倒立フォーク化完成 -W650を倒立フォーク化-

倒立フォーク化完成

完成した倒立フォーク化。使用パーツをひとつひとつ説明する。

まずはステアリングステムから。トップブリッジは2010年のカワサキZ1000。バーハンドルなのでハンドルポスト取付用の穴があいていて手間いらず。

トップブリッジはZ1000用

ピンぼけだったので写真は無いがアンダーブラケットはNinja1000用として手に入れたが、Z1000も同じパーツ。ステムシャフトはZRX1100用。なぜZRX1100用がいいかは、こちらの記事をどうぞ。

メインスイッチは今まで使ってきたW純正のものをトップブリッジに取付けて、ハンドルロックもしっかり使える。ただし、フォークのオフセットが小さくなったことと、フォークが太くなったことでタンクに早く当たるので、今までより切れ角が小さくなった。

純正状態だと、ハンドルロックをするとき、いっぱい切ってからほんの少し戻したところにハンドルロックのかかるところがある。(初めてやる人はとまどう)今はちょうど切りきったところにあるからスムーズ。

ハンドルポストはホンダCB1100用。後ろに引いているところがお気に入り。

ハンドルポストはCB100用

ホイールはトライアンフスラクストン用。EXCELのアルミリムで、非常に軽い。いつか後輪もアルミリム化したい。

EXCELのアルミリム

ブレーキディスクは2015年トライアンフデイトナ675R用。これはスラクストンも同じパーツでブレンボ製。

トライアンフディトナ675R用のブレンボ製ブレーキディスク

ブレーキキャリパーは2005年のスズキGSX-R1000用でブレンボ製。こいつはラジアル方向の位置調整をキャリパーを削って行っている。ちょー大変だった。

ブレンボのラジアルマウントキャリパー

そして主たる倒立フォークは2007年カワサキZX-6R用。

倒立フォークはZX-6R用

フォーク上端の中心の円筒で、リバウンド側のダンパー調整ができ、その次の色付きのナットでスプリングのプリロード調整ができる。

中心が戻り側のダンパー調整 次の色のついたナットがスプリングのプリロード調整

フォーク下端には、圧縮側のダンパー調整ができる。

縮み側のダンパー調整が可能

SHOWA製のフロントフォーク

ZX-6RのフロントフォークはSHOWA製

ウインカーは以前からつけていたkosoのシーケンシャル&デイライト付きのもので、今回はハイサイダーのブラケットを採用した。値段が高いだけに質感がいい。

ハイサイダーのウインカーブラケット

ヘッドライトは以前から使用していた5.75インチのベイツライトのケースを利用して、どこぞのものかはわからないLEDライトをamazonで購入。ディライト付きでネオクラ感が出て、非常に満足している。

5.75インチのベイツライトにディライト付きLEDランプを装着

倒立フォークを試乗

倒立フォークになったことで大きく変わったのは、ホイールが19インチから17インチになったこと。半径で1インチだから、アクスルシャフトの高さは2.5センチ下がったことになる。フォークの突き出しを最小限にしたので、アンダーブラケットからアクスルシャフトまでの距離は今までと変わっていない。

みっちり部品がつまったフロントホイール

ということは、キャスターは立ったわけだ。ハンドルは軽くなったとおもう思う。もう ペタンペタンだぜ。

そう思いながらエンジンをかけ、走り出した。軽くスラロームしてみる。

おっ 重い( ̄▽ ̄;)

粘る。タイヤが太くなったからか? 

この時はわかっていなかったが、ステアリングステムのオフセットがWより20ミリほど小さくなっていた。オフセットが小さくなると、トレールが増大する。トレールが増大すると、直進安定性が増大するというわけだ。知らないけど

倒立フォーク化完成

フロントフェンダーはとりあえず無し さあ、あさっては箱根ツーリングだ。

コンバート開始 -W650を倒立フォーク化-

みっちり部品がつまったフロントホイール

W650の倒立フォーク化の準備が着々と進む中、会社の二輪部のツーリングの日取りが決まった。来週の日曜日だ。今週末で仕上げればツーリングで倒立フォークデビューとなるが、しくじったらツーリングに行けなくなる。

かといって、メインスイッチをはずすために固定ボルトの頭をドリルで飛ばしたままだったり、その作業のためにヘッドライトもはずしたままだ。これを戻すマイナス作業も憂鬱なので、思い切って倒立フォークへコンバート作業開始を決断する。

フロント周り解体

センタースタンドをかけて作業を始める。まずはフロントアクスルシャフトを緩めておこう。事前に会社に乗って行って、同僚に手伝ってもらって一度緩めてあるので、固着の心配はない。さらに今回は新しい工具を仕入れてある。差し込み角1/2インチのスピナーハンドルだ。こいつはアストロプロダクツ製でお手頃価格。

フロントアクスルが緩んだところで、お次はブレーキ。どこから始めたらいちばんブレーキフルードが飛び散らないか悩みどころだが、マスター下のホースからはずすことにした。バンジョーボルトを外したらマスター側の穴には、ブレンボキャリパーからはずしためくらボルトを入れようと用意してある。

バンジョーボルトをはずした。すぐにめくらボルトをはめる。

あれ? ちょっとしかねじがかからない

めくらボルトとはずしたバンジョーボルトのねじ山を重ねてみる。ピッチが違う・・・ ブレンボって、ピッチは1ミリじゃないのか?

