オイルクーラーを取り付けるために、その前段にオイルプレッシャーバルブを設けておこうという作戦は失敗した。前の話はこちら。
それでもボアアップしたことによる危険な油温上昇の察知と、いつかつけたいオイルクーラーの効果を知るために、油温計はどうしてもつけておきたい。
油温計を探す
まずはどんな油温計にするか。アナログ好きの自分としては、デジタルではなく、針で数値を指し示すものがいい。探してみる。
出てくるのは、オイルフィラーキャップと交換するタイプ。Wの場合、オイルフィラーキャップはクラッチの上についているので、センサーが下に伸びていない。クラッチに跳ねあげられたオイルがかかることによって、油温を計測しているのだろう。まあ、それはいい。問題はメーターが小さすぎて読み取れないこと。危険を、すぐには察知できない。しっかり見ようとして視線を落とし続けたら、別の危険がやってくるし。
タコメーターの横につけられるアナログの油温計となると、T&Tかスタックの二択のようだ。大きさがちょうどいいのと価格の魅力から、T&Tの油温計にすることにした。
ただ、この油温計にはセンサーがセットされていなかった。さらに日本語の情報がない。英語の取扱説明書を見ると、「こういうセンサー用意してね」と書かれてはいたが、そういうセンサーが見つからなかった。手に入るセンサーは使えないのか? それを知るために、油温計のセンサーの作動原理を調べてみる。なるほど、温度によって抵抗が変わる金属の抵抗値で、温度を計測しているらしい。
ということは、求められているセンサーと抵抗値が違うセンサーだったとしても、抵抗を追加で、直列に入れたり並列に入れたりしてあげれば、正しく油温を指し示すようにできるに違いない。調整は難しいかもしれないが・・・
そこで思い立ったのが、一旦デジタルでもいいから、油温計を導入すること。というのは、非常に安価な油温計とセンサーのセットが、デジタルで存在していたのだ。あとは、これをどこに取り付けるかだ。
油温計センサー取付方法の模索
油温計やオイルクーラーを後付けする際に、よく使われている(ような)手法が、オイルフィルターとエンジンの間に、取り出しブロックをはさむ方法だ。しかしこの方法は、集合しているエキパイだとオイルフィルターの前方への張り出しを許してくれない。うちのだぶたんは、イージーライダースの集合管がついているので、これにあてはまる。
そこで検索して見つけた方法が、オイルプレッシャースイッチをはずして、アダプターをかます方法。これなら簡単に油温センサーを取り付けられる。アダプターは、ネジのサイズ、ピッチで複数用意されている。形状としては、長ナット(高ナット)の一端が雄ネジになっていて、ナットの腹に穴が開けられ、ネジが切られている。雄ネジが入口となり、雌ねじふたつが出口となる。W650の場合、オイルプレッシャースイッチのねじはPT1/8だ。
センサーを検索すると、デイトナからデジタルメーターとセットで、5000円以下のものを発見。センサーだけ買うつもりだったが、この安さならメーターもあった方が、のちの抵抗値調整も簡単だろうからと購入した。ネジはPT1/8だったので、アダプターも購入した。
油温計の取付
油温計とアダプターが届いたので観察する。


センサーの取付ネジからの先が長いので、アダプターの腹にあけられた穴だと、センサーの先端が反対側に当たって、締まりきらない。腹側に油圧スイッチを取り付ければいいか?

油圧スイッチを取り外す。オイルは抜いてあるので出ては来ない。幸い、油圧スイッチの先端は長くなかったので、アダプターの腹側に取り付けられる。

リフォームの時に使ったシールテープをネジ部に巻いて、アダプター、油圧スイッチ、油温センサーを取り付ける。油圧スイッチは進行方向に突き出すようにセットした。

ボアアップ後の初乗り
オイルを入れる。燃料コックを開く。CRにガソリンが貯まるのをしばし待つ。チョークレバーを引いてセルスイッチを押す。
キュルキュルキュルキュル
ブオン プスッ
810ccになったうちのダブたんは、あっさり目を覚ました。しかし、チョークレバーを戻した途端に止まった。もう一度チョークレバーを引いてセルスイッチを押してみる。
結果は同じ。チョークレバーを戻すとすぐに止まってしまう。何度やってもそれは変わらなかった。キャブセッティングを一切変えてないので、それが理由かもしれない。
セット名 | AS | SJ | JN | C段数 | MJ |
ボアアップ前 | 1 | 58 | 5179 | 1 | 120 |
ボアアップ後 | 1 | 62 | 5178 | 3 | 135 |
試運転でチョークを引いてないとアイドリングしなかったことを受けて、濃いめのスタート。これが功を奏したか、エンジンは問題なく始動し、アイドリングもした。

油温計は36度を示している。まあ、気温だ(このときは夏)。暖機運転中に、徐々に数値が上がっていく。ボアアップして組んだエンジンの腰上を観察する。特に異常は見られない。油温センサーを取り付けたあたりを素手で撫で回してみたが、オイル漏れもなかった。よし出発だ。
810ccになったうちのダブたん。猛烈な変化は残念ながら感じられない。セッティングが出れば変わるのだろうか。それよりも、ノッキングがひどい。アクセルをゆっくり開ければ、なんともないが、エンジンの回転に対して少しでもアクセル開度が大きいと、チリチリ音を立てている。圧縮比が高まったから当然か。まずはデフォルトのままのウオタニで調整していこう。
油温計の方も少々問題があった。センサーが走行風をしっかり受ける場所にあるからだろう、走り出すと温度がぐんぐん下がるのだ。信号待ちで上昇し、正しい温度で安定する。ちなみに87度と表示されている。
ただ、オイルラインの脇道の袋小路に取り付けたセンサーが、正しい油温を感知しているのかは、かなり疑問だ。参考程度にしておこう。
今回取り付けた油温計はこれ

忙しくて全然更新できていませんでしたが、そろそろ暇になるので、これからはぽつりぽつりと更新していきます。2025/2/19
初めまして、私も先日ビトーさんのキットとFCR37の組合せで組みました。慣らしも終わり今のところ快調です。キャブはおそらく濃いめで様子見です。
エビハラさん こんばんは!
快調とのこと いいですね!