鍵の一本化 -ZRX400のタンクを取りつける-

ZRXのタンクキャップとWのキー

エンジントラブルからボアアップと続き、まったく作業が進行していなかった、ZRXのタンクの流用へ向けての話 第一回目はこちら

ZRXのタンクを入手したのだが、このタンクにはタンクキャップがついていなかった。ヤフオクで検索すると、中華なタンクキャップが2000円台で出品されている。この安さは魅力的ではあるが、なんとなくメッキのキラメキが、現物を見るとチープだったりしそうなのと、鍵を1本化するのは怪しそうなので、純正のタンクキャップを購入することにした。ここで問題。

鍵を1本化するには、メインスイッチ、タンクキャップのキーシリンダー、シートロック、必要ならヘルメットホルダーが揃ったキーセットを買わなければならない。これが高い。4万円近くする。ヤフオクだと新品で3万円強。これは今回のカスタムで、大きな意味を持たないくせに高額なものだ。

しかも、ZRXのタンクキャップのキーシリンダーが含まれたキーセットのメインスイッチが、Wに合うかがわからない。メインスイッチはハンドルロックを兼ねているので、ここが違うとめんどくさい事になる。

いろいろ調べたところ、ZRXのメインスイッチとWのそれは、年代が同じようなネイキッドということもあって、まあまあ同じような形状に見える。これで勝負して、小加工ならよしとしてもいいかもしれない。

そう思っていたのだが、ふと思いついた。鍵を1本化する小細工している人はいないかと。検索してみると、いたいた。キーシリンダーをバラして、別の鍵であけられるようにしている人達が。先人たちよありがとう。

キーシリンダーの構造

先人たちのブログでキーシリンダーの構造を知ることができた。その構造を簡単に説明する。キーシリンダーは、その名の通り、筒状だ。この筒を回転することによって、解錠したり施錠している。今仮に、キーには鍵という機能はなく、ただ回転させるだけだとして、鍵特有のギザギザの無いものだとする。ただ、先端の角を落として、三角になっているとする。そこに鍵の機能を持たせてみよう。

まず筒に、回転を抑制する鉄片を備える。鉄片は筒の軸に垂直、つまり筒を輪切りにした断面にある。ここからはその断面の円を机の上に置いた紙に書いてあると想像してもらいたい。

鉄片は、その円の左右を半径の半分まで無くした形をしている。鉄片は上下に動くことができ、その距離は円の直径の20%ほどはみ出るぐらいだ。通常時はスプリングの力で下に最大はみ出たところで固定される。

キーシリンダーが納まっている穴側は、このはみ出た鉄片分だけの溝が掘られている。キーシリンダーを回転させようとしても、穴側の溝に鉄片が引っ掛かって動かない。これが鍵のかかった状態だ。

鍵をあける仕組み

紙に書いた断面図に戻る。鉄片には、差し込んだキーを受け入れる、鍵の断面と同じ大きさ(ある程度のクリアランスはあるだろう)の縦長の矩形の穴があいている。キーを差し込んでみよう。キーはシリンダーの中心に差し込まれる。矩形の穴は、下方に偏心しているので、キーが差し込まれると、キーの先端の三角のテーパーによって鉄片は上方に移動を開始する。三角が終わって、キーの幅が一定になると、鉄片の移動は止まる。この時の鉄片はシリンダーから上方にはみ出ており、穴側には上方にはみ出た鉄片を受け入れる溝が掘られている。

キーが最後まで差し込まれた。解錠しようとキーを回転させようとするも、上方に移動した鉄片が、穴の上方に掘られた溝に引っ掛かって回転しない。

ここでキーの鉄片と同じ位置を、鉄片がシリンダーの上にも下にもはみ出さない位置になれるように、切り欠いてみる。キーの抜き差しで鉄片がスムーズに動けるように、切り欠き位置まで斜めにカットするのは先端と同様。

鉄片がはみ出さなくなったことによって、シリンダーが回転するようになった。つまり、鍵が開いたというわけ。この鉄片がいくつもあるから、キーはギザギザしているのである。

キーシリンダー内の改造

鍵の1本化の実現には、この鉄片を数種類持っていれば容易そうなのがわかった。いま使っているキーで開く、使われていないキーシリンダー。実はそれがある。ヘルメットホルダーだ。

Wのヘルメットホルダーはシートレールを下から支えるフレームについている。しかし我がWのそれは、ZRX1100のスイングアームに換装した時に、ウインカーステーなどと一緒に、すっかり切り取ってしまったのだ。そのヘルメットホルダーから、キーシリンダーを取り出してみた。