あとで調べてわかったことだが、スズキに純正でついているブレンボ=通称スズンボは、ピッチが1.25ミリらしい。

しかたなくねじ穴にウエスをねじ込む。絶対にブレーキレバーは握らないと肝に銘じる。

スズンボのバンジョーボルトのピッチが1.25ミリということは、用意しておいたバンジョーボルトが使えないということだ。NAPSへ買いに行くか? 土曜日に藤沢駅を超えて車で行くとなると、かなりの時間が持っていかれる。行けば時間がなくなるし、行かなければ完成は絶対にない。作業開始早々、今日の完成はなくなってしまった。

明日は天気があやしい・・・ 今週末の完成もなくなったのか?

気を取り直して作業に戻ろう。キャリパーのバンジョーボルトを緩める。先ほど使えなかっためくらボルトだが、今度は使える。きっちり締めてヤフオクへの出品に向けて、ダンボールに入れる。ブレーキホースもはずしてブレーキフルードを抜き、腐った自転車のハンドルにぶら下げておいた。

フロントを持ち上げる。いつものように単管パイプだ。イグニッションコイルをはずしてトップチューブ下にパイプをかまそうと思っていたが、左右のエキパイの下にかました方が安定しそうなのでそうしてみる。いい感じ。

肩と腕をもがれたW

そこからは、あれよあれよとばらしていき、すっかり肩から前腕がもがれたWくん。

倒立フォークへチェンジ

今回の改造でヘッドチューブのロワーベアリングは新品にしたが、アウターレースの交換はこれからだ。ただし、準備不足の感は否めず、専用のアウターレースリムーバーももちろん何の準備もできていなかったので、今回はそのままでいくことにする。いつか機会を見て、交換しよう。

ヘッドチューブ側のハンドルストッパーを加工する。加工すると言ってもヘッドチューブに溶接されている扇子状の板に穴を開けて、用意していたアルミのブロックをネジで止めるだけ。これについて知りたい方は、前々回の記事を参照してください。

アンダーステムを取り付けて、アッパーベアリング、ロックナットを締め込んだ後、ロックナットを緩めて、ステムの動きを調整する。この辺りは感覚。

ハンドルステムを装着

トップブリッジを仮に取り付けて、とうとうフロントフォークを取り付けるわけだが、フロントフォークを差し込みながらウインカーブラケットのスペンサーを入れなければいけない。

倒立フォークがついた

このウインカーブラケットはハイサイダーのものだが、どこにも在庫がない。そんな話をツーリング部の仲間に訊いたら、ネット販売しているところの量販専用の連絡先にダメ元で連絡したところ、売ってくれたという話を聞いて、自分でも試してみて手に入れたもの。多分この時期、日本でこの製品を手に入れたのは俺だけ。知らないけど。

ハイサイダーのウインカーブラケット

フォークがついたところでトップブリッジを本締めする。ハンドル、ホイール、ブレーキキャリパー、ヘッドライトにウインカーと、つけられるものはすべてつけた。

倒立フォーク化完成の右横顔

駆け足で書いたが既に夕方。今日の作業はここまで。バンジョーボルトがないので、ブレーキホースを取り付けることはできなかった。(上の写真はブレーキホースがつながっています)

ブレーキホースの取り付け

結局、次の日の日曜日は雨が降り作業はできず、通常の休みだけではツーリングに間に合わないので急遽有給を取って作業をすることにした。

今回ダブルキャリパーにすることによって、左のキャリパーにブレーキホースを繋げてあげなければならないのだが、マスターから直接つなぐ方式とした。

理由はフェンダーにブレーキホースがまとわりついてるのがウザかったから。まあ、そもそもまとわりつかすフェンダーがまだ間に合ってないのだが・・・ 今回のツーリングはフロントフェンダーレスとなる。

今回手に入れたスズンボは、右キャリパーから左キャリパーへ送る方式となっていたので、二段目のバンジョーの回り止めがあったが、そいつはバンドソーで切断した。

ブレーキホースは右キャリパー用は以前から使っているもの、左キャリパー用は右キャリパーよりも10センチ長いものを新たに購入した。


ブレーキホースを支えるものがなく、途中どこにも固定されていないのでタイヤに擦れないか不安だったが、全く問題なさそうだ。

みっちり部品がつまったフロントホイール

スズンボのブリーダープラグの位置が悪く、エア抜きがめちゃくちゃやりづらい。

ブレーキフルードがとびちらないように厳重に養生

キャリパーが一個増えた分、確実にレバーがストロークするようになった。もう少しカチッとしたタッチが好みだが、果たして効きはどれぐらいのものであろうか。

ステムシャフトとトップブリッジで紆余曲折する -W650を倒立フォーク化-

歪んだトップブリッジのせいでねじれたフロントフォーク

ステアリングステムで右往左往した話の続き

万力に挟まれたZRX1100のステム

手に入れた格安ZRX1100ステムからステムシャフトを抜く。抜くと言っても、アンダーブラケットは用無しなので、シャフトにダメージが少ないようにアンダーブラケットに容赦なくドリルをたてる。

キリコにまみれるZRX1100のステム

首の皮一枚ぐらいまで削ったら、油圧ベンダーで押し壊した。

抜け止めはZRX1100のもののようにリブが設けられておらず、ステムシャフトに溝が掘られスナップリングがはめられていた。

とりだされたZRX1100のステムシャフト

こいつをノギスや新しく手に入れた25~50ミリのマイクロゲージで測定する。

マイクロメーターでステムシャフトを計測

W400のフレームに取りつけてみた。

W400のフレームにステムシャフトを装着

一見問題は無い。ただ、わからないのがベアリングのクリアランスを調整するナットがひとつしかないことだ。我がWには2つあり、1つ目で調整して、2つ目でそれをロックする。こいつはロックするためのものらしい爪付きワッシャーがあるが、トップブリッジを固定するステムナットを締め付けた力は爪付きワッシャーを通してロックナットにかかっているので、爪付きワッシャーの存在価値があまりない。

元々懸念していた、トップブリッジとの噛み合い長さが少々足りない気がするので、この爪付きワッシャーは、いれないことにするか?

