ZX-6Rのトップブリッジは使えないことがわかった話の続き。
ヤフオクで落札した+Z1000のトップブリッジが届いた。
ZX-6Rとフォークピッチは同じだったが、残念ながらオフセットが違ったので、予定通りNinja1000のステムを購入することにする。ヤフオクに出品されていたものを、終了直前に入札して無事落札した。
届いたNinja1000のステアリングステム1式。トップブリッジは中央が下がるタイプだから使えないだろう。
念の為Ninjaのアンダー、Zのトップの組み合わせでZX-6Rのフォークをさしてみる。トップブリッジのはまりが悪いが、オフセット自体は同じようだ。大丈夫そうだろう。(これがのちにたいへんなことになる)
ステムシャフトの抜き取り
届いたNinja1000のステムシャフトを抜こうと思う。方法は、電気の配管を曲げる油圧ベンダーというものを使う。名前の通り油圧を利用して太い鉄の配管を曲げるのに使うものだ。セッティングはこんな感じ。
油圧ベンダーのプレートの穴に溝形鋼を渡してこれを土台とする。その土台の上に、ステムシャフトの外径より少し大きな外径のパイプををステムシャフトと同心にセットして置き、油圧で上から押していく。この構造に収まるように、ステムシャフトは短く切った。
まずは1回様子見で押してみる。
なにも変化がない。押されているのかすらわからない。いったん油圧をリリースする。アンダーブラケットと油圧ベンダーのプレートの位置関係が変わった。押されて動いたものが戻るように。
なにが動いた? まさかこのごつい溝形鋼がたわんだのか?
そもそも、ステムシャフトが下に抜けるのか、上に抜けるのか、どちらにも抜けるのか、どちらかにしか抜けないのかわかっていない。今は、上に抜けたら問題だろうなと思って、下に抜こうとしている。アンダーブラケット上側はベアリングレースとオイルシールでステムシャフトの根元は見えないし、下側はステムシャフトの角を面取りしてあるので、正確な太さを測定できない。
もしかして、このオイルシールの下にシャフトの位置決めのでっぱりとかあったら、上から押しても抜けないぞ
怖いのでベアリングレースをはずして確認してみることにした。リムーバーは無いので、サンダーでさっさとぶったぎる。じゃまものがなくなったステムシャフトを観察する。特に下へ抜けるのを妨げるものはない。もう一度やってみよう。
慎重にセットしてから、油圧ポンプのレバーをゆっくり上下させていく。だいぶ押したよなぁ と思った時に、コンッと高い音がした。これはステムシャフトが動いたぞ。油圧ポンプのダイヤルをゆるめて、油圧をリリースする。
油圧ベンダーからステムを取り出し確認すると、ステムシャフトが2ミリほどアンダーブラケット下面から飛び出ていた。よし これで抜ける。
そこから先は安心して油圧をかけられた。コンコン小気味いい音をたてて抜けていくステムシャフト。
取り出し完了。なるほど、ステムシャフトの下端にリブがあって、上には抜けないようになっているのね。
ステムシャフトを探す
ステムシャフトが抜けたアンダーブラケット。これWのステムシャフトを入れるわけだが、我がWのステムシャフトを使うと、倒立フォーク化が完成するまでかなりの期間乗れなくなってしまう。それは避けたいので、ヤフオクでWのステムを探してみる。7000円とかする。ステムシャフトだけしか要らないのに無駄に高い。
選択肢を広げてみる。Wは、ZRXやゼファーと同じステムシャフトを使っていると、続Z1000jのkz1136jさんがブログに書いていた。同じ出品者のゼファーのステムの画像とWのステムの画像を重ねてみると、確かにほとんど同じ。パーツリストのベアリングの型番も同じものだった。
ただ、ゼファー400のステムシャフトは溶接でとめられている。溶接部分を削り落とすというひと手間をなくしたいのと、ステムシャフトとアンダーブラケットの嵌合長を長くしたいから、圧入されているタイプにしたい。そうなるとゼファー750以上か、ZRX1100以上になる。
ヤフオクでステムの出品を探し続けているうちに、あることに気がついた。ZRX1100は、ステムシャフトとアンダーブラケットの嵌合部分が長いのだ。W650なんて、大丈夫かってぐらいしか嵌合部分が短い。
剛性うんぬんもあるが、嵌合長が長いと都合がいいことがある。Ninja1000のアンダーブラケットに差し込むためにカラーを介すのだが、ステムシャフトの抜け止めをカラーの下端より出さなければならない。アンダーブラケットの上面に出すべき部分は決まっているので、嵌合長が短いと、抜け止め部分をカラーの中に潜り込ますようにしなければならなくなる。Wのステムシャフトを使ったら、絶対そうせざるを得ないだろう。
「これはもうZRX1100一択だ」
そして格安ZRX1100ステムを手に入れた。