アクスルシャフトの大径化対策 -W650を倒立フォーク化-

スラクストンのホイールはアクスルシャフト径がΦ20だが、ZX-6RはΦ25だからなんとかしなければならない。いちばんの問題はディスタンスカラー(左右のホイールベアリングの間のカラー)。これの最大径がどれほどにできるのかということ。 現状のディスタンスカラーがピチピチの状態だと、いくらベアリングの内径をΦ25にできたって意味が無い。そういう意味では、ZX-6Rのフロントフォークにしたのは、かなり一か八かだったのかもしれない。

ベアリングの取外しとディスタンスカラー

ベアリングリムーバーでベアリングをはずす。

ベアリングリムーバーを使ってベアリングを外す

片側のホイールベアリングは、その中心側の面はホイールそのものにあたって位置が決まり、外側にはスナップリングで位置決めがされる。

ホイールベアリングを押さえているスナップリング

つまりスナップリングを外さないとベアリングも外れないのだが、オイルシールがあるとそのスナップリングが見えない。このスナップリングに気づかずに、ベアリングが外れないよと、そこそこ苦労してしまった。

ホイールに出てきたカラーはアルミの肉厚のものだった。

ディスタンスカラーは肉厚のアルミ製

ホイール側の内径を測定すると30.5ミリ。遊びを考えると、外径は30ミリ。

ホイールの中

はたして厚み2.5ミリで、アクスルシャフトの締め付けトルクに耐えるのだろうか? 計算してみよう。

ボルトナットを締め付けた時に、その間に挟まれているものにかかる力は軸力というらしい。

軸力F=T / kd

T:締付けトルク

k:トルク係数(座面の状態やピッチで変わる 通常は0.15~0.2)

d:ボルト径(m)

締付けトルクはZRX1100のデータを利用して145N。トルク係数は条件的に厳しい数値になる方を選択して0.15。ボルト径は0.025で計算すると

軸力F=38666.7

となる。この力に耐えるカラーを作らなければならない。計算してみよう。

圧縮強度 σ = P / A

P:外力

A:断面積(m2)

外力は上で計算した軸力Fなので38666.7。断面積はカラーの外径0.03で内径は0.25で計算すると

圧縮強度 σ = 122549408

となる。計算をメートル単位で行っているのでミリ単位にする。

122549408 / (1000 * 1000) = 122.549408

となる。安全率を1.6とすれば、

122.549408 * 1.6 ≒ 196

となる。引っ張り強度196N/mm2以上の材料でつくれば問題ないとわかった。

アルミだと調質次第になるので、S45Cで作ることにした。

※計算及びその計算に至る考え方には間違いがあるかもしれませんので、参考程度にしてください。

外カラーとオイルシール

外カラーの長さは、ZX-6Rのアクスルシャフトに挟まれるものの長さから導き出す。ちなみにその長さはパーツリストを見れば書いてあるのでわかる。まことにありがたい。外カラー32+ベアリング12+ディスタンスカラー115+ベアリング12+外カラー32で、合計165ミリ。この数字からΦ25化に対応したベアリングの厚み9×2+81=99を引いた66を2で割った、33ミリとなる。

このカラーも、S45Cとした。表面仕上げは耐摩耗性が高いとのことから、電解ニッケルメッキとしてみた。

オイルシールは、当初外径/内径を42/25で検索してしまい、あるあるなんて思っていたが、25では直にアクスルシャフトだった( ̄▽ ̄;) 外径/内径 42/32で検索するもなかなか見つからず焦ったが、じゃっかんの妥協がありながらも発見。ヨカッタヨカッタ

これらをまとめて、いつものミスミさんに注文した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です