そんなことを考えながら、ぐりぐりっとシャフトを右に左に回転させてみて恐ろしいことに気がついた。

このシャフト曲がってないか?

ステムシャフトの上端

右に左に動かすと、ステムシャフトの先端がじゃっかん芯ずれしているように見える。 いや、その言い方は現実を認めたくない自分が柔らかく言ってるだけ。このステムシャフトはかすかに曲がっている。

ノω・、) ウゥ・・・

このぐらいは大丈夫じゃないの? ステムシャフトをぐりぐり動かして感触を確かめる。ロックナットを締めてぐりぐり、緩めてぐりぐり。試しに思いっきり締めてみた。くいっくいっと締めこまれていく。

なぜだ?

さらに締めても、どんどん締まる。

ここで気がついた。アンダーブラケットを油圧ベンダーで破壊する際に、オイルシールもけしとんでいた。そのオイルシール分と、加工しろの数ミリ、ロワーベアリングが動いていたのだ。

そうか 待てよ ぎりぎり下げて、トップブリッジとの嵌合長を稼げないか? 

ステムシャフトの曲がりのことはどこかに飛んで、ロワーベアリングの最下端を探し始めてる。アンダーブラケットからロワーベアリングまでは2.4ミリだったので、それを計算しロワーベアリングの位置を決めた。するとどうだ、ロックナットから上がだいぶ長くなった。

あれ? これは

ステムシャフトはロックナットの上で一段細くなっている。ロックナット部がΦ25で、その上がΦ18だ。ロワーベアリングを最下端にしたら、さっきまでロックナットより下にあったΦ25部の上端が、ロックナットより上になった。

この状態で爪付きワッシャーをいれ、トップブリッジを乗せてステムナットを締めるのをイメージする。トップブリッジは爪付きワッシャーを押すが、その力はΦ25部の上端が受けて、ロックナットには伝わらない。爪付きワッシャーは動かなくなり、ロックナットはその爪付きワッシャーによって回転することを抑えられる。

おお これがこのワンロックナットの正しい状態じゃん!

よし このロワーベアリングの位置で決まるようにカラーを作ろう。 いや、しかしステムシャフトの曲がりはどうする? 仮にどこかのショップに打ち換えをお願いするとしたら、曲がったステムシャフトだと作業できないっていうウェブページを読んだぞ。

トップブリッジの曲がり

ステムシャフトの曲がりに削られた心を癒すために、ブレーキディスクの左右のピッチを計測することにした。アンダーブラケットにZX-6Rの倒立フォークを差し込む。続いてZ1000のトップブリッジ。

これが入りづらい。クランプ部分の隙間が狭いから、多少歪んでいるのだろうか。隙間にプラスチックの板をねじ込んで広げ挿入してみる。あれ? 無理だ

1度外して片方ずつ入れてみると問題ない。 ん? さては

トップブリッジを目の高さに掲げて、横から左右のクランプ部分を睨んでみる。

あぁ (´;ω;`) 思いっきりねじれてる!

歪んだトップブリッジのせいでねじれたフロントフォーク

これは売る方もどうかと思うが、すぐにチェックしなかったからもう遅い。安かったから痛手は小さいが、安かったからこのようなものなのかもしれない。こいつは使えない。あきらめてまた探そう。

左右が大きくねじれたフロントフォーク

ステムシャフトといいトップブリッジといい、うまくいかないことが重なって、心が折れそうになりながら、キャリパーのピッチを測る。キャリパーのディスクを抱え込む溝の中心が140ミリぐらいだ。この期に及んで「ぐらい」とか言っているのは、キャリパーマウントボルトをまだ手に入れておらず、W3/8の寸切りボルトで仮固定しているから。

ラジアルマウントのブレンボキャリパーを仮付け

スラクストンのホイールのディスク取り付け座面の幅は134ミリだった。ディスクの厚みが5ミリだとしたら、スラクストンのディスクはオフセット0なので、左右のディスクピッチは139ミリになる。あらま奇跡。

左右のディスクのピッチを測定

なんの細工もせずに、ZX-6Rのフォークにボルトオンではないか。 あっ ベアリングは替えるけどね。

今回仕入れたマイクロメーターはこれ

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ステアリングステムで右往左往する -W650を倒立フォーク化-

油圧でステムシャフトを押しぬく

ZX-6Rのトップブリッジは使えないことがわかった話の続き。

ヤフオクで落札した+Z1000のトップブリッジが届いた。

Z1000のトップブリッジ

ZX-6Rとフォークピッチは同じだったが、残念ながらオフセットが違ったので、予定通りNinja1000のステムを購入することにする。ヤフオクに出品されていたものを、終了直前に入札して無事落札した。

届いたNinja1000のハンドルステム

届いたNinja1000のステアリングステム1式。トップブリッジは中央が下がるタイプだから使えないだろう。

Ninja1000のトップブリッジ

念の為Ninjaのアンダー、Zのトップの組み合わせでZX-6Rのフォークをさしてみる。トップブリッジのはまりが悪いが、オフセット自体は同じようだ。大丈夫そうだろう。(これがのちにたいへんなことになる)

Z1000とNinja1000のフォークオフセットは同じ

ステムシャフトの抜き取り

届いたNinja1000のステムシャフトを抜こうと思う。方法は、電気の配管を曲げる油圧ベンダーというものを使う。名前の通り油圧を利用して太い鉄の配管を曲げるのに使うものだ。セッティングはこんな感じ。

油圧でステムシャフトを押しぬく

油圧ベンダーのプレートの穴に溝形鋼を渡してこれを土台とする。その土台の上に、ステムシャフトの外径より少し大きな外径のパイプををステムシャフトと同心にセットして置き、油圧で上から押していく。この構造に収まるように、ステムシャフトは短く切った。

押しぬくために短く切られたステムシャフト

まずは1回様子見で押してみる。

なにも変化がない。押されているのかすらわからない。いったん油圧をリリースする。アンダーブラケットと油圧ベンダーのプレートの位置関係が変わった。押されて動いたものが戻るように。

なにが動いた? まさかこのごつい溝形鋼がたわんだのか?