使えるといいな。

タンクキャップなどと一緒に、タンクキャップキーシリンダーを購入した。手持ちのキーより、グレードが高い。こちらにあわせるのもありか? とも思ったが、メインスイッチをいじるのはめんどくさそうなので、元のキーにタンクキャップキーシリンダーをあわせることにする。

キーシリンダーの加工

これがキーシリンダー単体。

ZRXのキーシリンダー キーを差し込まないと、鉄片がすべて右に出ている

回転止めの鉄片、 鉄片と言ってもおそらく 真鍮なのだが鉄片と呼ぶ。このキーシリンダーには鉄片が5つあり、キーを差し込んでいない時は、すべて右に出ている。6つあるように見えるが、いちばん上は、キーシリンダーを固定するためのもの。付属のキーを差し込んでみる。

ZRXのキーシリンダーに付属のキーを差し込んだ状態 鉄片がすべて収まっている

すべての鉄片が収まっている。これでキーシリンダーが回転できるようになったわけだ。続いて今使っているWのキーを差し込んでみる。

Wのキーを差し込んだキーシリンダー 鉄片が左右に飛び出ている

3番目と4番目は解錠できる位置に収まっている。1、2、5番の鉄片の加工をすれば W のキーで解錠できるようになるわけだ。鉄片は、1番は右、2番と5番は左にはみ出ている。キーは鉄片を左に押すので右に出ているということは 押しきれていない状態、 左に出ているということは 押しすぎている状態だということがわかる。

押しすぎている鉄片は削れば良い。押しきれてない状態が問題。鉄片は 肉盛りすることはできず、削ることしかできない。キーを差し込みきった時に全ての鉄片が 押しすぎている状態にすれば、削る加工だけでキーを解錠できるようになるというわけだ。

ここで仮に、解錠できる鉄片の位置を0とする。右にも左にも出っ張っていない状態だ。キーを差し込む前の鉄片の位置を-3とする。鉄片とキーにはそれぞれ鉄片を左に動かす力を持っている。鍵山が高い部分は移動力が大きく、低い部分は小さい。それぞれ3と1とする。

対して鉄片は、キーが入る穴が右に寄っていれば移動力が大きく、左に寄れば小さくなる。それぞれ3と1とする。キーを差し込んだことによって鉄片が移動する位置は以下の式で表される。

左に押しきれていない1番は、鍵山も鉄片も移動力が1だった。-3 + 1 + 1 = -1 となり、鉄片は0の位置に到達できない訳だ。

2番と5番の鍵山を見ると、5番は2ぐらいの移動力を持ってそうだ。仮に2だったとして、1番の鉄片と交換すると、-3 + 2 + 1 = 0 となる。1番は、5番の鉄片を使い、-3 + 1 + 2 = 0 になるのではないかと思われる。やってみる。

1番と5番は入れ替えるだけで解錠位置に収まった

思った通り、1番と5番は0の位置に収まった。加工は2番だけで済む。先の細い鉄ヤスリを使って、鉄片の穴の左側を削り、鉄片の収まり具合を確認しながら移動力を下げる。

キーシリンダー内の鉄片

すべての鉄片が0の位置に収まった。

Wのキーで解錠できるようになったキーシリンダー

新品キーシリンダーを、今まで使っていたキーで開くようになったので、タンクキャップに装着した。

Wのキーで解錠できるようになったZRXのタンクキャップ

これで鍵の一本化は成功した。

電装ボックスを作る その1-ZRX400のタンクを取りつける-

電装ボックス内のバッテリーの位置

燃料タンクをZRX400(ZRXと書いただけで、それは400を意味するらしいが、あえてZRX400とする。ちなみに手に入れたタンクはZRXⅡのもの)のものに換装するに伴い、見た目が重いサイドカバーとエアクリーナーボックスをとっぱらってパワーフィルター化することにした。エアクリーナーボックスは電装ボックスの一部分なので、新たな電装ボックスを作らなければならない。 最初の話はこちら

電装ボックスの条件

電装ボックスの形や大きさに、もっとも影響してくるのがパワーフィルターだ。詳しくはパワーフィルター化の記事で書くつもりだが、単純にパワーフィルターをつけるのではなく、サイレンサー風エアインテークにするつもり。そうなると、電装ボックスのスペースはかなり限定されてくる。

Wのエアクリーナーボックスと電装ボックスは、側面から見ると、メインチューブと上下のシートレールで囲まれた逆三角形の中にある。エアクリーナーボックスは三角形の前半分、電装ボックスは後ろ半分といった感じだ。この逆三角形の上半分にサイレンサー風エアインテークを配置しようと考えている。ちなみになんでサイレンサー風エアインテークかというと、停車時のホコリ対策だったり、ブローバイガスの処理対策だったりするのだが、いちばんはかっこよさからだ。

