パワーフィルター化する -ZRX400のタンクを取りつける-

Wをパワーフィルター化する時の問題

Wをパワーフィルター化しようとすると、そこに大きな問題がある。フレームだ。Wのフレームの腰のあたりのぶっといのが、キャブレターの後ろに立ちはだかっている。

うちのWはCRキャブレターがついている。このCRキャブレターのエンジン側には、負圧取り出し用の短いパイプが入っている。そのため、キャブレターの後端が純正よりも2センチほど下がっている。ただでさえじゃまなフレームに、わざわざ近づいてしまっているので、よくあるパワーフィルターだとまちがいなく干渉する。実際、ヤフオクで手に入れたこのCRキャブレターにセットされていたパワーフィルターは、内側と思われる方をつぶしてあった。

問題の解決 – 既製品

このフレームを避けるために、一度外に振り出すダクトを作らなければならない。これをどうするかが、悩まされるところだ。ところがいいものを発見した。キジマから出ている、FTR用のパワーフィルターだ。FTRも、キャブレター後方にじゃまなものがあるのだろう。こいつは、キャブレター取付部で40度ほど曲がり、4センチほどで、またまっすぐに戻してある。

これならフレームをよけられるはずだ。ブローバイガス取り入れ用のニップルが用意されているので、左に取り付けるとそのニップルが上を向いてしまう問題があるが、これはふさいで別の方法を考えればいいだろう。試しに1個買ってみた。

届いたパワーフィルターを取り付けようとしてびっくり。ていうかガッカリ。取付部のサイズが違った。パワーフィルター側は50Φで、キャブレター側は55Φ。完全に勘違いしていた。ごったね。

こうやって、使えない部品が部屋に増えていく。フロントフェンダーを作った時は、ゼファーのスタビライザー。

これはこの前ヤフオクで売り放った。フェンダー製作失敗から手に入れた、ZX6Rのフロントフェンダー。これは倒立フォークを流用したZX6Rのフェンダーがもっさりしてるので、ワンチャン次の年式でもつくんじゃないかとヤフオクで手に入れた。取付ピッチは同じだったのだが、取付位置がほんの少しアクスルシャフト寄りのため、フェンダーとタイヤが接触してしまい使えなかった。棚のオブジェになっている。

いちばん最近のはリヤブレーキ。見た目がシンプルなシングルピストンにしたいと、2010年のZ1000のブレーキをヤフオクで手に入れた。シングルピストンで片押し(シングルピストンなら片押し式だろうが念のため)で、キャリパーが下付けというのはこれぐらいしか見つけられていない。

オーバーホールした後に、アクスルシャフトに入れるカラーの厚みを測定するために取り付けようとするも、アクスルシャフトが入らない。ディスク径は5ミリしか違わないから問題ない(?)はず。うちのWについているトライアンフスピードトリプル(確か)のディスク径は255なのだが、定規で測った時はギリ干渉しないはずだったのに・・・

よくよく観察してみると、ディスクとキャリパーが干渉しているのではなく、キャリパーとホイールハブが干渉していた。これは無理だ。そうかなるほど デュアルピストンに比べてシングルピストンはブレーキパッドに高さがあるからね( ̄▽ ̄;)

そんな部品があふれている俺の部屋に、突然妻の監査が行われた。

「ねえ この部品なあに?」

「これは燃料タンクだよ」

「こんなのどこで買うの?」

「ヤフーオークションだよ 今ついてるタンクは、ガソリンがちょっとしか入らないから、ツーリングの時にみんなに迷惑かけるんだよ」

「ふーん これがダブたんにつけられるって、わかって買ってるの?」

「それは来てみてからの勝負だよ! だからこんなに使えない部品がたくさんあるのさ(☆∀☆)キラーン!」

費用についての追求がなかったのが幸いだった。

話を戻そう

問題の解決 – 自作

キジマのFTR用パワーフィルターは使えないとわかった。残念だが仕方ない。そうなると、外に振り出す部分を、自分で作らなければならない。何で作るか? ウレタンゴムだろうな。

