必要書類2 -ボアアップ公認 排気量変更改造車検-

ピストンの直径を測定する 78ミリ

ボアアップしたので総排気量変更の改造申請をする話の続き。1話目はこちら。

改造申請に必要な書類は以下の通り

  1. 改造自動車届出書(第1号様式)
  2. 改造概要等説明書(第2号様式)
  3. 自動車を特定する資料
  4. 技術基準等への適合性を証する資料
  5. 保安基準適合検討書(第3号様式)
  6. 外観図
  7. 改造部分詳細図
  8. 強度検討書 動力伝達装置

前回、3の自動車を特定する資料まで説明しているので、今回は4の技術基準等への適合性を証する資料の説明。本業が忙しくて、今回はこれのみ。

技術基準等への適合性を証する資料

この書類が難しい。技術基準への適合性?

ちなみに、改造自動車審査要領の別表第3には、

「改造部分及び改造により影響を及ぼす部分について、 技術基準等に適合していることが確認できるものであること。」

と書かれている。さらに、審査事務規定の第4章 4-12-1にこう書いてある。


(1)技術基準等への適合性を証する書面 次のいずれかの書面とする。

  • ① 当該自動車又は当該装置の試験成績書(写しをもって代えることができる。) 
  • ② 同一構造を有する自動車の試験成績書(写しをもって代えることができる。) 
  • ③ 当該自動車を製作した者が発行した適合証明書 
  • ④ 協定規則に基づく認定証(写しをもって代えることができる。) 
  • ⑤ 当該自動車と変更前の自動車の比較による適合説明書
  • ⑥ 当該自動車と他の自動車の比較による適合説明書 
  • ⑦ 計算による適合説明書 
  • ⑧ 基準適合性について判断できるその他適切な書面 

今回のケースで言えば、動力伝達装置の強度が満たされていることを証する書類ということになるのだろう。ということは、⑦の計算による適合説明書として、強度を計算して証明するものになるのか? 流用だったら、⑥の当該自動車と他の自動車の比較として、他の自動車で使われているものだから当該自動車に使っても大丈夫的な内容になるのだろう。

そしてこの技術基準への適合性を証する資料の難しいところは、後述する強度検討書と内容がかぶることだ。というか黙ってると同じものになってしまう。そこで私はこうしている。(このシーズンの一人称は私でいってみる)

強度検討書は強度の検討について詳しく解説し、技術基準への適合性を証する資料は、強度検討書が大丈夫としているので技術基準に適合しているのだというように記述している。これが正解なのかどうかはわからない。

技術基準への適合を証する資料の1ページ目

まずは提出した技術基準等への適合性を証する資料の1枚目。フロントスプロケットはサンスターの「製品適合車種証明書」に書かれている「改造車の排気量よりも大きい、1000ccの車両に使用できる基準で製造している」という文言だけでOKのはずなのだが、この書類を作っていてふと思ったのだ。「ゼファー750用として作られているのに、W650に装着できるのですか?」とか言われないだろうかと。

そこで、サンスターのHPにある、適合車種検索のページから、ゼファー750とW650が同一製品の適合車種だとわかるページを探し出し、そのスクリーンショットを添付した。

W650とゼファー750が同一部品の適合車種だとわかるサンスターのウェブページ

ドライブチェーンは江沼チェンが1200ccまでを適用車両としている証明書を添付しているので技術基準に適合しているということだ。次に2枚目。

技術基準への適合を証する資料の2ページ目

このリヤスプロケットに関しては、少々頭を悩ませた。というのも、このスプロケットは、トライアンフボンネビルT120(現在Wに装着しているリヤホイール)のスプロケットキャリヤに合わせて作っていただいたものだ。よって、XAMの強度証明書では、「ボンネビルT120の動力伝達装置として適合している」となっている。

810ccにボアアップしたといっても、ボンネビルT120より馬力があるはずも無かろうが、それを説明(証明)しなければならない。シャーシーダイナモで馬力を測定すれば簡単に証明できるだろうが、めんどくさいのでできれば避けたい。

ボンネビルT120は80PS。W650は50PS。排気量を3割ほどあげて、仮にそのまま馬力もあがったとしても、65馬力以下だって考えても無理がないでしょ? ということを、技術基準への適合を証する感じの言葉にするにはどうすればいい?