そもそも、ステムシャフトが下に抜けるのか、上に抜けるのか、どちらにも抜けるのか、どちらかにしか抜けないのかわかっていない。今は、上に抜けたら問題だろうなと思って、下に抜こうとしている。アンダーブラケット上側はベアリングレースとオイルシールでステムシャフトの根元は見えないし、下側はステムシャフトの角を面取りしてあるので、正確な太さを測定できない。

もしかして、このオイルシールの下にシャフトの位置決めのでっぱりとかあったら、上から押しても抜けないぞ

怖いのでベアリングレースをはずして確認してみることにした。リムーバーは無いので、サンダーでさっさとぶったぎる。じゃまものがなくなったステムシャフトを観察する。特に下へ抜けるのを妨げるものはない。もう一度やってみよう。

慎重にセットしてから、油圧ポンプのレバーをゆっくり上下させていく。だいぶ押したよなぁ と思った時に、コンッと高い音がした。これはステムシャフトが動いたぞ。油圧ポンプのダイヤルをゆるめて、油圧をリリースする。

油圧ベンダーからステムを取り出し確認すると、ステムシャフトが2ミリほどアンダーブラケット下面から飛び出ていた。よし これで抜ける。

油圧ベンダーと油圧ポンプ

そこから先は安心して油圧をかけられた。コンコン小気味いい音をたてて抜けていくステムシャフト。

取り出し完了。なるほど、ステムシャフトの下端にリブがあって、上には抜けないようになっているのね。

ステムシャフトが抜けたアンダーブラケット

ステムシャフトを探す

ステムシャフトが抜けたアンダーブラケット。これWのステムシャフトを入れるわけだが、我がWのステムシャフトを使うと、倒立フォーク化が完成するまでかなりの期間乗れなくなってしまう。それは避けたいので、ヤフオクでWのステムを探してみる。7000円とかする。ステムシャフトだけしか要らないのに無駄に高い。

選択肢を広げてみる。Wは、ZRXやゼファーと同じステムシャフトを使っていると、続Z1000jのkz1136jさんがブログに書いていた。同じ出品者のゼファーのステムの画像とWのステムの画像を重ねてみると、確かにほとんど同じ。パーツリストのベアリングの型番も同じものだった。

ただ、ゼファー400のステムシャフトは溶接でとめられている。溶接部分を削り落とすというひと手間をなくしたいのと、ステムシャフトとアンダーブラケットの嵌合長を長くしたいから、圧入されているタイプにしたい。そうなるとゼファー750以上か、ZRX1100以上になる。

ヤフオクでステムの出品を探し続けているうちに、あることに気がついた。ZRX1100は、ステムシャフトとアンダーブラケットの嵌合部分が長いのだ。W650なんて、大丈夫かってぐらいしか嵌合部分が短い。

剛性うんぬんもあるが、嵌合長が長いと都合がいいことがある。Ninja1000のアンダーブラケットに差し込むためにカラーを介すのだが、ステムシャフトの抜け止めをカラーの下端より出さなければならない。アンダーブラケットの上面に出すべき部分は決まっているので、嵌合長が短いと、抜け止め部分をカラーの中に潜り込ますようにしなければならなくなる。Wのステムシャフトを使ったら、絶対そうせざるを得ないだろう。

「これはもうZRX1100一択だ」

そして格安ZRX1100ステムを手に入れた。

倒立フォーク -W650を倒立フォーク化-

ZX-6Rのフロントフォーク

倒立フォーク

それはもう永遠の憧れである。

スタビライザーつきのスイングアームやエキセントリックカムのチェーンアジャスターも憧れだったけれど、それはもう手に入れた。あとは倒立フォークだ。

倒立フォーク選定のポイントはこれ

  • アウターチューブが薄い黒のアルマイト
  • インナーチューブに錆の無いもの
  • オイル漏れが無いもの

倒立フォークのアウターチューブは金色 みたいなルールでもあるのかと思うほど、金色は定番な印象があるが、我がWのイメージカラーは黒と銀と差し色にガンメタだ。金色に出番は無い。(エキセントリックカムが金色だが) いちばんの好みは、薄い黒のアルマイトカラー。

インナーチューブに錆も無く、オイル漏れも無い薄い黒のアルマイトの倒立フォークがヤフオクに出品されれば、即入札なのだが、そう望み通りのものは出てこない。アウターとインナーを別で手に入れて組むとか、オイル漏れのあるものを手に入れてから直すとかも考えたが、その部分にあまり手をかけたくはないところだ。

現在出品されているもので希望に近いものがふたつある。

  • 4万円台のZ1000
  • 9万円台のZ900RS

どちらもアウターチューブは黒。黒かぁ 悪くないけど踏み出せない。

倒立フォークに合わせてステムとトップブリッジを手に入れなければならないが、Z900RSのものは出品されていなかった。対してZ1000は出品されていた。しかもバーハンドル用のポストもついてるじゃん。これはいい。フォークの値段も手ごろだし、Z1000にするか?

