ZRX400のタンクを流用する話の続き。一番始めの話はこちら。
タンク前方の固定方法の考察
ZRXのタンクをWのフレームに取りつける方法を考える。タンクの前方内側には、平板をU字に曲げ、開放部を前方に向けた物が溶接されている。そのU字を、フレームから左右に突き出た円筒形のゴムを挟むように差し入れることによって固定される。今まで乗ってきたバイクは、おおむねこの方法で固定されていた。よくあるやつだ。
Wのフレームはトップチューブが1本しかないシングルクレードル。一方ZRXはタブルクレードルなので、タンクを支える左右のゴムの間隔は、Wのそれよりもかなり広い。幸い、本質的な位置は悪くなさそうなので、アルミの丸棒でカラーを作って、その距離を埋めてあげればいいだろう。
タンク後方の固定方法の考察
ZRXのタンク後方の固定は、タンク後部に垂直に垂れた板があり、それに振動防止ゴムを介して、2本のボルトで固定されている。

当初はこれだけかと思っていたが、ZRXのパーツリストを見ていたら、タンク下面最後部の5センチほど手前に、左右にふたつの背の低い円筒形ゴムで、荷重を受けていることがわかった。前述の2本のボルトには、下方向に荷はかかっていない。
この、2本のボルトを受ける部分と、円筒形ゴムを取りつける部分を作ってあげなければならない。そのあたりが、Wのどこになるかというと、Wのトップチューブ後端についているL型の金物のあたりだ。Wは、この金物の上面にタンクを、車両後方に向いた面にエアクリーナーボックスを固定するための金物が固定されている。
上面のネジ穴を利用して円筒形ゴムを取りつける金物を、後面のネジ穴を利用してタンク固定ボルトを受ける金物を固定してあげればよさそうだが、これがなかなか悩ましく、特に後面のネジ穴とタンク固定ボルトの位置が近いせいで、複雑でトリッキーな金物を作らなければなさそうだ。
まずはベースとして、フレーム側のL型部分に覆いかぶさるように50×50×t5のLアングルを取りつける。上面と後面を、4本のボルトで固定した。これはすでに電装ボックスを新しく作った時に作ったものだ。

つまりこのLアングルは、タンクの荷重受け金物、タンクの固定金物、電装ボックスが取りついてくる重要部品となる。
第一回仮装着
ミスミに製作を依頼していた、タンク前方固定用のカラーや、カワサキに注文していたタンク固定に関わるゴム製部品が届いた。

Wにタンクを装着して、各部の干渉を確認してみる。

タンク前方固定用のカラーの長さは完璧だった。きつすぎず、ガタも無い。タンク後方荷重受け金物は6mm厚の2017の板で、両端にタンクの荷重を受ける背の低い円筒形のゴムを取りつける。

このゴムは、ZRXの純正部品だ。板自体はアルミのカラーで高さ調整している。ちょっとこのカラーと固定の位置はあまりよくない。

ハンドルをきって、フロントフォークとタンクの干渉を確認する。当たるのでタンクを後ろにずらす。この状態で、重要部品のLアングルとタンク固定ボルト部の振動防止ゴムとの距離を測る。これがタンクの前後位置を決める数値になる。
燃料コックの位置を確認してみると、ZRXはWよりも、ずいぶん前にあることがわかった。(Wよりと書いたが、Wの純正タンクのことは知らなかった。今ついているWMのタンクとの比較)おおむねシリンダーの中心だ。

背の高い燃料コックだと、シリンダーヘッドカバーと干渉するかもしれない。タンクからすぐにエルボで曲げて、直線の燃料コックにするなどの工夫が必要かもしれない。
第一回仮装着でわかったのは、前方固定カラーの位置があまり良くないということだ。1〜2センチだと思うが、検討が必要だ。室内でW400のフレームを使って、そのあたりを検証してみる。
前方固定カラーの改良
W400のフレームで、W650にタンクを装着した状態を再現して、観察してみる。タンク前方固定カラーが、タンク側の受けの奥まで届いていない。一度タンクをはずし、ひっくり返してカラーを、受け金物に当ててみる。
カラーは、タンク側の受け金物には収まってはいるが、開放側に近く、大きな衝撃を受けたら外れるかもしれない。そんな衝撃受けたら終わりな感もあるが・・・
測ってみると、20ミリ後ろにずらす必要があった。しかしこれは難しい。というのも、カラーの直径が40ミリなのだ。カラーを20ミリずらすと、フレームから出ている、カラーを受ける直径10ミリの丸棒に5ミリかかる。あと5ミリずらせればカラーと丸棒は干渉しないから、新しい固定方法を考えればよい。ただ、丸棒からずれた場所は、フレームが平らではないので、それはそれで相当悩みそうだ。
ずらす距離が12ミリなら、カラーの芯から12ミリ外側に新しい穴をあければ、丸棒を使える。カラーがエキセントリックになるから、回転止めが必要にはなるが。
いろいろ考えたが、以下のようにすることにした。
丸棒の長さより厚いアルミ板に10ミリの穴をあけ、丸棒にはめる。こうすることによって、丸棒が無い平面ができあがる。
アルミ板に、丸棒の芯から20ミリ離れたところに、M10のタップをたてて、M10のボルトをねじこみ、新しい丸棒とする。ボルトは半ネジのものを使って、カラーにかかる部分にネジがないようにする。
これで20ミリ丸棒をずらせるが、アルミ板が回転してしまう。フレームに固定しなければならないのだが、元の丸棒を中心に、直径4センチほど、高さ7ミリほど、フレームから出っ張っている。この7ミリの段差をスペーサーでもかませようとと思ったが、アルミ板を削り出すことにした。この程度の精度なら、ボール盤でも大丈夫だろうし、部品点数は少ない方がいい。
昼休みにボール盤でガリガリやって完成した前方固定金物。アルミカラーは、アルミ板の厚さ分短くした。完成した改良タンク前方固定金物。

まず、ベースのアルミ板を丸棒にはめ、フレームにあけた穴を使いボルトで固定する。

新丸棒に短くしたカラーをはめて準備完了。

タンクを取り付けてみる。ちょっとカラーを短くしすぎたか、軽い遊びがある。まあこれは、なんとかなるだろう。

