点火時期でノッキング対策
810ccになったうちのダブたん。それ以前より燃調を濃くはしてみたが、低回転からのアクセルワイドオープンでノッキングがひどい。まずは、デフォルト設定だったウオタニの点火時期を調整してみる。
高圧縮になってノッキングが出る場合は、点火時期を遅らせると良いらしい。一気にマックス遅らせてみる。ウオタニ的には「5」という設定だ。点火時期はクランクシャフトの回転角で10度遅らせる。高圧縮にチューニングされたエンジン向けとなっている。走らせてみる。
ウオタニ 遅角最大 設定5
おー だいぶ違う でも消しきれていない。ここから、キャブセッティングで対応していく。1/4開度でのノッキングなので、スロージェットを濃い方向に換えていこう。
ジェッティングでのノッキング対策
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
ボアアップ後 | 1 | 62 | 5178 | 3 | 135 |
変更1 | 1 | 65 | 5178 | 3 | 135 |
ノッキングはだいぶ良くなった。アクセルを開ける気がする。ただそうなると更に開けたくなるので、ノッキングが出る。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更2 | 1 | 65 | 5177 | 2 | 135 |
少しだけよくなった気がする。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更3 | 1 | 65 | 5176 | 2 | 135 |
微妙にさらに良くなったが、排気がガソリン臭くなった。信号待ちで、後ろに停まったやつがくしゃみしている。ちょっと濃いか・・・
蛇足かもしれないが、ジェットニードルを一番手細くすると、テーパーの始まりがクリップ1段分早いので、クリップ段数的にも濃くなる。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更4 | 1 | 65 | 5177 | 4 | 135 |
ガス臭いのでジェットニードルは1番手戻し、「Mノズル ノッキング」で検索したまめしばさんのブログにあった、クリップ段数での調整を参考にクリップ段数を変える。 劇的にいい! 開ける気がしてきた。ただ、1/4パーシャルで妙な脈動がある。無視してそのまま走ると、かぶった感じになってくる。
クリップ段数を下げて、中開度を濃くしたことによってノッキングが改善(まだ少し気になるけど)したということは、1/4開度でのノッキングと思っていたが、1/2開度だったということのようだ。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更5 | 1 | 65 | 5177 | 5 | 135 |
さらに良くなった。ラフのアクセルオープンでもノッキングしない。ただ、パーシャル(開度はやはり1/4程度)がおかしい。高速コーナーをパーシャルで抜けようとして、転けそうになった。言い過ぎだけど。
検索すると、CRは低開度のパーシャルでかぶるらしい。レース用キャブレターだから、そんなのは眼中ないとか。 いやいや、サーキットだって、パーシャル状態あるでしょ? スペンサーじゃないんだから(古)
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更6 | 1 | 60 | 5177 | 6 | 135 |
パーシャルの異常は和らぐ。とは言え、気持ちよく走れない。パーシャル状態が3秒続くと、ボベッ ボベッ と言い出す。開ければ回転は上がっていく。
通勤時、パーシャルが長く続いてしまう横浜新道では、開けて閉じてを繰り返す。ツーリングなんて絶対無理。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更7 | 1 | 60 | 5178 | 7 | 135 |
さらなるパーシャル異常を解決しようと、JNを太めた。クリップ段数を下げて、テーパーの開始位置はほとんど変わらない。ただ、これといった変化は無い。
ウオタニを導入したのに、やっていなかったプラグギャップの拡大をやってみた。変化は感じられなかった。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更8 | 1 | 58 | 5178 | 7 | 135 |
1/10ぐらいなら問題なし1/8~1/4パーシャルはぼべる。史上最悪な気もする。ただ、加速さえしてればノッキングもほぼ気にならず快適。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更9 | 1 | 58 | 5180 | 7 | 135 |
たいして変わった気はしない。810化後、初めて3/4開してみたが、ボッ ボッ ボッ ってなる。濃いか?
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更10 | 1 | 58 | 5180 | 7 | 120 |
↑を受けてMJをしぼる。1/4パーシャルの不安定はあるも、だいぶ走りやすくなった。MJは少なからず低開度にも影響があるということだろう。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更11 | 1 | 55 | 5181 | 7 | 120 |
1/4パーシャルの不安定は、ほぼ消えた。普通に走れる。まあちょっとノッキングはある。チリチリチリって感じ。これも、回転の上昇に合わせてアクセルを開けてあげれば発生しない。
そもそも強制開閉のキャブレターは、エンジンの状態に最適なアクセル開度をコントロールすることがライダーの使命であり魅力。言ってみれば醍醐味だと思う。
それはわかっているのだが、Mノズルの低回転からのガバ開けについてくる気持ちよさを知った今、このラフなコントロールは捨てられないのだ。CRに本来求めるべきではないのかもしれないと思いつつ、これをCRで実現したいと強く思う。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更12 | 1 | 55 | 5180 | 7 | 120 |
ノッキングつぶしにジェットニードルを1段濃いめにする。1/4パーシャルの不安定さが、すぐに顔を出した。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更13 | 1 | 52 | 5180 | 7 | 120 |
1/4パーシャルの不安定さは減ったが、変更11のセッティングの方が安定していた気がする。 ノッキングはチリチリしている。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更14 | 1 | 52 | 5179 | 7 | 120 |
1/4パーシャル不安定。 ノッキングは小さい。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更15 | 1 | 50 | 5179 | 7 | 120 |
1/4パーシャルはだいぶよく、ノッキングも小さいが、今までのベストではない。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更16 | 1 | 50 | 5179 | 5 | 120 |
変化無し
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
変更17 | 1 | 50 | 5179 | 3 | 120 |
1/4パーシャルは安定するも、ノッキングが出る。
さて、ここまでやってきたが、ノッキングを出さないようにするとパーシャルが安定せず、パーシャルを安定させるとノッキングは出るということから、抜け出すことはできなかった。どうしても、どちらか出るか、中途半端かだ。
やはりボアアップによる高圧縮比をなんとかしないとダメなんだろうか?
ノッキングやパーシャルでの異常をネットで検索していて、あるブログの記事を発見した。CRキャブレターに、パイロットスクリューを増設するというのだ。
プロヘッドモーターファクトリーさんのブログのパイロットスクリューの話
こちらのブログを読んでいただければわかるが、要約してみる。
CRキャブレターには、スロー系がスローポートしか存在しない。スロットルバルブ全閉時はスローポートの位置から、吸入負圧が不足するので、スロージェットを大きくせざるをえない。スロットルバルブが開くと、吸入負圧が大きくなり、スロージェットから多すぎる燃料が供給される。これが低開度での燃調を濃くしてしまう原因であり、パイロットスクリューを増設してアイドルポートをつくることで、それを是正できると。
よくよく読むとこの加工、故まめしばさんから引き継いでいるとある。本家のブログにも行ってみる。
忘れていたが、確かに読んだことがある。これでパーシャル異常が解決できるのなら・・・
会社の二輪部員、S君に相談してみた。彼は以前、SRにCRを入れていたり、近々BMW R100RSにCRを導入しようとしている、生粋のCRマニアだ(FCRに浮気もしてたが)。
行動が速い彼は、すぐにそのショップに電話をして相談した。すると、シングル用のCRには、この加工はできない可能性が高いとのことだった。まだ現物がないので確かなことはわからないが、BMW R100RSは水平対向なのでキャブレターはシングル用となる。
そしてもうひとつ、今キャブレターを送ってくれれば、年内中に加工が終わるかもしれないとのことだった。
よし パイロットスクリュー増設加工に出そう