Mノズルとセッティング -W650にMノズル装着-

W650のエンジン

Mノズルを装着してから悩まされていたアフターファイヤーが、結局2次エアだったということがわかった話の続き。

インシュレーターを交換したときのセッティングはこちら。

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スロージェットは、結局Mノズル装着前と変わらないものとなった。ただ、低開度の薄い感じ(爆発感の弱さ)を解消するためにJNを変更してみる。

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感じは悪くないが、低開度のツキがまだ少し悪い。 そして、1/4~1/2ぐらいのぼこつき(開を丁寧にすればさけられる)がある。SJ55でJN5179を試したい。

ここまでがMノズル装着の第一段階と言えるだろう。ここまで来るとだいぶ慣れてしまったが、低回転からのアクセルオープンに対するエンジンのつきが、Mノズル無しには戻れないと思わせる。ただし、その代償と言えるのが燃費。Mノズル無しの時は25km/Lだったが、22km/Lになってしまった。

そして時は過ぎ・・・

梅雨が例年より早くあけた2022夏。バイク通勤を再開した6月の末。セッティングは以前のまま家を出る。蒸し暑い(-_-;) うう スロットル開度1/2以上が吹け上がらない。季節でこれほど変わるのか。これはリセッティングが必要だ。

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メインジェットとジェットニードルを替えた。ちなみに51系のジェットニードルは、1番手替えて同じクリップ段数なら、元のジェットニードルのクリップ段数から1段変えたのと同じことになる。5178から5179への変更は、ニードルが太くなってガソリンが薄くなり、クリップ段数を1段上げたのとほぼ等価でガソリンが薄くなる。

1/2開度でもたつき、それより上は吹け上がらない状態。さらにメインジェットをしぼってみる。

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1/2付近にかすかなよどみがある。 これがなくなれば相当気持ちよく開けられそう。そこでさらにメインジェットをしぼってみる。

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うかつに開けると、1/2付近でよどみがあるのは変わらない。うかつに開けなければ問題ない。強制開閉キャブレターは、キャブレターと相談しながら開けるもんだと考えれば、これで良しなのかもしれない。ただ、1/8での妙な脈動をなくすことを突き詰めるとすると、スロットルバルブカッタウェイの変更も、考えなければいけないのかもしれない。

ちなみにこの段階での燃費は24km/L。燃費はおもにスロージェットかと思っていたが、どうやらメインジェットだったんだなという感じ。

インシュレーターと燃料コック交換 -W650にMノズル装着-

左右のスロットルバルブの高さが違う

バックミラーに回転する赤色灯を発見。スロットルを緩め、一気に制限速度までスピードを落とす。

帰り道にアイドリングが下がらなくなった話の続き。

走行車線を制限速度で走っていると、後ろについた覆面パトカーは、諦めたのか赤色灯をしまった。

まじ やばかった

その後は高まるエンジンの回転をなだめつつ帰宅。2次エア対策の部品を注文する。それは

  1. 負圧式でない燃料コック
  2. インシュレーター

負圧式燃料コックは閉め忘れがないから気に入っていたけれども、そのシステムの中でエア漏れが起こらないとは限らない。その可能性をなくすために、ここで負圧システムは一切退場していただこう。

インシュレーターは悪くなってはいないと思っているが、もしかしたらっていうこともあるので、新しくしよう。

数日後

エアクリーナーボックスを外してキャブレターを取り外すと、とんでもない事になっていた。スロットルバルブの高さが左右で違う。

左右のスロットルバルブの高さが違う
左ほどではないけれど開いているスロットルバルブ
スロットル全閉なはずなのに、これだけ開いてるスロットルバルブ

アイドリングが高くなったのは、これが原因だ。トップの蓋をばらすと、スロットルバルブの高さを調整するビスとナットが緩んでいた。ビスは小さいマイナスドライバーを使わざるを得ず、トルク不足になってしまったのだろう。最悪・・・ 自己嫌悪。 高さを合わせて、きっちり締めておいた。

負圧の取り出し口は、もともと使っておらず、樹脂製のキャップで塞いでいたニップルは取り外し、ビスで塞いだ。もう一組はホースでつないだ。多気筒のインテークマニホールドは気筒間をつなぐといいと、なにかで読んだことがある。

