ただの継続車検だったのに その2

無事車検シールもゲット

例によってバタバタしている車検の話の続き。その1はこちら

Wに乗り、検査ラインへ向かう。1番左の二輪用のラインの中にには、1台のバイクが見える。ただ、ラインの入り口に検査員さんは見えない。

Wを停めて、ほどなく検査員さんが奥から現れた。よろしくお願いしますと言って、書類をはさんだクリップボードを渡す。まずはヘッドライトやウィンカーなどの灯火類の検査。

「ハイビームー 右ウィンカー 左ウィンカー ホーン」

と検査員さんの指示するものを作動させていく。ホーンの音量がかなり頼りなげだったが、検査員さんはWの後ろへと移動した。

左右ウィンカーと、ブレーキランプの動作を確認すると、ウィンカーにペンライトをかざしてガン見し始めた。このウィンカーは、前回の改造車検の時にも確認いただいているので、特に問題はないだろう。

ところが・・・

「このウィンカーいつからつけてます?」

「2年前の車検からついてますよ」

「これ見たことないんですよねぇ」

検査員さんは、辞書みたいなものとWのウインカーを交互に見ている。

「Eマークついてますよね?」

「Eマークだけじゃなくてもっと書かれているべきことがあるんですよ」

「メーカーは車検対応って言ってましたよ」

「それが書かれた説明書とかありますか?」

「あるかもしれないけど、今は無いですね」

「そうですか 詳しい人だったら不適合っていうかもしれないですね・・・」

ということは今日はオッケー?(((o(*゚▽゚*)o)))

続いてマフラーの音量測定をすると言い出した検査員さん。Wの右後ろにマイクのようなものをセットし始める。たぶんこのパチヨシムラのチープさを、いぶかしんだに違いない。これは今までやったことがない。

ヤフオクでゲットした、やっすいサイレンサー

3500回転に合わせてくれと言われてやってみるが、アクセルが重い。スロットルバルブが張りついたように、3000回転ぐらいから、思うように回転が上がっていかない。ちょっと力を入れてみたら、バオーンと、4000回転を超えてしまった。

「はいオッケーでーす」

あっ オッケーなのね 安心はしたものの、微細なコントロールができない自分が不安になってくる。

94db/3750rpm の測定値と自動車税未確認のはんこ

ようやく事前審査的なエリアを終え、ラインに入れる。ひとりでやろうと思っていたが、勝手に別の検査員さんがついてきた。まあ、ついてもらった方がまちがいない。

ブレーキはなにやら、やり直しがあったが、スピードメーターは問題なく、最後のヘッドライトの検査になった。

「左右から前輪をはさまれます その際、バイクが傾いているようなら、揺らして直してください」

なるほど 確かに以前の検査で、はさまれた時にずいぶん左に傾いていて、大丈夫なのか不安になった時があった。大丈夫だったけど。

前輪がはさまれて固定され、検査が始まった。テスターが前に出てきたて、なにかを探すようにぐるぐる動いている。

「 × 」

だめだった。やっぱりね ハンドルをぐぐっと左右に動かして2回目にチャレンジするも結果は同じ。まあ、想定通り。

検査長小屋に話を聞きに行くと、左はほんの少しずれてるだけだけど、下に55センチずれてるとのこと。今までは口頭だけだったけど、今日は不適合なことを、書面で渡された。

ヘッドライトテスタの不適合っぷり

下を向いてるだろうとは思っていたけど、まさか55センチもか・・・ まあ確かに、フロントホイールが19インチから17インチに変わり、アクスル軸は差の半分の1インチ=2.5センチ下がったわけだ。ホイールベースは1500ぐらいだから、10m先だと10000÷1500≒6.7 2.5×6.7=16.75センチ下を向く、となるはずだが、55センチか・・・

予備検査場に持ち込んで、さっさと終わらせようと一旦準備を始めるも、再チャレンジは2回できるんだから、自分で直して1回目の再検査を受けてみるのもいいか? 受かればラッキーだ。

ということで、いつもの?ように、車検場の端っこに行き、建物の壁にWを正対させる。まだ明るいが、光軸調整の頼りになる、照らし出された灯りの明暗は、なんとかその光の輪郭を認識することができた。

その輪郭の上部にマスキングテープを貼る。準備は万端さ!♪ 歩測で5mの位置にWを置いたので、狙いは27センチ上。当然持ってきてある14のコンビネーションレンチ2本で、ベイツタイプのヘッドライトの上下ボルトを緩めて、灯りの輪郭をマスキングテープから25センチぐらい上に動かす。27センチじゃないのは、調整誤差。スケールは持ってきてない。

左右は適当にちょっとだけ右に動かして調整終了。検査ラインに再度再度突入する。

迎え撃つ検査員さんに、光軸だけの再検査を告げると、前の人が終わったら、再検査の光軸ボタンを押しなさいと言われる(たぶん ちょっと忘れた)。押さないと、全部の検査が始まってしまうらしい。

その操作ボタンがある横で、前の人が終わるのを待つ。待ってる間に、再検査ボタンを押すべきなのか、それともすっかり終わってから押すべきなのか悩みながら待つ。

前の人はずいぶん慣れているように見受けられた。スムーズに検査をこなしていく。ところが、光軸検査で失格していた。光軸侮りがたし!

