エンジンの組み立てについてつらつらと話してきたが、クランクケースを組み立てた段階でフレームに載せている。話はそこまで戻る。
フレームの交換
エンジンを載せるためにフレームを交換する。家の中で邪魔だったフレームがようやく外に出た。
目指していた美しいシートレール
もはや前後の足回りとフレームだけになっていたW400をさらにぱらす。リア周りは問題なくバラせたが、フロントのアクスルシャフトが固くて全然緩まない。エンジンが載っていないせいで、力をかけると倒れそうになる。無理はできないのでインパクトでやってみたが、それでも緩まない。
あきらめよう
センタースタンドを支点にウィリー状態でフロント周りをステムごとごっそり抜き取る。あとでこの逆をやるかと思うとちょっとげんなりする。
完バラできたので、新旧の比較。
シートレールがスッキリしているのと、タンデムステップのステーが短くなっている。
組み立てをスムーズにするために仮スタンドを作った。針金でアンダーチューブに固定する。センタースタンドもひょんなことから解放されないように針金で固定した。
フレームをぶっ倒すことは杞憂に終わり、無事フロント周りが取り付いた。フレームに合わせて、つや消しブラックで仕上げた、トップブリッジ。
ここまで来たところでクランクケースを閉じただけのエンジンを搭載。クランクケースを閉じただけと言っても結構重い。
この日は雨が降り出しそうだったので、タープを張って作業。
ここから数日天気が悪いので、腰下の両側のカバーを塞ぐまで作業を進めた。
スイングアームの仮付け
天候が回復した週末。エンジンの組み立てよりも、リアアクスルシャフトのカラーの注文を先行させるために、スイングアームを取り付けた。
ZRX1100のスイングアームが取り付いたW650。
ボンネビルT120のホイールを取り付ける。チェーンは520にコンバート。520へのコンバートはフレームとチェーンのクリアランスを大きくするという目的もあるが、そもそもW650用のオフセットスプロケットが520しか存在しない。
チェーンカバーを取り付けるためのステーが今にもチェーンに干渉しそう。ここは要加工だ。
リムとチェーンのクリアランスで考えるとタイヤ幅は160が上限のようだ。
チェーンラインは問題ないようなので、リアアクスルシャフトのカラーは、机上の計算通りのものを注文することとする。購入先はいつものようにミスミ。前から何度も言ってるけど、すごい便利なサイト。カラーなどを好みのサイズで作ってくれる。
リアタイヤの選定
一応我がWは、ストリートトラッカーとかカフェトラッカーを目指しているので、タイヤのパターンは、あの特徴的な平行四辺形のブロックパターンがベスト。
幅は旋回性とかは無視して見た目重視。できる限り太い160が理想。
見落としがちなスピードレンジは、180km/hであるS。これはW650の標準装着タイヤのスピードレンジがSのため、二輪部品量販店でこれより低いスピードレンジのタイヤの交換を断られてしまうからだ。トラッカーの定番、ダンロップのK180には替えてもらえない。
こういった条件で探してみると、まず平行四辺形ブロックパターンは全くない。仕方ないので、ニュアンスが近いパターンのオフ車用のタイヤの中から探す。なかなかいいのがいくつか見つかったが、そのどれもサイズのラインナップが150、その上が170となっている。
160には魅力的なパターンのタイヤがない。
いや、本当はある。ドカティスクランブラーに使われているダイヤが、160でパターンもかっこいいのだ。けれども、これがいつ見ても欠品中。
毎夜毎夜悩みに悩んで、結局選んだタイヤが、ピレリANGEL ST
ロードタイヤじゃん!
今回はパターンではなくタイヤ幅重視。タイヤは太いほどかっこいい!
チューブレス化
チューブレスのタイヤを選んだということもあるが、アルミから幅広鉄リムに代わり、少しでもホイール系を軽量化するべく、チューブレス化することにした。
選んだのはアウテックスのチューブレスキット。なぜだか、ボンネビルT120用は、他のモデルと比べて1割ほど安かった。ラッキー♪
作業のスタートはリムの下地調整だが、ヤフオクで手に入れたこのホイール、腐食もない、塗料の剥がれもない、製造の継ぎ目もない状態。説明書の通りの洗浄作業のみで下地処理は終了。
続いてニップルの頭にテープを貼っていく。このホイールは32本スポークだから、一般的なホイールより11%ほど作業が速い。だから1割安いのかも(ウソ)
つぎにこのチューブレスキットの肝である粘着テープの貼り付け。テープは柔らかく透明。ずれないようにガイドラインを引く。
空気が入らないように張る必要があるのだが、全く難しいことはなかった。空気なんて入る気がしない。これはエア漏れなんかしない。テープが透明なので、それがはっきりとわかる。
最後に保護テープを貼って作業終了。
このチューブレスキット、作業後は速やかにタイヤを装着して空気を充填することによって、テープの密着を高める必要があるとのこと。このままタイヤ装着へと作業はうつる。
タイヤを自分で入れるために用意しておいたのが、タイヤレバー、リムプロテクター、ビートワックス、空気入れ、そしてPPバンド。PPバンドはタイヤを絞って保持することでタイヤ交換が簡単にできるらしい。詳しくは「PPバンド タイヤ交換」で検索を。
簡単にできたと言えばできたのだが、結構インナーマッスルを使う。特にこの日は昼にカヤックで海に出たので、体力的には条件が悪かった。
さらにリムプロテクターがタイヤに引き込まれて、タイヤの中に入ってしまい、それを取り出すのに相当苦労し、終わった時はヘロヘロだった。
今回用意した足踏み式の空気入れは800kpaまで入れられる高圧タイプ。これで400kpaまで入れて一晩放置。翌朝空気圧をチェックして下がっていないことを確認。200kpaまで落としてチューブレス化は完成した。