ところでフロント周りを流用するのに大きな課題が、ステアリングステムを取りつけられるのかというところだ。たいていはそのままつくはずもないので、ステムシャフトを打ち換えることになる。これはいったいどんな作業になるのか? 自分でできるのか? 頼んだらいくらかかるのか? 調べてみた。

わかったのは、ステムシャフトを抜くのにも入れるのにも、油圧のプレスが必要だということ。入れるシャフト径が穴に対して細ければカラーが必要で、太ければシャフトを旋盤で削るかシャフトを新造しなければならないということだ。油圧プレスは会社の道具を工夫すればなんとかなりそうな気がするが、旋盤はどうにもならない。

作業を依頼すると、カラーの製作が3000円ぐらい、シャフトの圧入に8000円ぐらいか(しかもこれは安い方)。13万円ぐらいからステアリングステムをまるごと作ってくれるところもあった。まあ、そんな予算は無いが。

旋盤が欲しい。さらにフライス盤もあれば最強だ。ヤフオクを巡回する。金があれば・・・

そんな時ヤフオクで、GSXR1100の倒立フォークをゼファーにポン付けできるものがセットで出品されていた。カワサキのネイキッドはおおむね同じステムシャフトらしいので、Wにもつけられるだろう。そのあたりの工作の不安が無くなるのはよろこばしい。ただ、ブレーキキャリパーがアキシャルマウントだ。一瞬心が負けそうになったが、やはりラジアルマウントはゆずれない。

捜索範囲を広げると、ZX-6Rの倒立フォークが見つかった。6万円台だが、ステムとトップブリッジ、さらにアクスルシャフトもセットになっている。色はシルバー。 うん シルバーも悪くないねぇ

このZX-6Rは、メインスイッチの位置が中央にきている。今までの知識だとZX-6Rは左にオフセットしていたはず。調べてみると、2007年モデルはセンターだったようだ。Wのスイッチもセンターなので都合がいい。

ただZX-6Rのトップブリッジはデザインが凝っていて、上面が平らではない。大きな三角刀で彫ったような溝があり、とてもかっこいいのだが、ハンドルポストは簡単にはつきそうもない。この形状に合うように、ハンドルポストの下面を削るとか? 金属パテでスペーサー的なものを作れば簡単かもしれないけど、強度はどんなものなのだろうか?

Black or Silver

もはや黒か銀の2択になった。どちらもコンディションは悪くなさそうだ。これはWを見ながら検討しよう。

庭に行ってシェルターを開けWを出し、横からぼんやり眺める。

うーん これは・・・

シルバーだな

ZX-6Rの倒立フォークに決定した。入札 そして 落札

届いた荷物

緊張のご対面

ZX-6Rのフロントフォーク

かっこいい!

ついでというのも変だが、ブレーキキャリパーも落札した。まったく意識していなかったが、同じ出品者だった。ものはブレンボ( *´꒳`*) 黒地に白文字かと思っていたが、届いたら文字は銀だった。これまたかっこいいのぉ こいつの画像はまた今度。

しかし、ステム周りを観察していたら、たいへんなことがわかった。ステムシャフトの長さが、Wと比べてずいぶん短いのだ。仮にWのステムシャフトに打ち換えるとトップブリッジとアンダーブラケットの距離が遠くなる。すべての倒立フォークがそうかはわからないが、このZX-6Rのアウターチューブは、アンダーブラケットで固定される部分が太くなっていて、その位置の許容範囲は狭いのだ。

トップブリッジは平らではなく、ステムナットに向けて低くなっている。印象としてはこの分ステムシャフトが短いのだろう。このトップブリッジを使うためにフォーク延長するか、トップブリッジを新造するか? はたまた、ステアリングステム一式を他のバイクのものに変えるか?

トップブリッジの新造は、5万円ぐらいでやってくれるところがあった。これは想定外の費用になるから避けたいところ。となると、流用でこのZX-6Rのフォークに合うステアリングステムを探すしかない。

アウターチューブの外径は、アンダーブラケット部がΦ52。トップブリッジ部がΦ50だ。これは、最終候補まで残ったZ1000といっしょだ。Z1000はバーハンドル。むしろ都合がいい。そしてZ1000のトップブリッジが安く出品されている。ステムは? Z1000でこのトップブリッジにあう年代のものは出品されていなかった。困った。いつ出品されるかわからないものは待ってはいられない。

Ninja1000で検索してみた。あった。トップブリッジもこみだけど。ただこのトップブリッジはセパハンようだ。ダメか・・・ もしかして? と思って、パーツリストを調べてみたら、Z1000のバーハンも、Ninja1000のセパハンも、ステムは同一部品だった。よし! これでトップブリッジは手に入れよう。ものが届いたら、ZX-6Rのステムと合うか確認して、ダメならNinja1000のステムを手に入れよう。

ZRX1100のスイングアームがついた

リア周りと駆動系完成

W用のチェーンカバーを取り付けるステーの加工が終わったので、スイングアームを本付けする。

今回の改造のきっかけでもあり、メインテーマであるこのZRX1100のスイングアーム。ピボットシャフトを締め付けた時の感慨はひとしお。

ZRX1100のスイングアームがついたW650
ZRX1100のスイングアームがついた

あこがれのエキセントリックカラー

あこがれのエキセントリックカラー

届いたアクスルシャフトのカラー。

注文していた、アクスルシャフトのカラーが到着

見えないけれど、チェーンラインを揃えるためにスプロケットキャリアとホイールの間に0.8ミリのシムを入れている。

左側のアクスルシャフトカラー

キャリパーサポート側はこんな感じ。

キャリパーサポートをはさんだ二つのカラー

駆動系の組み立て

フロントスプロケットは、サンスターの5ミリオフセット520コンバート。Wに合うオフセットスプロケットは、これしか見つからなかった。よってチェーンは520。選んだのはEKチェーンのNXリングシールチェーン 520ZVX3。