前の人の光軸検査が終わったところで、再検査ボタンを押してみたが、操作盤になんの変化も現れなかった。そして前の人がテスターから、すっかり離れたところで再度押してみると、再検査を受け付けた表示に変わった。

ブレーキとスピードメーターのテスターを飛ばして、一気に光軸検査まで進める。例によって左右から出てきた板にフロントタイヤをはさまれて固定される。そして、テスターがWの前に出てきて検査が始まる。ほどなく表示板に光軸検査合格の表示。さすが俺σ(・ω・。)

光軸を調整する -ドラムからディスクの改造車検-

改造車検合格祝いのオムライス

改造申請のライン検査でヘッドライトの光軸が不合格だった話の続き。

ラインの最後にある検査員マスターの小屋で、どれだけズレているのか教えてもらった。

「右に40センチずれてる」

「よっ 40センチですか!?」

40センチって、ライトあさってのほう向いてるじゃん。一瞬意味がわからなかったが、はたと思いつく。ヘッドライトの光軸は10メートル先の照射ポイントが決められている。道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.10.24】〈第一節〉第 42 条(前照灯等)

「10メートル先で40センチってことですよね?」

「そう」

「分かりました。ありがとうございます」

そう言って検査ラインのある建物を出る。

さあどうしよう 以前お世話になったヨビケンはここから少し離れている。近くにも予備検査場はあるようだが、あまりよくわかっていない。いや、まったく知らない。

もたもたしていたら、検査時間が終わってしまう。自分でやろう。WをD棟のさらに奥の建物の外壁に正対させセンタースタンドをかける。冬の始め(8ヶ月近く前の話で申し訳ない)、4ラウンドの終わり近い時間ともなれば、天気が良くても日陰側の外壁ならヘッドライトがどこを照らしているかはっきりわかる。

壁まで何メートルか歩測する。歩測は得意だ。気負わず歩いた歩数の3分の2がメートルだ。

7.5歩。ということは、ちょうど5メートル。10メートルで40センチだから5メートルで20センチ。これは多分算数。いや、初期の数学か?

いやしかし、これ、ヘッドライトのボルトを緩めたら、ハンドルの向き変わるよな。

ベイツタイプのライトだから、光軸調整用のビスなど存在しない。やっていることのあまりの儚さに、気持ちがふわふわっとなり、光軸の移動の目標点を定めぬままにボルトを緩めようとする。

いかん!

気を取り直し、前輪に舵角がついてないことを確認して光軸の移動の目標点を定める。ボルトを緩め、ヘッドライトの明かりの一番明るい点を目標点へ移動する。ボルトを締め付けて終わり。


もはや閉店を思わせる誰もいない検査ラインにWをそろそろと進入させると、物陰から検査員さん。ヘッドライトの再検査を告げると、われわれをラインの先へ促す。

すべての検査機器をぶっちぎって光軸検査場所に到着。前輪をはさまれて動けなくなったWの前にテスターが出てきて、何かを探すように上下左右にカクカク動く。

電光掲示板に〇の文字。

「誰が直したんですか?」

と検査員さん。自分ですよと答えると、

「バッチリですよ 上手いですねー」

とのこと。いやー、よかったよかった。

このあと隣の計測ラインで車体寸法や重量を計測。 前回より10キロ多い190キロだった。これはリアタイヤが太くなっただけでなく、リムが鉄になったことが大きい。

しかし、スイングアームは軽くなっているだろうし、リア周りだけで10キロ増とは考えにくい。おそらく前回の車検の時はガソリンが満タンでなかったのではないだろうか。今日はちゃんと満タンにしてきた。

写真撮影を終えて、ラインでの作業は終了。返してもらった書類を持ってC棟へ戻る。

もう手続きしてくれないのではないかと思わせるほどの業務終了感を漂わせた窓口を三つほど渡り歩き、新しいナンバープレートをゲットできた。

新しいナンバーがついた

ナンバーをつけ終えた時は、もう12月の夕暮れ。いやぁ、長い一日だった。

もうすっかり夕暮れの湘南自動車検査事務所

だった? 仮ナンバー返しに行かなくちゃ!

仮ナンバーを返して自宅に帰ると、かみさんが改造車検合格祝いのオムライスでサプライズ。

改造車検合格祝いのオムライス

 

ありがとう!