インマニを結ぶホースとダメ穴をふさいだビス

インシュレーターの交換

インシュレーターを取り替えてびっくり。キャブレターの芯がエアクリーナーボックスの開口の芯が、ぴったりとあっている。普通はそれが当たり前なのだが、我がWはキャブレターの方が1センチは下がっていて、自作のキャブレターハンガーで吊っているのだ。

なぜこうなっているかというと、このエンジンとキャブレターは、ヤフオクで同一車両から別々で出品されていたものを頑張って両方を落札したものなのだ。キャブレターにはパワーフィルターも付いていたから、インシュレーターはその重さを全て受け止めていたのだろう。

さらに、取り替えてみてわかったのが、いつのまにやらインシュレーターとキャブレターの勘合が、がばがばになっていたこと。長年かけてへの字に垂れたインシュレーターを、半年かけて引き上げた結果、こうなったのかもしれない。新しいインシュレーターには、メインスタンドがはずれるぐらい押さないと入らない。(言い過ぎだけど)

燃料コックの交換

左がついていた負圧式の燃料コックと、右が用意した負圧式ではない燃料コック。ちなみにRZ250用の互換品。燃料タンクがWMのアルミタンクなので、元の燃料コックがどこのものかはわからない。取付ピッチが合っていて安いからこれにした。なんと1500円でお釣りがきた。

左:負圧式燃料コック 右:燃料コック

燃料コックの上に溜まったアルミのくず。こんなのキャブレターに流れ込んだらたいへんなことになる。

アルミタンクだからかアルミの切粉

なのに

オンのパイプとリザーブのパイプが新旧燃料コックで逆で、オン側のパイプの先端のフィルターが穴に入らないのだ。仕方ないがオン側なら大丈夫だろうとフィルターは無しでいくことにする。

ONとRESのパイプが逆

とりついた燃料コック。

燃料コック交換完了

エンジンをかける。

おっ! アフターファイヤーが無いぞ なんて快適なんだ♪ ちょっと軽く流してこよう

134号線を東へ。鎌高前で江ノ電と記念撮影。

鎌高前の江ノ電とW

稲村ケ崎で江の島バックに記念撮影。おじさんにWをガン見される。

稲村ケ崎からのぞむ江の島

結局、アフターファイヤーは2次エアだったという結末。Mノズルのセッティングはこれからだね。

ガス欠にアイドリング不良 -W650にMノズル装着-

プラグをチェック

Mノズルを装着して、ハザテーションはおさまったが、アイドリングでのアフターファイヤーが止まらない話の続き。

アフターファイヤーは混合気が濃くても起きるということなので、スロージェットを逆に下げてみる。

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変わった気がしない。エアスクリューを開けて、さらに薄めの方向へ持っていく。

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アイドリングのアフターファイヤーは止まった。けれども8分の一ぐらいの開度で、パンパンおさまらない・・・

出だしの力感もなくなった気がする。やっぱりこれじゃ薄いのか? スロージェットを一気に62にしてみる。

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アイドリングも、開度8分1でも、アフターファイヤーが治まった。ただし、全くなくなったわけではなく、速いブリッピングをした後にアイドリングに戻ると、アフターファイヤーが出る。

そんな状態の会社からの帰り道。いつもより随分早くリザーブに入った。ジェットを交換するたびにガソリンをロスするせいで、燃費がどれほどのものかわかっていない。

Mノズルを装着するまでの燃費は、25km/L。基本、変化のない片道40キロの通勤なので、いつも同じようなところでリザーブに入る。それが今日はずいぶん早い。いつものガソリンスタンドまで30キロあるが、残りの2L でじゅうぶんのはず。

横浜新道に入る。8分の1のスロットル開度の妙な脈動を感じながら走り続ける。

その脈動がさらに妙な感じになってきた。スロットルとエンジンが連動していない。かぶったか?