だいぶ昔の話になるが、俺が運営しているゴルフサイト「世が世なら2オン♪」で、パターのグリップを製造販売していた。その時のグリップのベースを、2液混合のウレタンゴムで作っていた。そのウレタンゴムで作ろう。

そう思って検索してみると、見覚えのある製品の画像が表示されていた。アダプト80 そうそう確かそんな名前だった。

しかしこの製品は、販売を終了していた。ここから数日、通勤電車の中で2液混合のウレタンゴムを検索する日が続いた。そして見つけたのがデブコンフレクサン80L。ほぼ、この1択と言えるほど、他のものはみつからなかった。アダプトみたいに注型で成形できるのかちょっと微妙だが、こいつにかけてみることにして購入。1万円少々と、ちょっと高い。

パワーフィルターのカバー

パワーフィルター化するわけだが、パワーフィルターは雨に弱いらしい。雨の日は乗らないつもりだが、バイクテントの中に置いておいても車体にそこそこのホコリが積もる。そんなホコリよけの意味からも、パワーフィルターにカバーをつけたい。そこで考えたのがサイレンサー型エアクリーナーにすること。

ピンスクの後部左右にサイレンサーがついてるのを見て、なんだあれは?と思っていたら、片方はサイレンサー型エアクリーナーだというものだとわかった。なんかカッコイイじゃん 

そのサイレンサー型エアクリーナーをうちのWに採用するのだ。

当然、W用のサイレンサー型エアクリーナーなんてどこも作ってない。無いものは作ればいい。

とは言え、完全に1から作ると、本来の目的=ZRX400のタンク換装が、いつ始められるのかわからないので、あるものを流用することにした。あるものとはサイレンサーだ。なんてったってサイレンサー型なのだから。

使用するサイレンサーの形は、フロントピースとリヤピースの間に、パイプをリベットで繋いでいるもの。このリベットをカットして分解し、消音材を取り外す。フロントピースから内部へパイプを突き出して、そこにパワーフィルターを取り付ける。元通りに組み立てる時はリベットは使わずにボルト留めとすれば、内部へのアクセスが容易になるだろう。

中に入れるパワーフィルターはスムースストリームの55Φにした。決めては、ファンネル後部からキャブレター側に向かって円錐状になっており、逆ファンネル効果があるというところ。早くエンジンをかけてみたい。

このパワーフィルターの外径が74ミリなので、少なくともサイレンサーの内径は100ミリ程度は欲しい。これを条件にヤフオクを検索する。すると、よくあるサイズは90Φぐらいだとわかる。

90 – 74 = 16 で16ミリの隙間か。もう少し欲しいな。で探すと、次は103Φ程度のものがあった。しかもリヤピースがアルミで質感が高い。まあ、実物を見ないとなんとも言えないが。ふたつ買って失敗だとたいへんなので、とりあえずひとつ購入。

電装ボックスを作る その2-ZRX400のタンクを取りつける-

バッテリー装着

電装ボックスを作る話の続き その1はこちら

曲げたPET板の内面の両サイドに、15×15 t2のアルミアングルをセットしていく。内骨格ということだ。PET板の曲がりに合わせて、ヤスリで整形していくのだが、やはり先に骨格を作って、それをPET板でくるんだ方が簡単だったなと後悔する。あるか知らんが次はそうしよう。

両サイドの骨が完成。

電装ボックスの骨完成

前方は新造するタンク取付金物につなげる。後方はリヤサスの上部取付ステーが中空となっているので、そこにブラインドナットを仕込む。本当はM6でいきたかったのだが、スペース的に難しく、M5となった。これを使ってアルミ角パイプを左右に渡し、そいつで電装ボックス後部を支える。