このチェーンにした理由は、接続がスクリュージョイントタイプだったから。こいつはチェーンカシメ工具が必要ない。前回自分でチェーンを交換した時に、チェーンをカシメるのにえらい苦労したので、2度とやりたくないと思っていたのだ。スクリュージョイントなら超簡単。

その部品はこれら

スクリュージョイントタイプのチェーン

ピンが入ったプレートでチェーンをつないだら、反対のプレートをはめてからナットをかける。

スクリュージョイントタイプのチェーン圧入中

そのナットを締めていくと、プレートがピンに圧入されていく。

スクリュージョイントタイプのチェーン 圧入中

プレートの圧入が終わったら、圧入のために存在したネジ部分を折るために、このぐらいまでナットをかける。

スクリュージョイントタイプのチェーン 圧入後 ピン折り準備

そのナットをもぎっとやって、ネジを折る。ここは荒い(笑) で完成。

スクリュージョイントタイプのチェーン 完成

リアスプロケットはザムの特注品。特注と言っても、標準品より5000円ぐらい高い程度。ちなみにザムはフロントスプロケットも特注してくれる。純正流用、チェーンライン変更、チェーンサイズコンバートなどをしている者にとっては神。

簡易車庫を購入

ここまで作業を進めてきて、雨で濡らしたくない気持ちが最高潮に高まり、ドッペルギャンガーの簡易車庫を買ってしまった。

組み立ては簡単。のはずだったが、右と左の概念が逆ってしまって、そこそこやられた。バイクの右面と建物の右面は違うので、間違いなきよう組み立ててください。

固定はコンクリートの土間にアンカーボルトで固定。W3/8を4本。これで台風でも安心。

テント型車庫の固定ボルト
テント型車庫の固定ボルト

畳んだ状態はこんな感じ。こじんまりになるので、主張してこなくて好感触。

ドッペルギャンガーのテント型車庫 畳んだ状態

バイク格納時はこんな感じ。

ドッペルギャンガーのテント型車庫 格納状態

勝負してMサイズを買った。Lはでかい。庭が狭くなるのでいやだった。さっぱりしてる我がWだから大丈夫だと思ったが、ミラーがきびしい。バーエンドミラーにしなくてはならないかも。

Mサイズは売り切れか? 下のリンクはLサイズ


フレームを加工 -WにZRXのスイングアーム-

サス取付ピンをワイド化

ZRX1100のスイングアームが取りついたので、フレームの加工に入る。大きな加工は、スイングアームの幅が広くなったことで、フレーム側のサスペンションの取付幅があわなくなったので、それを解消すること。それと、シートレールをスッキリさせたいので、ウィンカーステーなどをカットすることだ。

問題はサスの取付部。これに対して先人たちは、サス取付ピンを延長して対応している。まあこれも書くと簡単だが、その方法を見出すのにそこそこ時間はかかっている。

ただ、昔と違うのはミスミがあることだ。延長するピン(片持ち支持ピンというのが正式らしい)も、レディメイドで、希望のものが簡単に作ってもらえる。流用チューンには欠かせないぜミスミ!

フレームの加工を始める。加工と言っても主に切断。ウィンカーステー、メットホルダーステー、荷掛けフックなど、実用的なものは、潔く切っていく。目指すはスッキリしたシートレール。

と書いてはみたが、本当はドラムブレーキ用のステーを念の為残していた。ディスク化が、なんらかの理由で頓挫した時のためだ。

これが切断前で

フレーム後端につく、いろいろなステーたちカット前

こっちが加工後

いろいろステーをカットしてすっきり

不要なものの切断が終わったら、続いて構成のちょっとした変更。まずはタンデムステップのステーを短くした上で、上に移動する。これは今のままだとZRXのスイングアームが、サスが縮むと当たってしまうのと、かちあげたマフラーから逃げるため。

タンデムステップステーを移動
タンデムステップステーを溶接

続いて左右のシートレールを結ぶ、シートの固定金具が取りつけられているビームの高さを低くする。こいつが高いとシートデザインのの自由度が低くてかなわない。元の位置からずれないように溶接。シート固定金具をスペーサーで持ち上げることで、今使っているシートを使えるようにする。

シート固定用ビームの高さを低くする

最後にサス取付部のピンの加工。純正のピンを10ミリほど残して切断。残った部分にミスミに作ってもらった片持ち支持ピンを差し込み溶接する。 下手だ・・・ ビートがキレイに出せない。

純正支持ピンをカット
サス取付ピンをワイド化

ちなみにピボット部の幅詰めが、構造上右より左が小さかったので、スイングアームは右に2ミリオフセットしている。そのため、片持ち支持ピンの長さも、右が2ミリ長い。左右間違えたら一巻の終わりなので、何度も確認して作業した。

特注のサス取付用片持ち支持ピン 左右の長さが違う

切断溶接加工が終了したら、錆止めを塗装。

溶接切断加工後に錆止め塗装

忘れていたチェーンラインの確保のためのビートの削りも行う。これが削り前

チェーンラインを確保するための削り前

これが削り後。

チェーンライン確保のための削り後

3ミリはスペースを確保できた。




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スイングアームの加工 -WにZRXのスイングアーム-

フレームに仮組み

取り付けるスイングアームは、ZRX1100のものに決まった。そこでスイングアームのピボット部の構造と寸法を観察してみよう。

スイングアームのピボット部の内部は、短い右カラー、ボールベアリングの内輪、長い左カラーの3点がピボットシャフトによって、左右のフレームに挟まれるように固定されている。左のカラーの両端に、ニードルベアリングがあり、ラジアル方向(ピボットシャフトに垂直な方向)の荷重を担当している。