あわてて走行車線に移りギアを下げる。エンジンブレーキで高まる回転に、プラグのかぶりを飛ばそうとスロットルを開けるもついてこない。クラッチを切ってみるとエンジンが止まった。

たまたま途中の出口のすぐ前だったので、そのままオフランプへ突入。料金所の前でWを路肩にとめた。

セルを回す。 エンジンが再び動き出した。そのまま料金所を抜ける。抜けてすぐにまた止まった。

これはガス欠だ・・・

オドメーターは108km。普段だったら、ここらでリザーブに入る。かなり燃費が悪い。

ガソリンスタンドを検索してみる。それほど遠くはないが、まず一般道に出るのにそこそこの上り坂を押さなければならない。

ああ重い

なんとか坂を押し登って息を整える。ここからは逆に下り坂。車の流れを見切ってWを押し出す。途中、信号をひとつ、惰性で通り抜ける。さらに急な下り坂を降りきったら左に曲がって、ここからはだらだらとした上り坂。

なんとかガソリンスタンドに到着。汗かいた。ハイオク満タン!


そんなことがあった数日後の帰り道。アフターファイヤーが止まらなくていやになってるところに、アイドリングが下がらなくなってきた。アイドルアジャストスクリューをゆるめても変わらない。アイドリングがあがるのは2次エアの吸入が考えられる。

これはやっぱり2次エアか?

インシュレーター以外にも疑っていいところはある。我がWには、負圧の取り出し口が片側2個ずつある。ひとつは太さが合わずにキャップをかけて塞いでいるもの。もう一つは負圧式の燃料コックのためのもの。

路肩にとめて塞いでいるキャップをいじってみる。なんかひび割れてるように見えるが、老眼だからいまひとつわからない。まじかここからか? 

エンジンをかけ、だましだまし走る。もうアイドリングは2500回転ぐらいだ。信号待ちではとてもじゃないがエンジンをかけていられない。

横浜新道に入る。意味もないがちょっと回せば直るかななんて思って加速したら、後ろに覆面がついてきて赤色灯を回し始めたのがミラーに映った。 やばい・・・ スピードを一気にゆるめる。

泣きっ面にハチだ・・・

アフターファイヤーがとまらない -W650にMノズル装着-

ファクトリーまめしばのMノズル

W650にMノズル

Mノズルのシェイクダウンでわかった、アフターファイヤー、中開度のハザテーションを解決していく。

現在のセッティングは下の表の通り。

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ASはエアスクリューの全閉からの戻し回転数。SJはスロージェット。JNはジェットニードル。C段数は上からのクリップ段数。MJはメインジェット。

ちなみに上のジェット類以外の要素としては、スロットルバルブカッタウェイは3.0、エアジェットは230となっている。恐らくこれはこのまま変えないと思うので、今後のセッティング表の中には記さないでおく。それと前記事で、ジェットニードルだけ、まめしばサジェスチョン(この言葉はこちらのパタパタ日記さんからいただきました)と書いたが、メインジェットも本来は142だった。

そこでクリップ段数を変えてみる。これからの表は変えたところが水色になっている。

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先ほどよりハザテーションは弱まったが、まだ通勤に使うレベルではない。そこでさらに

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ハザテーションはあるが、探るように開ければ開けられるようにはなった。今回はエアスクリューちょっと絞ってみた。アフターファイヤーは、少しおさまった気もする。そして数日後。

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おさまったと思っていたアフターファイヤーは、思い違いのようだった。まだパンパンいってる。ただ、中開度のハザテーションはなくなった。もう少し上の3/4ぐらいから始まる。

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エアスクリューをさらに絞ってみる。走り出しのノッキング感がなくなった。ここからメインジェットとスロージェットを変えていく。

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アイドリングのアフターファイヤーは変わらないし、3/4あたりのハザテーションも変わらない。そこでさらにメインジェットを下げ、エアスクリューを絞る。

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アイドリングのアフターファイヤーは相変わらずだが、3/4のハザテーションが消えた。

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アフターファイヤーは、まわしたあとに出る感じ。ここからようやく通勤に使いだしたのだが、途中のちょっとした引っかかりはあるが、上まで回る感じだ。

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逆にエアスクリューを開けてみる。アフターファイヤーがひどい。信号待ちでパンパンいうのは、想像以上に精神的に疲れる。

月日ASSJJNC段数MJ
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ジェットニードルを下げてみた。3/4のハザテーションがなくなった。気持ちいいぐらいに更け上がっていく。ただし、アイドリングのアフターファイヤーは変わらずだ。