「無理がない」で検索してみる。

すると「合理的」ということばが出てきた。

いいね 合理的  ということで、

「ボンネビルT120は改造車(W810)の出力を超えていると考えて合理的であり、改造車に使用したリヤスプロケットは強度に問題は無く技術基準の適合性の確認がとれる」

となったわけだ。我ながらいい文章だ。

つづく

光軸を調整する -ドラムからディスクの改造車検-

改造車検合格祝いのオムライス

改造申請のライン検査でヘッドライトの光軸が不合格だった話の続き。

ラインの最後にある検査員マスターの小屋で、どれだけズレているのか教えてもらった。

「右に40センチずれてる」

「よっ 40センチですか!?」

40センチって、ライトあさってのほう向いてるじゃん。一瞬意味がわからなかったが、はたと思いつく。ヘッドライトの光軸は10メートル先の照射ポイントが決められている。道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.10.24】〈第一節〉第 42 条(前照灯等)

「10メートル先で40センチってことですよね?」

「そう」

「分かりました。ありがとうございます」

そう言って検査ラインのある建物を出る。

さあどうしよう 以前お世話になったヨビケンはここから少し離れている。近くにも予備検査場はあるようだが、あまりよくわかっていない。いや、まったく知らない。

もたもたしていたら、検査時間が終わってしまう。自分でやろう。WをD棟のさらに奥の建物の外壁に正対させセンタースタンドをかける。冬の始め(8ヶ月近く前の話で申し訳ない)、4ラウンドの終わり近い時間ともなれば、天気が良くても日陰側の外壁ならヘッドライトがどこを照らしているかはっきりわかる。

壁まで何メートルか歩測する。歩測は得意だ。気負わず歩いた歩数の3分の2がメートルだ。

7.5歩。ということは、ちょうど5メートル。10メートルで40センチだから5メートルで20センチ。これは多分算数。いや、初期の数学か?

いやしかし、これ、ヘッドライトのボルトを緩めたら、ハンドルの向き変わるよな。

ベイツタイプのライトだから、光軸調整用のビスなど存在しない。やっていることのあまりの儚さに、気持ちがふわふわっとなり、光軸の移動の目標点を定めぬままにボルトを緩めようとする。

いかん!

気を取り直し、前輪に舵角がついてないことを確認して光軸の移動の目標点を定める。ボルトを緩め、ヘッドライトの明かりの一番明るい点を目標点へ移動する。ボルトを締め付けて終わり。


もはや閉店を思わせる誰もいない検査ラインにWをそろそろと進入させると、物陰から検査員さん。ヘッドライトの再検査を告げると、われわれをラインの先へ促す。

すべての検査機器をぶっちぎって光軸検査場所に到着。前輪をはさまれて動けなくなったWの前にテスターが出てきて、何かを探すように上下左右にカクカク動く。

電光掲示板に〇の文字。

「誰が直したんですか?」

と検査員さん。自分ですよと答えると、

「バッチリですよ 上手いですねー」

とのこと。いやー、よかったよかった。

このあと隣の計測ラインで車体寸法や重量を計測。 前回より10キロ多い190キロだった。これはリアタイヤが太くなっただけでなく、リムが鉄になったことが大きい。

しかし、スイングアームは軽くなっているだろうし、リア周りだけで10キロ増とは考えにくい。おそらく前回の車検の時はガソリンが満タンでなかったのではないだろうか。今日はちゃんと満タンにしてきた。

写真撮影を終えて、ラインでの作業は終了。返してもらった書類を持ってC棟へ戻る。

もう手続きしてくれないのではないかと思わせるほどの業務終了感を漂わせた窓口を三つほど渡り歩き、新しいナンバープレートをゲットできた。

新しいナンバーがついた

ナンバーをつけ終えた時は、もう12月の夕暮れ。いやぁ、長い一日だった。

もうすっかり夕暮れの湘南自動車検査事務所

だった? 仮ナンバー返しに行かなくちゃ!