さて、上半分を奪われた電装ボックスの行き場は、そのエアインテークの間の7センチぐらいだ。とてもじゃないがそこにバッテリーは収まらない。なにか方法が無いかと検索してみると、リチウムバッテリーというのがあるらしい。同性能なら、小さくなる上にずいぶんと軽くもなるとのこと。今回のカスタムを実現するためには、リチウム化は避けられないだろう。ああ金がかかる

リチウムバッテリーを紙で作りサイズを比較

電装ボックスをどんな風に作るかを考えるためには、どれほどの電装部品があるのかを把握しなければならない。とにかくばらしてみることにした。

電装部品の配置

電装部品は、バッテリー、イグナイター、スターターリレー、ウインカーリレー、ヒューズボックス、そして変なところに隠されている2個のリレーが主なところ。このうちスターターリレーとウインカーリレーは、1枚の鉄板に取り付けられていて、その鉄板とイグナイターが2本のボルトで共締めされている。この構成は生かして、部品のコンパクトな配置を実現したい。

そうなると、電装ボックスの形状を決めるのは、イグナイターとバッテリーの配置ということになる。部屋に鎮座しているW400のフレームのメインチューブと上下のシートレールが作り出す三角形の中で、イグナイターとバッテリーの大きさに作った紙の箱を、あーでもないこーでもないと、置き場所を検討する。

酒呑ながらやってたら寝てしまった( ̄▽ ̄;)

7センチの厚みの中にすべて収めるつもりだったが、なかなか厳しかったので、三角形の後方にバッテリーを進行方向に正対させておくことにした。バッテリーの幅分は電装ボックスの後方が広がってしまうが、サイレンサー風エアインテークはなんとか収まりそうだ。

電装ボックス内のバッテリーの位置

電装ボックスの製作

この配置の電装ボックスを工作用紙で作ってみた。

型紙完成 PET板にけがいていく

1個目は後ろ下がりになりそうだったので、じゃっかん修正を加えて2個目を作る。問題なさそうなので、そいつを型紙にして、3ミリ厚のPET板を切り出した。切断面にヤスリをかけてきれいにする。

PET板の切り出し

ここで、形状のまずい部分を発見した。電装ボックスはアルミのアングルで骨格を作り、それをPET板でくるむ構造にしようとしている。後方の広がりがない単なる直方体なら、切断しただけのアングルを組み合わせればできる。後方が広がると言うことは、角が直角ではなく鈍角にしなければならないが、アングルなのでそれはできない。なので電装ボックスの側面は、一度直角に曲がったあと、アングルの幅分を超えたところから後方へ向け広がりを始める。そして後方の角も同様に、アングルの幅分、車両の中心軸と平行な部分がある。かなり鈍角なクランク形状だ。

1個目の型紙では、そのクランクが作られていたのに、2個目はなぜだか、後方への広がりの斜めのラインが、そのまま角にすりついていた。これではアングルが入らない。またか・・・ まあよくやるタイプのミスだ。くじけず3個目の型紙を作る。

3個目の型紙を元にPET板を切断。切断面の研磨と、糸面取りを施して、初めに切り出した板の仕上がりを超える。やり直しはこれが大事。モチベもあがる。

続いてこいつをヒートガンで熱して曲げる。これはシートを製作した時以来、結構得意。大切なのは、曲げたい所だけに熱を与えることかな。

PET板をヒートガンで曲げる

曲げ加工完成。これを基にアングルで骨組みを作っていく。手順が逆か?

PET板の曲げ加工完成

タンクを交換したい -ZRX400のタンクを取りつける-

WにZRX400のタンクを合成

現在のタンク

我がWには、WMのトラッカータイプのタンクがついている。とても気に入っているのだが、ガソリンが7リットルしか入らない。燃費は24km/lぐらいなので、120キロ走ったら、給油するようにしている。会社まで往復80キロ。3日に2回はガソリンスタンドに行かなければならない。

これはまだいい。問題は仲間とのツーリング。巡航距離が違い過ぎて、ひとりだけガソリン入れまくってるし、田舎だとガソリンスタンドの数が少ない上に、日曜はやってなかったりして、さっき開いてたスタンドまで戻るなんてことも。

もう少しガソリンが入るタンクが欲しい・・・

現状のプロフィール WMのタンク

常々そう思っていた。得意の流用になるのだが、ゼファー400のものに目星をつけている。横から見た形が今のタンクに似ているというのが理由。

このタンク交換については、ずいぶん前から考えていたのだが、リヤブレーキディスク化や、倒立フォーク化に押されて、ほったらかしになっていた。

コラージュで別車タンクを検討

実際のところ、どんな感じになるのだろう?