カラーの間に挟まれているボールベアリングもラジアル荷重を受けているが、こいつは主にアキシャル方向(ピボットシャフトに平行な方向 昔はスラスト方向って言ってたよな)の荷重を担当している。このボールベアリングのおかげで、スイングアームが左右に動かないようになっているわけだ。

このボールベアリングは、はめあいの摩擦で固定されているのではなく、片方は突き当り、もう片方はスナップリングで移動を規制されている。

この3点の長さの合計が237.5ミリで、W650のフレームのピボット部の内寸が、214ミリだ。つまり3点の長さの合計を、23.5ミリ詰めなければならない。当初考えていたものより1.5ミリ詰めるサイズが大きい・・・

スイングアームを詰めるのに、外側の条件はこうなっている。ピボット部は肉厚のチューブで、そいつに左右のアームが突き当てて溶接されている。その突き当てた外側の長さ=詰められる長さが、右と比べて左が短い。とてもじゃないが詰めるべきサイズの半分である約12ミリは詰められない。

ピボットチューブ切り詰め前

右のカラーを12.5ミリから1ミリにして11.5ミリ詰められる。左はニードルベアリングの左端までが左カラー左端から8ミリもないので、ベアリングをこのままでいくと、左右あわせても19.5ミリしか詰められないことになる。しかもスイングアームは左にずれ放題だ。

左のニードルベアリングは長さが24ミリなのだが、これを長さ17ミリのものに替えればカラー左端から15ミリ程度確保されるので、問題ないだろう。右はボールベアリングの厚みが12ミリだが、同じ外径・内径で厚みが8ミリのものがあるのでそれに替えよう。

すると右側で15.5ミリ詰められる。残りは8ミリ。ニードルベアリングの左端まで7ミリほど余裕がある。その7ミリを利用してスイングアームの左ずれを防止するために、ピボット部のチューブの左側面にスラストベアリングを入れればいいのではないか? ベアリングメーカーのHPを探し回る。

ちょうどよさそうなのが見つかった。ベアリングレースの厚さが1ミリで、ベアリング本体の厚さが2ミリ。合計4ミリで済むのでピボットチューブを詰めるのも、許容範囲内だ。ベアリングのシールが難しそうだが、そこは後で考えよう。

W650のピボットシャフトは17ミリでZRX1100のピボットシャフトは20ミリだ。この調整はアルミパイプでやればいいだろう。いろいろなものを注文して、スイングアームの加工に入る。

まずはピボット部右側から作業開始。オイルシールをマイナスドライバーで取り外す。続いてボールベアリングをベアリングリムーバーで取り外す。 はずだったがビクともしない。どうせ使わないからと、反対側から適当な棒を突っ込んでベアリング内輪にあて、ハンマーで引っぱたく。

しかし動かない・・・

そんなにがっちりついてるのか?

いきなり参ったな

とそこで思い出す。 そうだ、スナップリングでとまってるんだ(汗)

スナップリングをはずしたら、リムーバーであっさり外れた。

ベアリングリムーバーで外す

あわてずいこ~

ボールベアリングの先のニードルベアリングは使うのでそのままに。続いて左側。

オイルシールを外して、奥のニードルベアリングにベアリングリムーバーをセットする。シャフトを回す度に、ズルズル引き出されてくるニードルベアリング。これで外すものは全て外れた。次はピボットチューブを切り詰める。

できあがりより少し大きめに切断ラインをけがき、スイングアームをシャコ万で作業台にしっかりと固定し、バンドソーで切る。

その後、スコヤで直角を確認しながら、大きな金やすりで所定の寸法に削っていく。完全なる手工業!

ピボットチューブ切り詰め後

カラーも同様の方法で切り詰め、作業は完了。新しいベアリングを装着してフレームに仮組みしてみる。

新しいボールベアリング

ん? ちょっとスラストベアリングに偏ったガタがあるぞ(画像でわかるラジアル方向のすき間ではない)

スラストベアリング

ピボットチューブの切断面の直角度がよくなかったことと、カラーがじゃっかん長い。ばらして修正加工。書くと簡単だけど、実際の作業時間はそこそこかかった。修正が終わって取りつけてみると今度はいい感じ。

フレームにスイングアームを取りつけ、オイル漏れして使わなくなっていたWPのショックを仮付けしてみた写真がこれ

フレームに仮組み

かっこいい! かっこいいよ!

もちろんわかっていたけど、ショックのフレーム側取付部の幅が合っていない。今後は、この解決を含めたフレームの加工を始める。

取付幅の違いが大きい

ハブを探す -WにZRXのスイングアーム-

書付きフレームをゲット

WにZRXのスイングアームをつけようと、ZRX400のスイングアームを手に入れた話の続き。

スイングアームをZRXのものにするのだから、リアブレーキはやっぱりディスクにしたいし、タイヤは太い方がかっこいいっていうのが人情。ところがスポークホイールでリアがディスク、しかも太いタイヤがはけるホイールなんて純正ではなかなかない。ハブだけ利用するとして、スポークという意味で選べる数が増えるオフロードモデルはハブダンパーが無く、それはやめた方がいいとのことだ。

新型W800用を使えば一番問題ないのだろうが、まだ中古部品は出回ってない。新品ハブを部品で購入すると、そこそこな値段になってしまう。

なにかいい方法は無いかと悩んでいる中、エンジンの載せ替えとドラムブレーキからディスクブレーキの改造・・・ 改造申請を二つ同時にやるのは大変か? なんて、じゃっかん弱気になったところでいいことを思いついた。650の書付きフレームをゲットして、エンジン載せ替えは申請を不要にしてしまえばいい。

さらに簡単に、スイングアームはZRXにするが、とりあえずドラムブレーキのままにして車検を受け、ゆっくりリアディスク化を進めていくというのはどうだ? これなら注力するのはスイングアームをつけるということだけで済むから、作業期間は短くできそうだ。

