなくねじ穴にウエスをねじ込む。絶対にブレーキレバーは握らないと肝に銘じる。

スズンボのバンジョーボルトのピッチが1.25ミリということは、用意しておいたバンジョーボルトが使えないということだ。NAPSへ買いに行くか? 土曜日に藤沢駅を超えて車で行くとなると、かなりの時間が持っていかれる。行けば時間がなくなるし、行かなければ完成は絶対にない。作業開始早々、今日の完成はなくなってしまった。

明日は天気があやしい・・・ 今週末の完成もなくなったのか?

気を取り直して作業に戻ろう。キャリパーのバンジョーボルトを緩める。先ほど使えなかっためくらボルトだが、今度は使える。きっちり締めてヤフオクへの出品に向けて、ダンボールに入れる。ブレーキホースもはずしてブレーキフルードを抜き、腐った自転車のハンドルにぶら下げておいた。

フロントを持ち上げる。いつものように単管パイプだ。イグニッションコイルをはずしてトップチューブ下にパイプをかまそうと思っていたが、左右のエキパイの下にかました方が安定しそうなのでそうしてみる。いい感じ。

肩と腕をもがれたW

そこからは、あれよあれよとばらしていき、すっかり肩から前腕がもがれたWくん。

倒立フォークへチェンジ

今回の改造でヘッドチューブのロワーベアリングは新品にしたが、アウターレースの交換はこれからだ。ただし、準備不足の感は否めず、専用のアウターレースリムーバーももちろん何の準備もできていなかったので、今回はそのままでいくことにする。いつか機会を見て、交換しよう。

ヘッドチューブ側のハンドルストッパーを加工する。加工すると言ってもヘッドチューブに溶接されている扇子状の板に穴を開けて、用意していたアルミのブロックをネジで止めるだけ。これについて知りたい方は、前々回の記事を参照してください。

アンダーステムを取り付けて、アッパーベアリング、ロックナットを締め込んだ後、ロックナットを緩めて、ステムの動きを調整する。この辺りは感覚。

ハンドルステムを装着

トップブリッジを仮に取り付けて、とうとうフロントフォークを取り付けるわけだが、フロントフォークを差し込みながらウインカーブラケットのスペンサーを入れなければいけない。

倒立フォークがついた

このウインカーブラケットはハイサイダーのものだが、どこにも在庫がない。そんな話をツーリング部の仲間に訊いたら、ネット販売しているところの量販専用の連絡先にダメ元で連絡したところ、売ってくれたという話を聞いて、自分でも試してみて手に入れたもの。多分この時期、日本でこの製品を手に入れたのは俺だけ。知らないけど。

ハイサイダーのウインカーブラケット

フォークがついたところでトップブリッジを本締めする。ハンドル、ホイール、ブレーキキャリパー、ヘッドライトにウインカーと、つけられるものはすべてつけた。

倒立フォーク化完成の右横顔

駆け足で書いたが既に夕方。今日の作業はここまで。バンジョーボルトがないので、ブレーキホースを取り付けることはできなかった。(上の写真はブレーキホースがつながっています)

ブレーキホースの取り付け

結局、次の日の日曜日は雨が降り作業はできず、通常の休みだけではツーリングに間に合わないので急遽有給を取って作業をすることにした。

今回ダブルキャリパーにすることによって、左のキャリパーにブレーキホースを繋げてあげなければならないのだが、マスターから直接つなぐ方式とした。

理由はフェンダーにブレーキホースがまとわりついてるのがウザかったから。まあ、そもそもまとわりつかすフェンダーがまだ間に合ってないのだが・・・ 今回のツーリングはフロントフェンダーレスとなる。

今回手に入れたスズンボは、右キャリパーから左キャリパーへ送る方式となっていたので、二段目のバンジョーの回り止めがあったが、そいつはバンドソーで切断した。

ブレーキホースは右キャリパー用は以前から使っているもの、左キャリパー用は右キャリパーよりも10センチ長いものを新たに購入した。


ブレーキホースを支えるものがなく、途中どこにも固定されていないのでタイヤに擦れないか不安だったが、全く問題なさそうだ。

みっちり部品がつまったフロントホイール

スズンボのブリーダープラグの位置が悪く、エア抜きがめちゃくちゃやりづらい。

ブレーキフルードがとびちらないように厳重に養生

キャリパーが一個増えた分、確実にレバーがストロークするようになった。もう少しカチッとしたタッチが好みだが、果たして効きはどれぐらいのものであろうか。