倒立フォーク化が完成した時の写真に、ネットで拾ったゼファー400のタンクを合成してみた。サイズはそれぞれのホイールベースを考慮したので、大きく間違ってはいないはずだ。

Wにゼファー400のタンクを合成

想像通りの結果。悪く言えば、なんとも普通。

ついでに、ちょっと気になっていた、ZRX400(ZRXといえば400を意味するようだが、あえてZRX400とする)のタンクを合成してみた。

WにZRX400のタンクを合成

あら 悪くない

ゼファーの時と違って、カスタム感がムンムンしている。よし ヤフオクを検索だ!

どうせ色は塗り替えるから、ボロいのでいいやとも思ったが、さすがに穴があきそうなのや、中が錆びてるのはちょっとかんべん。ていうか、この先ずっと使っていくわけだから、少々高くてもいいものを手に入れるべき。ようやくそう言えるようになった。

ヤフオクを検索してみたが、たま数が少ないことにおどろく。今、状態として満足できるのはみっつしかない。そのうちひとつは塗装も極上の10万円オーバー。これはさすがに無いなと、まずは1番安いものからオークションに参加する。

締め切り時間間際の入札合戦の結果、3万円近くまでなったのでリタイヤ。これが3万円は高い。次のタンクに移動。ちょうど終了時間も近づいている。

これは現在55000円で、1度入札があったが取り消されていた。状態はかなりよさそう。錆がほとんど出ていないし、大きなへこみもない。

55000円か・・・

ZRXのタンクを探し始めてまだ2~3日しかたっておらず、はたしてこれが相場なのかもわからない。ただ、待っていても出てこない感じがする。なぜだかする。

という勘を信じて入札。そして落札した。

ZRXのタンクが届く

でかいな・・・ 幅でいったら、今のタンクの倍はあるんじゃないか? 部屋に置いてあるW400のフレームにのせてみた。なんの問題もなくのりそうだ。

ZRX400のタンクをW400のフレームにのせてみた

タンクとフレームの関係を見てみると、無駄にタンク内側に空間が確保されていて、なにかが干渉する心配は無い。その変わり、前側の固定のゴムを外側に延ばす必要がある。前後と高さの位置としては問題無さそうなので、ゴム固定用のニップルを延長してあげればよいだろう。

後ろ側も、それほど難しい感じはしない。固定に関しては、問題は無いと見た。

Wにのせてみる

後日、実際にWにのせてみた。わかったのは、合成写真は少々タンクが大きかったということ。それと、ニーグリップはできないかもしれないけれど、ももでタンクをグリップできそうだということ。ももでもできれば、今とは大違いだ。

ZRX400のタンクをWにのせてみた

もうひとつ、今のサイドカバーが全体的に重さを出していること。これを機会に、パワーフィルター化も実行したい。しかしそうなると、電装系の始末もしなければならない。シートを新造する必要もあるので、これはなかなかの大工事になりそうだ。春のツーリングには絶対間に合いそうもない。

完成までの構想

タンクの再塗装

ブラックかグレー、もしくはなんちゃってカーボンも考えたが、アルミ風塗装とすることにした。

鍵の1本化

今もタンクのキーは別の鍵だから、あらためて1本化する必要もないが、どうせなら1本の方が使い勝手がいいだろう。

シートの新造

タンク後端がWとZRXでは5センチぐらい違うので、今までのシートは使えない。シートカウルタイプのシートを1から作る訳だが、表面的にはカーボンのクリア仕上げにしたい。形は別として、目指すのはNorton Dominator SS。カーボンクロスの継ぎ目を出さずに、シートカウルみたいな形状を張り込めるのか、はなはだ疑問だが、そこはなんとかがんばろう。

それにしてもNorton Dominator SSのかっこよさは尋常じゃない。今回タンクをアルミ風塗装に決めたのも、こいつに影響されているのは否定できない。

パワーフィルター化

サイドフォルムを重くさせるのはサイドカバーだが、その奥にある純正エアクリーナーボックスこそがその元凶。エアクリーナーボックスを外さなくても、CRキャブレターが外せるように苦労して作りこんだが、パワーフィルターにはかなわないだろう。いつかはやりたいと思っていたパワーフィルター化に、ついに挑戦する。

ただし、バイクテントの中に保管しているにもかかわらず、結構堆積するホコリ対策で、カバーは作るつもり。サイレンサー風エアインテークが理想。

電装ボックス新造

パワーフィルター化、更にはサイレンサー風エアインテークを目指すおかげで、相当行き場のなくなる電装系のボックスを新造する。これがいちばん、やっかいかもしれない。