エクストラスペシャルワイドミッションが完成したので、クランクシャフトとバランスシャフトのメタルクリアランスを測定する。
この測定にはプラスチゲージというものを使うのだが、持ってないのでアストロプロダクツ買いに行く。店について見ると、プラスチゲージは測定範囲によって3種類あった。どれが適しているのかわからない。
しかも一つ800円位とそこそこの値段。たいして使うものでもないので、全部買いするほど富豪ではない。今日買うのは諦めて店を出る。
帰宅してからサービスマニュアルで測定すべき、クリアランスを確認する。それをもとに後日アストロプロダクツでプラスチゲージを購入。
プラスチゲージとは何か
W650のクランクシャフトには、滑り軸受が採用されている。滑り軸受けというのは、メタルという金属で軸を受けていて、軸とメタルの間には微小な隙間があり、オイルで潤滑されている。
この隙間がメタルクリアランスで、狭すぎると油が切れて熱を持ち、広過ぎるとガタが発生し振動する。この隙間がどれぐらいあるかを測定するのがプラスチゲージだ。
測定方法はいたって簡単。プラスチゲージを軸とメタルの間に挟む。
規定トルクで組み立てて分解する。
するとプラスチゲージは潰れて広がっている。その潰れた幅をプラスチゲージのパッケージにプリントされた目盛りでクリアランスを読み取る。
あれだな 挟んで潰れる細いのがプラスチで、パッケージの目盛りがゲージだな。 うんうん
クランクシャフトの4か所とバランスシャフトの2か所を測定して、規定の範囲に収まっていることを確認。さらにコンロッドのメタルクリアランスも確認する。
思わぬ干渉
いよいよクランクケースを組み立て始める訳だが、その前にバランスシャフト、クランクシャフト、トランスミッションを入れた状態で仮組みをしてみる。
トランスミッションをニュートラルにして、ロアケースから垂れ下がった3本のシフトフォークを、それを待ち構えるアッパーケースに収められたギアの溝に入れるのだが、これがなかなか難しい。
何回か仕切り直してようやく収めるも、何かおかしい。上下のクランクケースが閉じきっていない。明らかに何かが挟まっている様子。
クランクケースを開いて中を確認してみると、ギアの歯が当たって傷ついているところがあった。クラッチレリーズを取り付けるボスが、クランクケースの中にポリープのように飛び出ている。
当たっているのはドライブシャフトの1速ギア。W400のギアに変えたから大きくはなっている。ただクラッチレリーズは、W400にだってある。一体どういうことだ?
新聞にくるんで、ダンボール箱に突っ込んであったW400のクランクケースを引っ張り出す。なんと、ボスがない。潔いほどにきっぱりとない。
なるほど、じゃあ切ろう(´・ω・`)
しっかり養生して、ポリープ切除手術を開始。ルーターを使って削っていく。良性のポリープだったので、全摘せずに干渉する部分だけ切除。
クランクケースを塗装する
パーツクリーナーを使っても落とせない染み付いた汚れや、前輪が巻き上げた小石などで傷ついてしまったクランクケースを塗装するのに使うのは、つや消しシルバーの耐熱スプレー。大昔にXLR250のクランクケースをこの耐熱つや消しを塗ったことがあるが、なんとなく奥行きのない平坦な感じになってしまったのを覚えている。はたして今回はどうなるだろう。
なかなか面倒くさいマスキングを終えて、スプレーを吹く。やっぱり平坦なしあがりに。なんでこのスプレーはこんなにも平坦になるんだろう。多分メタリック感を出す粒々の大きさが相当細かいんだろうな。だから均一な銀になってる。平坦なんて言ったらメーカーは怒るな。
クランクケースを閉じる
クランクケースの合わせ面は液体パッキンを使う。このパッキン、可使時間が短いので手際の良い作業が必要。そして、薄く塗らなければならないらしいのだが、薄いって具体的にどれぐらいのことなんだろうか?
うすーく丁寧に、しかし手早く発見、無理を得るとクランクケースを食べ、クランクケースを閉じる合わせ面が練習密着しているのを確認してからボルトを・・・
ボッ ボルト!
なんと、手早く作業をしなければならないというのに、ボルトが分解した時にビニール袋に収めたままになっていた。ロアケースのボルトも含めると、その本数は30本近い!(汗) こいつらを1本1本掃除して、モリブデングリスを塗って締め付けなければならない・・・
先の読めない自分を呪いながら、ボルトをふきふきグリスを塗り塗りするのであった。
プラスチゲージ、35年前、俺のCB750Fのエンジン組んだ時に使ったよね!
あの時は、どこで購入したんだっけ?
おやじライダーさん こんばんは!
プラスチゲージなんて、そこらに売ってなかったからなぁ
台東の工具専門店か、俺が学校からもらってきたとか
(・_・;)