ただ、ドラムブレーキのままで行く場合、トルクロッドの固定部分がZRX400のスイングアームには無い。ZRX400はトルクロッドがスイングアームの上部なのだ。ZRX1100だったら、トルクロッドがスイングアームの下部だからいいのになぁ

そんなことを考えていたら、お安いZRX1100のスイングアームと、W650の書付きフレームをヤフオクでゲットした。フレームは排ガス規制前のものだ。

書付きフレームをゲット

スイングアームをZRXのものに替えると、おそらく車検公認のマフラーで取りつけられるものはなくなるだろう。というか、車検公認マフラーで、理想の形のものが無い。そういう意味では、この排ガス規制前のフレームというのは、必需だったのかもしれない。

ただ、排ガス規制前なら音量さえクリアすればいいと思っているのだが、果たしてそうなのだろうか? いずれわかるだろう。

W400とW650のフレーム

いろいろ変わってきたが、ハブ捜索を再度始める。

ここで見つけたのがエストレヤ用のハブだ。エストレヤはリアディスクモデルがあり、そのハブが流用できそうだ。W800とエストレヤのパーツリストを調べてみると、ハブそのものの部品番号は違うが、中のカラーやベアリングは同じなので、おそらくほとんど同じものだろう。

ということでエストレヤのハブをヤフオクでゲット。

リムはエキセルのアルミリムにしようと思っている。エキセルのリムは注文を受けてからつくるらしい。結構高い。SRなどのカスタムすることがメジャーなバイク用なら、ヤフオクとかでも出回っているが、他のバイク用はほとんど無い。エキセルに注文するしかないようだ。

部品がいろいろ集まって、部屋にあふれかえってるよ・・・

部品であふれる部屋

リムの注文は、とりあえず置いておいて、スイングアームの加工を始めよう。スイングアームはZRX1100で決定。さて、ZRX1100のスイングアームはW650のフレームにうまくつくのだろうか?

アルミがスイングアームじゃん! -WにZRXのスイングアーム-

ZRX400スイングアーム

スピードメーターも正しい数字を指すようになったので、改造車検を受ける準備を始める。今回は原動機の載せ替えにともなう排気量の変更だ。

排気量が変わった時に提出すべき書類は、駆動系の強度計算書だが、駆動系もそっくり移植して、その旨を明記した書類とパーツリストのコピーがあれば良いらしい。

ただ、我がWはスプロケットをXAMのものに、チェーンを江沼のものに変更しているので、パーツリストのコピーでは意味が無い。両メーカーに強度計算書を発行してくれるか問い合わせてみる。

数日後

両メーカーとも強度計算書を送ってくれた。くれたじゃない、くださった。正確には強度保証書といったところか。計算は一切ない。何にしてもありがとうございます。

そんな書類が揃い始めたある日、ふとあることを思いついた。

スイングアームをZRXのものに変えたい

前からスイングアームを変えたいと思っていた。極太アルミのスイングアームもいいけど、あのローソンレプリカのKZ1000Rのスタビライザー付きスイングアームが憧れだった。

憧れといえば、カワサキ車独特のエキセントリックカムを使ったチェーン調整機構。チェーンを調整するだけで、車高が変わってしまうという、どうかと思う機構だが、なんてったってかっこいい!

その癖を利用してアクスルシャフトを下側に移動させ、けつをかちあげたい!

ZRXのスイングアームには憧れが詰まっているのである。

だが、ZRXのスイングアームなんてWに装着できるのだろうか?

ありがたいことにヤフオクには、出品しているパーツの寸法を記載してくれている出品者がいる。そんな方々からの情報によると、ZRX400のスイングアームのピボット部の幅は237ミリ程度らしい。

庭に行ってWのピボット幅を測ってみる。分かりづらくて正確ではないが、おおむね215ミリぐらいだ。

22ミリの違いは無理じゃないかぁ

カワサキのホームページでZRX400のスイングアームのパーツリストを見てみる。そこでわかったのは、スイングアームのピボット部の両端にはオイルシールが付いているということだ。

オイルシールなんていらん 雨の日は走らないし!

まぁ、そこまで極端なことは言わなくとも、もっと簡易的なものに置き換えれば15ミリぐらいはそこで削れそうだ。あと7ミリぐらい何とかなるだろう。

ということで、ZRX400のスイングアームの調達を決意。ヤフオクパトロールを始めた。

ある日気になる出品を発見。教習所のシミュレーターに使われていた車両のものらしい。ということは言ってみれば新品。

それだけでなく、ピボットシャフトはおろか、アクスルシャフト、キャリパーサポート、トルクロッドまでついている。これらの部品はそれぞれ揃えるとそこそこの値段になってしまう。

こいつを無事落札。数日後商品が届いた。

(エキセンもトルクロッドもキャリサポも無い写真でごめん)

マットなカーキーで染められたそいつは、思った通りカッコよかった。これは何でできてるんだ?

(*’ω’*) 恐る恐る磁石を近づけてみる

吸い付かない

「アルミがスイングアームじゃん」

高校生の頃、バイク仲間が女子の前でバイクの話をかっこよくする男子を装うんだけど、間違っちゃってるっていうところが面白みのギャグを思い出した。

あいつら、まだバイクのってるかな?

18年間バイクから降りていたことなど、もはや頭の片隅にも無い。

あの頃、アルミのスイングアームは憧れのカスタムパーツだった。スイングアームどころか、フレームまでアルミのRG250Γが出た時は、バイク屋の店頭に貼られたポスターを見て震えたもんだ。

フランコ・ウンチーニ~(・∀・)

知らんか

それにしてもこのZRXのスイングアームはWにうまくつくのだろうか?