フェンダーは必要か?
倒立フォーク化は、ほぼ完成した。なぜ、「ほぼ」かというと、フロントフェンダーがついていないからだ。フォークはZX6Rのものだから、それ用を手に入れれば、あっけなく完成するかもしれない。しかし、我がWに装着したZX6Rの年式のフロントフェンダーは、インナーチューブを保護する部分のボリュームがかなりでかいのだ。これは我がWの全体的なイメージにはそぐわない。
雨の日は基本的には走らない。だからフロントフェンダーなんて無くてもいいと思っていたのだが、晴れていても案外路面に水はある。それは車が出すエアコンの結露水。信号待ちで小さな水たまりができる。それを気づかず乗り入れると、Wのフロントタイヤにまとわりつく水。
その水は遠心力に負けてフロントタイヤから引き剥がされ、大部分はWのエンジンを微少ながら冷やす。そいつらより少しだけがんばったやつが、ヘッドライトの前方の空中に放り出される。
そいつは、やがて勢いを失い、後方へと軌道を変える。そして必ずと言っていい確率で俺の顔面にヒットするのだ。
これがウザイ
「早くフェンダーをつけないと」 と思う瞬間だ。
どんなフェンダーにする?
どんなフェンダーにしたいかと言うと、やはりショート。他車流用で、いいのがないかヤフオクで検索の日々が続く。
前々から気になっていた、カーボンもいいなと思っている時にみつけたのが、ネクスレイのフェンダー。GB350やZ650RS用があり、なかなかかっこいい。ただし値段もそこそこする。どうせ取付金具は使えないし、カーボンで自分で作るのもいいなって気になってくる。
でもなぁ フェンダーみたいな形は、ごまかし効かないよなぁ
「カーボン 自作」で検索してみる。なんちゃってカーボンで、元の製品にカーボンクロスを1枚貼り付ける方法があるのを知る。FRP資材販売サイトで紹介していたのは、車のボンネットをなんちゃってカーボンにする過程。なるほど それもありだな とも思う。
フェンダーの自作
ということで汎用のフェンダーを入手。これを自分の好みの形に切ってあぶって曲げて加工する。
![既製のフェンダーを切ってあぶって曲げて、型にする](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/motofender.jpg)
取付金具とつながる部分は、パテを盛って、上部が平らな山を作る。くるむのはやめて雄型にすることにしたので、この山のエッジが出せるのか、ちょっと疑念あり。
![完成した雄型フェンダー](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/torituke.jpg)
![取付金具を受ける部分を平面にする](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/edge.jpg)
カーボンクロスなどの材料は、なんちゃってカーボンボンネットを紹介していた販売サイトで購入した。見た目がカーボンカーボンする、綾折りというやつにした。離型剤は、スーパーで買った洗濯糊。専用の物は高価だが、成分は同じらしい。
![離型剤は安い洗濯のりで代用](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/sentakunori.jpg)
カーボンクロスを切り出す。高いのでギリギリサイズ。端からほつれていくので、マスキングテープを貼って切ってみた。
![カーボンクロスを必要な大きさに切る](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/carbon.jpg)
1枚積層するのにどれだけの樹脂が必要なのか検索する。300g/㎡ぐらいみたいなので、それを基に樹脂を混合する。刺激的に臭い。これは怒られるやつだ。つうか体にかなり悪そう。本気のマスクが必要。
![始めの積層の準備は万端](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/sekisoujunbi.jpg)
雄型に樹脂を塗りたくったあと、カーボンクロスをのせる。はっきり言えることは、ギリギリサイズはアウト。ケチらずに少し余裕を持った方が失敗しない。
仮に紙でこのフェンダーをくるんだら、絶対しわができるだろうが、カーボンクロスは3次元曲面に、きれいに張りついた。そのためには、端のマスキングテープは剥がさなければならない。マスキングテープをはがすと、カーボンクロスの繊維を引っ張るので、うかつにやると繊維が抜けたり、乱れたりする。これが、ギリギリサイズだと良くない理由。
![直射日光で硬化を促す いいのか悪いのか・・・](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/kansou.jpg)
縁に厚みをつくる
![2層重ねたところで型からはずしたカーボンフェンダー](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/2maisekisou.jpg)
2層重ねたところで、型からはずした。3層目の縁をくるむことで、縁の厚みを出すためだ。型からはずしたら整形し、縁の裏側に厚みを出すための芯となるよう、樹脂をひたした紐をはりつける。
![縁の厚みを作るために紐で縁取る](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/hutimori.jpg)
硬化したところで、3層目の準備をする。カーボンクロスは大きめに切る。くるむのだから当然と言えば当然だが。
![3層目のカーボンクロスを準備](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/sekisoujunbi2.jpg)
くるむところまで一気にやると、失敗する予感しか無いので、縁の手前まで樹脂を含浸させることにした。くるむのは翌日にする。
2段階にした、くるみ作業だが、クロスの復元力に負けて、簡単な作業ではなかった。どうしても、くるんだクロスが、はね起きてしまうのだ。ヒートガンで硬化を促進させてはみたが、あまり効果はなかった。くるんだクロスの先端をマスキングテープでとめる。最終的には瞬間接着剤で固定してから樹脂を含浸させた。この方法が正解かもしれない。
![縁をくるんだカーボンクロスは、裏側でマスキングテープによっておさえる](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/kurumidome.jpg)
表面の平滑化
3層の積層が終わった。表面の仕上げをするために、樹脂だけを2回塗った。最後の1回はインパラの樹脂とした。インパラを使う理由はわかるが、ノンパラを使う理由はわからない。接着強度だろうか? ここから仕上げのために、耐水ペーパーで削っては樹脂を塗るを繰り返す。もう何度やったかわからない。なかなか平(曲面だが)にならず苦労した。
![仕上げのために樹脂を何度も塗り重ねる](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/siagenuri.jpg)
できあがってみると、なかなかいいんじゃないの? というでき。ツヤが出ると初めてわかるでこぼこも、なんとか抑え込めた。ただ、この先とんでもないことが待っていることに、今は気づきもしないのである。
![完成したカーボンフェンダー(クリア塗装前)](https://kawasaki-w.46surf.com/wp-content/uploads/2024/01/kansei.jpg)