前方取付部と後方の角パイプを2本のフラットバーで結び、PET板で作った浅底の鍋を置き、ヒューズボックスとETCを純正時と同じ位置に配置できるようにした。この鍋は、まず木型を作って、それをもとに紙型をつくり、PET板をを熱して曲げて作った。

電装ボックス上部の鍋 こいつは透明のままとした

バッテリーはDRCのタフスターリチウムバッテリー103型というやつにした。これはW650のバッテリー容量ではなく、W400のバッテリー容量と互換するもの。うちのWは、電装部品はW400なので問題ないだろう。そもそもW650とW400でバッテリー容量が違うなんて、今回初めて知った。

このバッテリーを電装ボックス後部の斜めの壁に、持たれるようにセットし、2本のベルクロバンドで固定する。リチウムバッテリーになって、重量が鉛バッテリーの5分の1程度の610グラムとなっているので、こんなもんで大丈夫だろう。

バッテリー置き場

両サイドのカバーは当初剛性を稼ごうと、3ミリ厚で作ろうと思っていたが、カバーがなくてもかなりしっかりしているので、2ミリ厚とした。特筆すべき点はカバーボルトを使ったところ。カバーボルトとは、カバーからボルトが離れないようになっていて、紛失・脱落の心配がない。構造は次のようになっている。

カバーにカバービス

カバーボルトを使うカバーにネジを切る。そこにカバーボルトをねじ込んでいく。カバーボルトの頭側の軸はネジがなく、ネジの谷径より細くなっていて、そこまでねじ込んでいくと、カバーとボルトはフリーになる。この状態は、カバーを取り付けるためにボルトを締めることができる上に、カバーをはずしてもボルトをはカバーについたままでいるというわけだ。

カバービス 軸の頭側が、ねじの谷径より細くなっている

あらかたできたので、電装ボックスの塗装をする。内側に足付けして、つや消しブラックを吹いた。つや消しを吹いてもPET板を通すので、外から見ればつや有りになる。製作時の傷もあって、思ったより安っぽい。仕方ないので外側を塗ろうと足付けしてみると、いいつや消し具合になったので、これでいくことにする。これなら塗装がはげることはない。

電装ボックスの取り付け

塗装の終わった電装ボックスを取り付ける。ワイヤーハーネスの取り回しを検討し、不都合のある部分を修正し絶縁テープを巻く。純正のようにつや消しではないので、妙に浮いた感じになってしまった。つや消しのテープを探さないと。(後日、アストロプロダクツで購入)

固定先が決まっていなかったふたつのリレーのステーを作る。いい感じにできたと思ったのに、上部の鍋に干渉した。なんとなく作って時間を無駄にした。悪い癖だ。ステーの取付位置を変えたら干渉はなくなったので、ロスは小さかった。

バッテリーを搭載

バッテリー装着

電装ボックスの中身を右側から見る

電送ボックス内部の収まり具合

右に大きく見えているのはイグナイター。続いて、電装ボックスの上部

電装ボックス上部のレイアウト

ヒューズボックスは純正と同様のレイアウトとした。ETCはシートレール後方へ引っ越そうかと考えていたが、以前と同じ場所を確保できた。鍋は透明のままにしてバッテリーを見られるようにした。バッテリーはボタンを押すと充電状態を表示する機能があるので、それを押すために鍋底に穴をあけてある。上の写真でも見えるが、知ってる人しかわからない(笑)

そして完成

電送ボックス完成 右後ろから撮影
電装ボックス完成 左後ろから撮影

パワーフィルターがついているが、やはりフレームにあたって、しっかりはついていない。この状態でエンジンをかけてみた。3か月ぶりの始動だったが、リチウムバッテリーは元気にセルを回して、あっという間にかかった。ただし、薄すぎるのだろう、チョークを少し引いておかないとすぐ止まってしまう。これはこれで楽しみ。

電装ボックスは一応完成はした。ただ、細部の詰めがまだなので、おいおいやっていくつもり。