誰かアフターファイヤーを止めてくれ

CRキャブレターにMノズル装着

かぐや姫でも出てきそうな雰囲気

腰上の塗装が終わったのでエンジンの組み立てを始める。オーバーホールに伴うガスケット代がバカにならない話をしたが、今回はシリンダーのベースガスケットと、シリンダーヘッドガスケットを再使用した。これは、仮に漏れが発生したとしても、新品への交換が、腰下ほど大変ではないという理由から。

再利用の方法は、外したガスケットを掃除して、耐高音の液体ガスケットを使っただけ。シリンダーとシリンダーヘッドを共締めするボルトを締めると、境目からブチブチ液体ガスケットが出てきた。

ぶちぶちはみ出た液体ガスケット

話は前後するが、シリンダーの装着にはピストンリングコンプレッサーに、前回のクリアファイルから、もう少ししっかりしている、釣竿が入っていた透明のプラスチックの板を使った。これは悪くなかったが、適当に切ったため、ピストンリングの継ぎ目が弾けてしまった。きっちり作れば多分いいと思う。

ピストンリングコンプレッサー

ベベルタワーに隠されたベベルシャフトのスナップリングは、fishさんからの書き込みの前だったので、従来通りのスナップリングねじり入れスタイル。今回はスナップリングを3つ用意して立ち向かった。

苦労するベベルシャフトのスナップリング
スナップリングみっつ

組み上がったエンジン。シルバー、薄いガンメタ、ガンメタ、薄いガンメタのグラデーションがうまくいった。

腰上の再塗装が終わったエンジン
シリンダーヘッドまわりも再塗装

Mノズル

さて、今回のオーバーホールが負けっぱなしにならないために入手したのが、ファクトリーまめしば開発のMノズルだ。セッティングについて訊きたかったので、まめしばのオンラインショップから購入。(2022年8月17日現在、まめしばオンラインショップは利用休止中です。お体を悪くされたのでしょうか。心配です。)

現在のWの給排気の状態は、純正エアクリーナーボックス、イージーライダースの集合に、メーカー不明のスリップオンサイレンサー。

ジェット類は、MJ112、JN5180、クリップ4段、SJ52、AS1 ½となっている。これらを説明して、返ってきたセッティングがこちら。

MJ140、JN5177、クリップ6段、SJ58、AS1

う~ん濃い この濃くなったガソリンを燃やしきることができるのがMノズルの特徴らしい。ジェット類の手持ちがないからと言って、推奨セッティング以外で始めてはならないとブログで申されているが、ジェットニードルだけ、手持ちの5178にさせてもらって、メインジェットとスロージェットは新たに購入した。

メインノズルとジェットたち
ファクトリーまめしばのMノズル

ノーマルのCRのボアをエアクリーナー側から見た状態。

ノーマルのメインノズル

フロートチャンバーを開けて、フロートやバルブを取り去る。メインジェットの取り付け部の左右のビスを緩める。

フロートチャンバー内

するとはずれるのが中子。中子の上にのっているのが、純正メインノズル。

CRキャブレターの中子

Mノズルを所定の位置に収めたところ。なんだか神秘的。月光に照らされた竹の中から、かぐや姫が出てくるよう。

かぐや姫でも出てきそうな雰囲気

中子を戻すとこんな感じ。さっきの写真と比べてみると、Mノズルの存在感はすごい。

Mノズル装着完了

左右ともにMノズル装着完了。

両バレルともにMノズル装着完了

Mノズルシェイクダウン

エンジンを始動する前の儀式で、イグニッションオフのまま、チョークをひいて2回キック。

パン! うわっとアフターファイヤー

イグニッションオンにして、何回かキックするもエンジンがかからない。仕方ないセルを回そう(;´∀`)

エンジン始動。時折パンッとアフターファイヤーが入る。やはり濃いのか? とりあえず発進してみる。

おおっ なんか低速でのアクセルのつきがいいぞ! なんか爆発(燃焼だが)がつぶだった感じがする。鼓動感が際立ったようだ。

そのまま134号線まで出てみる。行け Mノズル! アクセルを開けて加速する。 

ババババババババー

ものすごいハザテーション。やっぱり濃いね。でも、これはきっといいよ。

時折、アフターファイヤーを響かせながら、家に帰るのだった。