650エンジンに乗せ換え -W650化計画-

※この記事は以前のブログ=ベベルギアがうなるぜーW400日記ーで、2020年11月17日に公開した記事です。

ついにW650のエンジンに載せ替えを始める。

補機等の取外し

まず始めた作業は、エンジンオイルの抜き取りと、エンジン周りの補機の取り外し、さらにエンジンにつながっているケーブル類の切り離しだ。

エンジンに直接つながっているマフラー、キャブレター、排ガス対策の2次空気導入管、イグニッションコードを外す。イグニッションコイルもじゃまだから外しておこう。

ケーブルは、ドライブスプロケットカバーから出ている、充電系、スピードセンサー、ギヤポジションセンサー、クランクシャフトセンサー、サイドスタンドスイッチがバッテリー横でコネクター接続されているので、そこで切り離す。コネクターの種類は全部違うので、つなぐときに間違える心配は無し。

このコネクターの辺りは電気系統の中心部分。セルモーターのリレーから太い電線がセルモーターへ伸びている。これはセルモーター側の端子を固定しているナットを外して切り離す。

逆にエンジン後部のクランクケースのボルトに留められた太い電線がバッテリーのマイナス端子へ。これはこのボルトが長く、エアクリーナーボックスに当たり抜けない。サービスマニュアルだとエンジンを下ろすのはエアクリーナーボックスを外さずに行っている。エアクリーナーボックスをばらすのは結構めんどくさい。なのでバッテリー側で外した。なんでこんなボルトをアースの端子用に使うのか? ついでにプラス側の端子も外しておく。

反対に右側は、オイルプレッシャーセンサー用の線が1本だけ。センサーのナットを外して切り離す。

これでエンジンにつながっているものはすべてはずれた。次にエンジンを載せ替えるためのやぐらを単管パイプで作る。

補機類がはずされた400エンジン

やぐらを組んでエンジンを下す

長さ1mの単管パイプを柱とし四隅に。それを2mほどの単管パイプ4本を直交クランプで連結する。四角いオリでWを囲んだ感じだ。エンジンは右側に出すので、Wはオリの左によっている。

エンジン乗せ換えのためのやぐら

Wと並行の2本の単管パイプに渡すように、2本の単管パイプをWのフレームの中に通す。このパイプでエンジンを吊るわけだ。

フロアジャッキをオイルパンの下にあて、軽く荷重を担わせて、エンジン前方のブラケットをバラし始める。ボルトがサビで固着していないか心配だったが、それほどひどくはなかった。

エンジン側のボルトを抜いたら、代わりにそのボルトより10センチほど長めのW3/8の全ネジボルトを差し込む。そのボルト片端にワイヤーをかけて、さっき通した単管パイプにかけ、もう一端をボルトの反対側にかける。このワイヤーは、たまたま会社に転がっていたもので、長さは30センチぐらい。両端は輪になっていて、この作業のために存在しているのではないかという代物。

同様の作業をエンジン後方でも行う。前後のボルトの高さが違うので、均等に吊れない。後方のワイヤーを1回結んで長さを短くする。

これでエンジンを吊り上げる準備は完了。どうやって上げるかというと、Wを取り囲んでいるこのオリの4隅の柱の下部には、ジャッキベースというものを取りつけている。こいつの構造は、15センチ角ぐらいの鉄板の中心に、単管パイプより少し細い40センチぐらいのボルトが溶接されている。このボルトに一文字のハンドルを備えたナットがかましてある。単管パイプはボルトに差し込み、ナットのハンドルに乗っかることで、高さを調整されるのである。

4隅のジャッキベースのハンドルをくるくる回してオリ全体の高さをあげていくと、やがてワイヤーが張りエンジンが浮き始めた。

サービスマニュアルには、エンジンを右にまわすようにしておろすと書いてある。しかし、どうやってもフレームに引っかかって、おりる気がしない。絶対邪魔なのがオイルフィルター。これは外してしまおう。

フレームの中に単管パイプを貫通させてエンジンを吊る

オイルフィルターを外してみたものの、どうしてもクランクケース先端の、おそらくバランサーのあたりの出っ張りがフレームに引っかかる。これをクリアしようとするには、エンジンをもっと上に上げたいのだが、すでにヘッドカバーがすでにメインチューブに当たっている。

いや これは絶対無理だって…

エンジンを左に傾けたり、右に傾けたり、前を上げたり、後ろを上げたり。いろいろやってみたが、まったく無理。あきらめてヘッドカバーを外すことにした。

エンジンがどうしても引っかかるから、ヘッドカバーをはずした

ヘッドカバーを外すと、なんとかエンジンをフレームの呪縛から解き放つことができた。

ようやくはずれたエンジン
はずれた400エンジンと出番を待つ650エンジン

400のエンジンを用意してあった台車に下ろしてオリからどける。650のエンジンを積む前に、フレームのサビている部分をワイヤーブラシでこすり、錆を落とす。そして黒いペンキを刷毛で塗る。ついでにツヤの無くなっていたメインチューブやステアリングポスト周りも塗っておく。

錆びたフレーム

650のエンジンを搭載

翌日、650のエンジンをオリの中に入れてフレームにのせる準備をする。オイルフィルターを外す前に念のためにドレンボルトを外してみると、エンジンオイルがたっぷり入っていた。配送の段階で抜くものだと思っていたのでびっくり。

エアクリーナーボックスも外すことにした。下ろす際も外しておいた方が、イライラが少なかったかもしれない。

エンジンを下ろす際に、エンジンとフレームがどうしてもゴリってしまったので、当たりそうなところはウエスを巻いて養生しておく。昨日塗ったペンキは乾いているようだ。

エンジンがひっかかって傷がつかないように養生をしました

もしかしてと思ってやってみたが、やはりヘッドカバーを外さないとエンジンをフレームの中に収めることはできなかった。

いざ エンジン搭載!

エンジンを収める順は、2本のダウンチューブの隙間に、エンジン先端を差し込んでから、エンジンのお尻を左に回すように入れる感じ。ワイヤーで吊りながらだからできることで、こんなの人力のみでやれる人は、いるのだろうか? 次回下ろす必要が起きたら、腰上はバラしてからにしよう。

やっぱり引っかかるからヘッドカバーをはずす

フロアジャッキを当てて高さを調整して、エンジン取付ボルトを締め付けた。ヘッドカバーは400の方がキレイだったのでそちらを使うことにしよう。液体パッキンが無いので、今日は仮に被せておくだけ。

とりあえず、エンジンの載せ替えは完了した。

無事に搭載された650エンジン

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