仮ナンバーを返して自宅に帰ると、かみさんが改造車検合格祝いのオムライスでサプライズ。

改造車検合格祝いのオムライス

 

ありがとう!

書類から検査ラインへ -ドラムからディスクの改造車検-

手数料納付書

検査事務所に到着。検査時間の最後のコマなので、もはや閑散としている。D棟に入って書類をもらい、印紙を買う。改造車検だし、いろいろなサイズが変わっている(このフレームの元車から)から、構造変更検査になりそうだが、中古新規になるそうだ。車体寸法や重量は今日の検査で確定するとのこと。

書類に必要事項を記入して窓口に提出すると、収入印紙の貼る位置が違うと直される。収入印紙を剥がすのに濡れたスポンジで申請書がびしょびしょだ。D棟にあった見本の通りに貼ったつもりなのに、どういうことだ?

手数料納付書

後々のためにそんな申請書たちを写真に撮っておく。メーターの調整のことを調べようかなとも思ったが、時間もないので検査ラインへ向かうことにした。

自動車検査票1

検査ラインの一番左端二輪用のレーンの入り口にWを進める。誰もいなかったが、すぐに奥から検査員のお兄さんがやってきた。検査員さんに書類を渡す。心の中で「改造申請ですよ」と言う。まずは灯火類のチェック。言われた通りにブレーキをかけたり、ウインカーを出したりする。Eマークを確認しているのか検査員さんはリアウインカーに顔を近づけている。俺には老眼で見えなかった。

「ライン、一人でいけますかぁ?」

と検査員さん。

「排ガスないから大丈夫かなぁ・・・」

と、ややグレーな反応に

「はい、では一緒に行きましょう。ゆっくり前に進んでください。」

決断早いのね Wをそろそろと前へ進める。

「スピードの検出はどっちですか?」

「後輪です」

「では、前輪をこのローラーにのせてください」

前輪のブレーキ、後輪のブレーキを合格し、続いて問題のスピードメーターだ。(ちょっとこの順番があっているかは微妙。前回の車検の記事を読むと、前輪ブレーキ・スピードメーター・後輪ブレーキとなっていた)

ローラーが回って後輪が回され、スピードメーターの数字が徐々に上がっていく。目指すは44キロだ。(目標が44キロの理由がわからない方は、前記事をどうぞ)

ところが、まだ30キロに到達したばかりなのに、ローラーの回転音が随分と大きくなってきた。傍らにいる検査員さんの気配からも、違和感がひしひしと伝わってくる。40キロを指したところで我慢できずにフットスイッチを離す。ほどなく前方の掲示板に×が表示された。

「あれぇ 不合格ですねぇ もう一度やってみましょう スピードはここに表示されるんですね」

検査員さんがベローナのスピード表示部を見る。 やばい 表示と違う位置でフットスイッチを解放するのを見られてしまうではないか・・・

それにしても、さっきのローラーの回転音は、絶対40キロを超えていた。過去3回の(2回だったかなぁ?)のここでの車検の記憶では、こんなにローラーは回転していなかった。ということは、スピードメーターは、高めに表示されているのではなく、低めに表示されているということか?

頭の中でぐるぐる思考している間に、2回目のスピードメーター検査が始まった。だんだんだんだんローラーの回転が高まっていく。

メーターの表示が35キロを超えたあたりで、検査員さんの

いや、これは書かないでおこう。スピードメーターの検査は合格。

次はヘッドライトの光軸検査。これは時間があったら予備検査場に行こうと思っていたのに、朝からのドタバタで(前記事参照)そんな時間はまったくなかった。

前輪を挟まれて動けなくなったWの前にアナライザーが出てくる。右に左に上に下に。動き回って出た答えが× おいおい 一難去ってまた一難かい

「あそこでどれだけ違ったか訊いて直したらまたきてください」

とラインのエンドにある小屋を指さす検査員さん。

ラインを出たところにWをとめ、小屋に向かう。

「すいません 光軸検査だめでした」

「ああ 40センチ違ったね」

「よっ 40センチですか?」Σ(・□・;)

つづく

検査ライン